7連敗から脱した信州BW 開幕1カ月で培った経験値とは

Bプレミアの信州ブレイブウォリアーズは、2026年10月26日に神戸ストークスとのホームゲームに97-87で勝ち、連敗を7で止めた。9月26日の開幕戦から1カ月が経過したリーグ戦は、3勝9敗で西地区10位。昨季までB2で戦っていた信州にとって国内最上位カテゴリーの厳しさを痛感する序盤戦になっているが、チームは下を向くことなく、良い雰囲気を保ったまま歩みを進めている。ジャッド・フラベル・ヘッドコーチ(HC)は、負けが続いたからこそ向き合えた課題があった――と語る。信州が積み上げてきた経験値とは何か。

文:芋川 史貴


7連敗を止めた神戸戦
試合重ねて感じる成長

7連敗の状況で迎えた神戸ストークス戦は、序盤から信州ブレイブウォリアーズがペースをつかんだ。ゴール下での献身性が目立つマーカス・リーを中心にオフェンスリバウンドを連続で奪取。第1クォーター(Q)3分15秒の場面では、東海林奨が高く浮いたルーズボールに競り勝ち、得点につなげるハイライトも飛び出した。

オフェンスのテンポも良かった。開幕直後はシンプルな1対1が多く見られ、ディフェンスを崩せないことも多かった。しかし、試合を重ねるごとに昨季までの信州でよく見られたピック・アンド・ロールを織り交ぜたプレーも増加。バックカットなどの動きも生まれて、攻撃の幅が広がった。

ジャッド・フラベル・ヘッドコーチ(HC)は、「過密なスケジュールの中では、十分な練習時間を確保できていなかった。それでも我々には確立されたシステムがある。状況に応じた判断が試合を重ねるごとに良くなってきている」と、チームの変化を評価する。

攻守の要として活躍するキーボン・ハリスも、自身で得点を取りに行く場面と、アシストする場面の判断が磨かれてきている。味方を生かす攻撃はチーム全体でも増えており、神戸戦は今季最多となる23アシストを記録した。

「相手のディフェンスがどのように自分をマークするかを読んでプレーしている。チームとしてもアジャストしながら戦ってきている」とハリス。Bプレミアの強度に、個人としてもチームとしても少しずつ慣れてきた様子だ。

KINGDOM パートナー

負けが教えてくれたこと
「信州らしいバスケを」

チームは、10月8日の長崎ヴェルカ戦から10月24日の宇都宮ブレックス戦まで7連敗を喫した。ただ、どの試合も接戦を演じており、敗戦が続いていてもチームの雰囲気が崩れることはなかった。

試合でもハドルを組んでコミュニケーションを頻繁に取ったり、練習では笑顔が見えたりと成長を楽しんでいるようにも感じられた。

フラベルHCは「負けが続いた時期もあったが、それは決して努力や挑戦が足りなかったからではない。改善すべき点がいくつかあっただけの話。その過程でチームは確実に成長をしてきた」と振り返る。

改善に取り組んできたポイントは、オフェンスの組み立て方やファウルをせずに激しいプレッシャーをかける方法、ディフェンス時の細かなコミュニケーションなどだ。

試合を戦うために必要なエナジーなどの土台は形作られていた一方で、戦術理解や作戦遂行に必要なコミュニケーションといった細部の不足を感じさせる場面が多く見られた。

「負けが続くと自分たち自身を深く見つめ直すことになる。あのとき勝てていたら、本来向き合うべき細かな課題を覆い隠していたかもしれない」とフラベルHC。敗戦によってチームが孕んでいた課題が浮き彫りになったことを前向きに捉える。

今季のチームは豪快なダンクや思い切りのいいシュート、激しいディフェンスなど一見するだけではシンプルな要素が多い。だが、それらを遂行するためのルールや約束事は多く、誰かが一つ怠るだけで1ゴールの差となって表れる。

フラベルHCが土台作りと位置付ける今季。その序盤でチームが内包する問題と向き合えたことは大きな財産になるはずだ。そして、フラベルHCを中心に作る信州のスタイルで、Bプレミアのチームと戦えることが分かったことは選手たちにとっても自信にもつながるはずだ。

エリエット・ドンリーも「信州らしいバスケができれば誰にも勝てるという自信は持っている。このまま戦いたい」と自信を示す。

連敗は止まったが、大きく負け越していることに変わりない。ハリスは「ここで満足してはいけない。この勢いに乗ることが大事。勝負どころでより強くなれるようにしたい。そして、チームバスケットを続けていくこと。今日(神戸戦)はまさにチームで勝ち取った勝利だった」と気を緩めない。

ターンオーバーの数も減ってはいるが、大事な局面でミスをしてしまうシーンは神戸戦でも見られた。負けから得た細部へのこだわりをしっかりと持ちながら、勝ち星を増やしていきたい。


信州ブレイブウォリアーズ 公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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