トライデンツで初のプロキャリア ザカリー・ラマが日本で踏み出す一歩

ドイツ、フランス、イタリア。欧州の複数クラブから声がかかる中で、22歳が選んだのは日本だった。SVリーグ男子を戦う信州松本トライデンツに今季加入したアウトサイドヒッター(OH)ザカリー・ラマ。初のプロキャリアを日本の地からスタートさせることを決めた理由と、この夏に初めて経験したアメリカ代表での日々、そして新シーズンへの意気込みを聞いた。
取材:大枝 史
KINGDOM パートナー
合流が遅れた夏の事情
代表活動で得た充実した時間
――まず加入の経緯を教えてください。
友人のクーパー・ロビンソン(Gas Sales Bluenergy Piacenza/イタリア)が去年日本でプレー(広島サンダーズ)していた際に「日本はいい場所だ」と言っていましたし、日本について耳にする話はどれも素晴らしかったです。自分の最初のプロキャリアをスタートする場所として最高だと思って決めました。
――具体的にクーパー・ロビンソン選手からは日本のSVリーグについてどういった話を聞いて、どのようなイメージで来日しましたか?
彼は「本当にすごい」と言っていました。SVリーグに関しては「プロバレーボール界全体でも最高レベルの素晴らしい競争環境」だそうです。日本人もすごくいい人で「いつもウェルカムな状態で、食事も最高」と、本当にいいことしか聞かなかったです。ここに来ない理由はないと思いました。
――例えば他のリーグでプレーする選択肢もありましたか?
ドイツとフランスのチームからはいくつか声がかかりました。それとイタリアのチームからも声がかかりましたが、自分がプレーできる機会が多いところなど、条件を考えてここで一番やりたいと思って決めました。

――アメリカの代表活動があったと思いますが、信州松本トライデンツに合流するまでの間はどのような活動をして、どういう成果が得られたのかを教えてください。
契約自体は結構前からしていましたが、ナショナルチームに呼ばれて「VNL(バレーボール・ネーションズ・リーグ)のバックアップとしていてほしい」と言われて合流が遅れました。そのあともポーランドでワグナー・インビテーション(ヒューバート・ワグナー・メモリアル)があって、それに関しても自分が出る可能性がありました。ただ、そこで足首をひねってしまい、こちらに来るのがさらに遅れてしまいました。
でも、この夏の期間は初めて代表に選ばれたこともあって、すごく充実した夏になりました。
――代表活動というのは、アンダー世代も経験してきましたか?
U-19、U-21とか、3大会ぐらいはプレーしていましたが、シニアのトップチームでプレーすることは初めてでした。
――トップチームではどのような刺激があって、どのような経験を得られましたか?
マット(マシュー)・アンダーソン(フェネルバフチェ/トルコ)やエリック・ショージ(Berlin Recycling Volleys/ドイツ)、マイカ・クリステンソン(Verona Volley/イタリア)といったベテランの選手たちと一緒にプレーをして一緒に過ごすことで、彼らが日々どのように取り組んでいるのかを目の当たりにできたのは素晴らしい経験でした。どれだけそこに集中しているのか、どのように調整して対応していくのかという部分を肌で感じられたので、すごくいい刺激になりました。

PROFILE
Zachary Rama(ザカリー・ラマ)2004年7月12日生まれ、アメリカ出身。高校1年生から母親の影響でバレーボールを始めるとすぐに頭角を現し、U-19、U-21アメリカ代表に選出。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)では広島サンダーズに在籍したクーパー・ロビンソンと共にプレーした。2026年に信州松本トライデンツへ加入し、同年はアメリカ代表メンバーに選出された。恵まれたフィジカルで攻守にわたって活躍が期待されるアウトサイドヒッター(OH)。203cm、88kg、最高到達点368cm。
KINGDOM パートナー
目標はオリンピックの舞台
その第一歩を信州松本から
――バレーボールを始めたきっかけを教えてください。
高校1年生の時に始めて、それまで13年間ぐらいバスケットボールをしていましたが、母がビーチバレーを高いレベルでやっていたということもあって、バレーボールを始めました。すごく楽しかったので、そこでバレーボールで頑張っていこうと思いました。
――バレーボールの魅力はどこに感じましたか?
楽しさで言ったら、多分(バスケットボールと)同じくらいでした。ただ、プロとしてやっていくことを考えた時に、バスケットボールで将来プロフェッショナルのプレーヤーとしてやっていくよりも、早い段階でアンダーカテゴリーに目をかけてもらってU-19にも入れたバレーボールの方がチャンスが多いと思いました。

――クーパー・ロビンソン選手とは同じ大学でプレーしていたと思います。同じアウトサイドヒッター(OH)をやっていて、彼からはどんなことを学びましたか?
彼とは同じポジションを競っていました。どちらかがスタートで出て、調子が悪くなったらベンチから交代するような感じでプレーしていた時もありました。プレースタイルも似ているので、どのようにプレーすればいいのか、どうやって弱点を直さなければいけないのかとお互いに学びながらやっていました。
――今後のバレーボールプレーヤーとしてのキャリアをどういう形で描いていきたいか、そのキャリアにおける信州松本トライデンツの位置づけをどのように考えていますか?
このトライデンツを代表してプレーできることは素晴らしいことです。昨シーズン苦しい思いをしていたのも知っているので、自分がどれだけここでチームの役に立てるか、そこでベストを尽くしていきたいですし、ファンの皆様に楽しんでいただけるようなチーム作りをしていきたいと思っています。新しいコーチや新しい選手も加わっているので、うまくコミュニケーションを取りながらやっていきたいです。
自分のキャリアとしては、できるだけ長くプロ選手としてバレーボールをしたいですし、いろいろなチーム、いろいろな場所でバレーボールをしたいと思っています。最終的な目標はオリンピックに出場することです。それが2028年になるのか、次の2032年になるのかは分かりません。

――その目標であれば、大先輩であるデイビッド・スミス選手から教えを受けられるなど、いい影響があるではないでしょうか?
以前から知っている人たちとプレーする機会はなかなかないので、本当に素晴らしいことだと思います。デイビッド(・スミス)に関しては、年齢的な差もあるのでまだ今まで一緒にプレーしたことがありませんでした。
コーチも含めて英語の話せる環境があるので、プレーだけではなく歓迎されている気持ちもあります。もちろん日本人が歓迎していないという意味ではなく、日本の歓迎ももちろんあります。
――日本の文化、食事など楽しみにしているものや、実際に触れて良かったものがあれば教えてください。
何もかもが新鮮に感じられます。ご飯も美味しいですし、値段も安いです。今のところすごく良い生活を送れています。アパートも車もあって、これ以上何か望むことは特にないです。

――自身として得意としているプレー、武器としているものは何ですか?
フィジカル面です。身長があってジャンプ力もあるので、ブロックの上から攻撃ができることが一番の強みです。背が高い選手はパスが苦手になりがちですが、そこは時間をかけてしっかり取り組んできました。パスも含めたオールラウンダーなところが強みです。
――今シーズン、トライデンツで戦うにあたってどのようなところをファンの方に見てほしいですか?
もっと勝ち星を挙げたいですし、新しい文化、新しい環境を作っていきたいと思っています。新しいコーチと新しい選手が来ているので、変わったトライデンツをみんなに見てもらいたいと思っています。

クラブ公式サイト
https://vcnagano.jp/
SVリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/sv_men/team/detail/461















