開幕2戦目で記念すべき“Bプレミア1勝” 初戦黒星の信州BWが立て直せたワケ

2026年9月27日、ホームのホワイトリング(長野市)でBプレミア2戦目に臨んだ信州ブレイブウォリアーズは、富山グラウジーズに99-81で快勝して初勝利を挙げた。今季から新設された国内最高峰の舞台に、連日4,000人超のブースターが詰めかけて素晴らしい雰囲気を演出。選手たちが「準備してきたことが出せなかった」と悔しがった前日の敗戦から一転、2戦目で会心の内容を見せることができた理由は何か――。選手や指揮官の言葉を紐解き、初陣の深層を探った。

文:芋川 史貴


攻撃回数は互角の「79.3」
リズム掴めずスタイル停滞

9月26日のGAME1は、富山グラウジーズの“矛”が勝った。

富山の最初の攻撃を抑えた信州ブレイブウォリアーズは、わずか6秒でシュートを沈めると、富山も6秒ほどでゴール下まで侵入しファウルを誘発。両チームとも速いテンポで得点を狙う意識が出だしから見られた。

昨季まではディフェンスに重きを置いていた信州も、今季は「テンポの速いバスケット」にスタイルを転換。試合を通した両チームのポゼッション数(攻撃回数)は「79.3」となり、スタイルで重なる富山と互角の展開に持ち込んだように見える。

しかし、選手たちの反応は「自分たちが用意してきたバスケットができなかった」

先発ポイントガードを務めた星野京介は「もっと自分たちから相手に向かっていかなければいけない。そこができていなかった。富山さんがどうこうよりも、自分たちが良くなかった」と振り返る。

ジャッド・フラベル・ヘッドコーチ(HC)は、相手のディフェンスに対してアジャストできなかったことを敗因に挙げた。

「(富山が)スイッチディフェンスをしてきたり、スクリーンに対してあえて下がり気味に守って、シュートを打たせようとしてきたりした。そこに対してオフェンスのリズムをつかめなかった。良い形でシュートを打てた場面もあったが、選択をもっと良くできた場面もあったと思う」

富山はオールコートプレスを仕掛ける場面もあった。相手の攻撃テンポを抑え、ミスを誘発する狙いがあり、富山のダビー・ゴメス・ヘッドコーチ(HC)は「(信州は)焦りやストレスを感じていた部分があったように見えた」と、手応えを口にした。

結果的に信州は19個のターンオーバーを犯し、そこから24失点を喫した。本来は自分たちが仕掛けるはずの圧力を逆に受け、最後まで後手に回ったことが敗因の一つだ。

ファウルトラブルも要因
「賢くやる余地がある」

GAME1でリズムがつかめなかった要因は、ファウルトラブルも関係する。バスケットボールは、1クォーター(Q)のうちにチームで5回ファウルを犯すと、シュートシチュエーションに関係なく相手にフリースローを与えてしまう。

ファウルは犯すものではなく、賢く“使う”ことが定石。個人ファウルの場合は5回犯すと退場になるため、コントロールしながら最後までコートに立つことが望ましい。GAME1では、チームとしても個人としてもファウルが増え、ゲームプランが崩れた。

クォーターごとのチームファウルの状況を整理してみる。

第1Q:残り5分6秒で5個

第2Q:チームファウル3個

第3Q:残り4分30秒で5個

第4Q:残り4分17秒で5個

つまり、単純計算で40分間のうち約14分間は、ファウルを気にしながら戦わざるを得なかった。これはプレシーズンゲームの千葉ジェッツ戦から課題として挙がっていた部分だ。

「早い段階で相手にフリースローを与えたり、ファウルトラブルに陥ったりして流れが悪くなってしまった」とフラベルHCも苦い表情を浮かべる。

「フィジカルなプレー」「テンポの速いバスケット」は言葉で言えば単純だが、高い遂行力を求められる。ただ単にがむしゃらにプレーすればいいということではない。

「フィジカルなプレーに関しては、もっと賢くできる余地があると思う。決してフィジカルにプレーしていないわけではない。より賢明なプレーができるはず」と指揮官は次戦に向けて期待を込めた。

新加入のキーボン・ハリスは、第1Q残り8分5秒で2個目のファウルを犯すと、前半は約7分間の出場にとどまった。後半は第3Qに調子を上げて8分30秒の出場で7得点、第4Qは2本の3ポイントシュートを含む8得点を記録したが、残り5分58秒で5ファウルを犯して退場。真価を発揮することができなかった。

GAME1を終えたハリスは、「これまで取られたことのないようなオフェンスファウルをいくつか取られてしまい、自分にとっては新しい経験だった。新しい審判や新しいリーグの傾向に適応しつつ、精神的に集中を切らさないように努めていく」と前を向いた。

開幕戦の課題を改善
GAME2で記念すべき“1勝”

9月27日のGAME2は、GAME1で露呈した課題をしっかりと改善した。

特筆すべきはオフェンスリバウンド。前半のシュートが入らない時間帯でオフェンスリバウンドを15本獲得し、セカンドチャンスポイントにつなげてリズムを生み出した。

フラベルHCは「適切なスペーシングや我々のシステムから生まれたシュートが多く見られた。ああいう形でプレーできれば、どこからシュートが打たれるか予測し、リバウンドに備えてポジションを取ることもできる。セカンドチャンスを生み出せたことは、今日の勝利の大きな要因になった」とうなずく。

ファールトラブルも改善した。GAME1で退場したハリスは審判の判定基準に順応し、29分48秒の出場でチーム最多の30得点を記録。チームの勝利に大きく貢献した。

GAME1の後は落ち込む姿を見せていたハリスだったが、「徐々に慣れてきているところ。普段なら決めているようなシュートを何本か外してしまったが、間違いなく素晴らしい試合だった。もっとチームをコントロールし、コート上を支配できると感じている」と自信を回復させていた。

Bプレミアでの挑戦は決して簡単な道のりではない。チームにはトップリーグでまとまったプレータイムをもらっていた選手は多くない。だからこそ、勇敢に、大胆に、恐れずに力を発揮して、トップリーグでの存在価値を示さなければいけない。

まずは自分たちのプレーを100%発揮できるように、開幕戦での学びを糧にして、日常の練習では体感できない強度と環境に順応していくことがポイントになりそうだ。


信州ブレイブウォリアーズ 公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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