長野市開発公社が支援強化 AC長野の練習拠点充実へ

J3リーグのAC長野パルセイロが練習拠点を置く千曲川リバーフロントスポーツガーデン(長野市)に、新たな“武器”が導入された。施設の指定管理者を務める一般社団法人長野市開発公社がトレーラーハウスを設置し、2026年9月14日から利用開始。ミーティングや筋トレなど幅広い用途に活用できる。AC長野のハード面の強化にも一役を買う取り組みだ。
文:田中 紘夢
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ジムとミーティングに活用
「滞在時間を増やしてほしい」
AC長野パルセイロが拠点とする千曲川リバーフロントスポーツガーデンのクラブハウス。正面に向かって左側の階段を降りると砂利敷きの駐車場があり、今夏から一際大きな車両が2つ置かれている。
車輪がついた建築物――いわゆる「トレーラーハウス」だ。

主な用途は一棟がジムで、もう一棟がミーティングルーム。こぢんまりとした空間だが、選手とスタッフを合わせて40人近くは収容できる。ジムも最大10人まで同時利用が可能で、時間を分けながら筋力トレに励んでいる。
これまではレディースチームやアカデミーとも共用のクラブハウスで、食事をするにも筋トレをするにもスペースが足りなかった。キャプテンの附木雄也が、クラブハウス前の駐車場で筋トレに励む姿もあった。

「今までは外で雨や風にさらされながら筋トレをしていたところが、冷暖房も完備された部屋で快適にできるようになった。すごくありがたいなと思う」
チームとしても週1回、グラウンドから近隣のジムに移動して“2部練習”を行っていたが、今は移動する手間もない。ミーティングでも周囲の騒音がなくなり、「みんなの集中力も上がっていると思う」。選手たちは大きな変化を実感している様子だ。

ジムとミーティングルームに限らず、食堂としての用途も備えている。現在は試合後に補食を提供しているが、今後は練習後の用意も検討。西山哲平スポーツダイレクター(SD)は「クラブハウスへの滞在時間を増やして、よりコミュニケーションを取ってほしい」と狙いを明かす。
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開発公社がスポーツ振興に尽力
地元クラブの強化にも一役買う
千曲川リバーフロントスポーツガーデンの指定管理者を務める長野市開発公社は、1966年に設立された。ゴルフ場の管理をきっかけに芝生の養生も始め、現在はAC長野が拠点とする長野Uスタジアムのピッチを整備。来年1月から全面張り替えも予定している。

25年からは長野市およびAC長野パルセイロと連携し、スポーツ庁が掲げる「スポーツコンプレックス推進事業」をもとに、「スポーツを軸としたまちづくり」にも寄与。その骨格となるのが、南長野運動公園エリアと長野駅東口エリアの開発だ。
南長野運動公園エリアにおいては、信州やまなみ国スポ・全障スポが開催される28年に向けて、南長野運動公園フットボール場(仮称)の建設も進んでいる。既存の長野Uスタジアムも含め、いかに経済的・社会的価値を高めるか――。長野市開発公社が担う役割は大きい。

今年7月には管理下である飯綱高原南グラウンドにおいて、J2いわきFCのキャンプを誘致。スポーツ振興に力点を置く中で、池田彰理事長は地元クラブのAC長野に対しても、「もっとポテンシャルを発揮してほしい」という願いを持っていた。
その一環としても取り組んだのが、千曲川リバーフロントスポーツガーデンへのトレーラーハウスの設置だ。AC長野の西山SDと協議する中で、「選手を強化する環境が足りない」という議題に。小林伸二監督からもクラブへの要望は挙がっていた。

ジムに置く器具は、いわきFCのキャンプ向けに用意したもので賄った。ほかにも松代荘で食事の提供を行っていることから、練習後の補食の用意も検討しているという。
「クラブだけで強化が解決できるかと言えば、難しさもあると思う。我々も支援していくべき」と池田理事長。9月14日付で社外取締役にも就任し、クラブ内外から支える覚悟でいる。
5期連続赤字の経営は要改善も
クラブ強化の追い風に乗れるか
クラブとしても、ハード面とソフト面の両軸を強化している最中だ。
24年に着任した西山SDは、「社内で食事と筋トレの重要性を伝え続ける中で、少しずつ具現化されてきている。できることから始めるという意味で、トレーラーハウスを設置していただけたのは大きな一歩」と捉えている。

サッカーにおいても小林監督の要望を受け、練習試合での県外遠征を増やしていく方針。これまでは県内で決まった相手との試合が多く、チームの底上げを促しきれない側面もあった。本格的な強化に繋げるべく、すでにJ1チームとの練習試合も予定している。
「経営状況が上向いたからそうなっているわけではないけれど、必要なものは必要。今は小林監督の助言もあって、少しずつクラブのマインドが変わってきている。今後もスタンダードを上げていきたい」

9月14日に行われた株主総会では、純損失1億7555万円の決算を承認。5期連続の赤字となった。経営面の改善は喫緊の課題として残っている。
それでも、国スポ・全障スポに向けて南長野運動公園フットボールが建設されたり、Jリーグから秋春制への移行に伴って降雪地域クラブへの助成金が降りたり――。今回のトレーラーハウス設置もそうだが、ステークホルダーの後押しとともに、クラブの強化には追い風も吹いている。そこに乗らない手はない。
クラブ公式サイト
https://parceiro.co.jp/




















