日本人エース・栗原ルイス活躍の裏にある”貪欲さと謙虚さ”

2025.02.20

ニュースコラムバスケット

信州一筋、在籍7季目。信州ブレイブウォリアーズのキャプテン栗原ルイスが、勝利の立役者となった。2025年2月17-18日に行われた山形ワイヴァンズとのB2第22節。プレーオフ進出を目指して熾烈な戦いが続く中、2日間で3ポイントシュート9本を沈めるなど力強くチームを牽引した。日本人エースとして日に日に成長を続ける、栗原の魅力を掘り下げる。

文：芋川史貴／編集：大枝令

7季目でにじむメンタルの成熟
チームを支える「信州のエース」

淡々とシュートを沈め、クレバーにミッションを遂行する。

勝久マイケル・ヘッドコーチ（HC）と同じ2018年に加入した栗原。今や信州バスケを体現するための重要なピースを担っている。

入団当初からシューターとしての実力を持っており、2季目の2019-20シーズンは平均得点を6.5点から10得点に伸ばすなど、得点力は折り紙付きだった。

しかし、B1に昇格した2020-21シーズンは平均5.7得点。3ポイントシュート（3P）決定率も36.9%から32.1%まで減少した。

さらに21-23シーズンの間は岡田侑大らスコアラーが増えたことも影響し、その存在感は影を潜みがちだった。

だが、選手の多くが入れ替わった23-24シーズンは再び信州のエースとして奮闘。平均プレータイムが25分23秒まで増加し、平均得点も前年の4.7得点から8.7得点まで上昇した。

栗原の加入当初からチームを応援していたブースターからは「（当時の）B2で活躍していた時のようなルイスが戻ってきた」と成長を喜ぶ声もあがっていた。

そして、今季。

テレンス・ウッドベリーやペリン・ビュフォードらタレントがそろう中でも、武器である3Pの決定率はリーグ3位の41.6%を記録。それだけでなく、ハンドラーとしてのスキルやディフェンスも向上し、安定感が増している。

勝久HCは「ハート、マインド、メンタルが常に安定している」と評価。栗原も「正直波は自分の中ではまだあるけれど、そう伝わっているということは、うまく見せられているとは思う。でも、まだまだ成長の余地はある」と笑顔を見せた。

PROFILE
栗原ルイス（くりはら・るいす）1996年11月3日生まれ、アメリカ合衆国出身。ウィッティア大学を経て、2018年に信州ブレイブウォリアーズへ加入。同年の第40回ウィリアム・ジョーンズカップ男子では日本代表候補メンバーに選出された。高確率で3ポイントシュートを沈めるのが魅力のSG。188cm、86kg。