“レシーブ一筋13年” 加入内定の東京学芸大リベロ・藤澤慶一郎がチームに合流

VC長野トライデンツは2025年10月9日、新加入選手2人の内定を発表した。そのうち藤澤慶一郎は10月28日にチームに合流。全日本バレーボール大学選手権の開催2週間ほど前までチームに帯同する見込み。川村慎二監督が「本当に楽しそうにバレーをする」と評価する22歳のリベロに早速インタビューを敢行した。
取材:大枝 史/編集:大枝 令
KINGDOM パートナー
中学時代の恩師の影響
教員を目指して進んだ学芸大
――バレーボールを始めたのはいつ頃からですか?
北海道教育大学附属函館小学校の部活でバレーボール部があって、兄がそこでやっていた影響で小学校3年生から始めました。中学校では部活がなくて、渡島合同VBCに入りました。全国ヤングクラブ大会で全国3位まで行きました。
――当時はどんなプレーヤーでしたか?
小学校で始めた時からずっとレシーブばかりしていました。最初に教わったレシーブが楽しくて、そこからずっとレシーブです。

――高校時代はいかがでしたか?
北海道科学大学高校は北海道の中では1〜2位を争うチームでした。僕が2年生の時にスタメンとして春高バレーに出場しましたが、1回戦敗退でした。
――基本はバレーが中心にあって、そこから高校、大学と選んでいった形ですか?
正直、大学でバレーを続ける気はあまりなかったです。中学生の時から教員を目指していて、教員一筋でやるのに国立で一番名前があるのが学芸大だったという理由で選びました。

――中学生の時から教員を目指すきっかけとなったことはなんですか?
きっかけは中学校でバレーを教えてくださった恩師が素晴らしい指導者であり教育者だったので、その影響が大きかったと思います。
それと「若者の自殺者数が多い」というニュースに感化されました。その時にそばにいた教育者が恩師だったので、「こういう教員になりたい」と思いました。

――今でもその恩師とは連絡を取ったりしていますか?
正月は絶対に会います。「誕生日おめでとう」だったり、ちょくちょく連絡はします。
――大学ではバレーボール部に入らない選択肢もあったと思います。そこで入った理由、続けようと思ったきっかけはありましたか?
本当にバレーボールが好きだったのと、経験という面で関東1部でトップを争うとなった時に、経験しておいた方が人間味に厚さが出ると思いました。
せっかく(ここまで)バレーをやっていたのと、バレーでも「もしかしたら…」という気持ちも少しあったと思います。

――大学時代で印象深い出来事はありましたか?
3年生の時に東日本インカレで早稲田を倒してベスト4でした。それが僕のバレー人生の中で一番の出来事です。
その試合が初めてちゃんと出て、強豪と言われる早稲田を倒した試合でした。その時のジャイアント・キリングをした時のうれしさというのは、バレーをやっていたからこそだなと思いました。
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インカレ前にVC長野に合流
ディグと声出しが持ち味
――VC長野に合流して、肌感覚として違いを感じることはありますか?
「違うな」という印象よりは、「もっとこうした方がいいんだ」という気付きのような感覚です。

――大学でもバレーボールをやるかどう迷っていた経緯がある中で、VC長野から声がかかった時はどのような気持ちでしたか?
東京都の教員試験を受けていたり、北海道に戻るプランを考えていたりしました。そこで「SVリーグ、VC長野」となった時に、「うん?」という戸惑いが大きかったです。
僕はそんなに自信がないタイプなので、「こんな僕が?」みたいな感じでした。

――「VC長野でやってみよう」と決意するにいたるきっかけはありましたか?
最後の決め手となったのは、大学で戸惑いながらバレーボールをやって早稲田を倒したりする経験は、やらなければわからなかったことです。それだったらやれるうちにやった方がいいんだな…と思うようになって決めました。
――VC長野の魅力はどこに感じていますか?
オファーをいただいたのが一番ですが、挑戦者の立場であることが魅力だったのは間違いないです。それに若手が多いことです。チームとして成長の余地が多いし、VCから旅立つ素晴らしい選手が多いし、若手の育成に長けているのが魅力に感じました。

――ご自身でのバレー面での強みはどうとらえていますか?
ディグと声出しは負けられないです。まだ殻にこもってしまって出し切れていませんが、「昨日より今日」という気持ちでやっています。
――ディグは昔から得意でしたか?
大学に来てから花が開いてきたと思います。レセプションも最初は不安でしたが、苦手意識はなくなりました。今の中では大学が一番バレーボールをして濃い時間を過ごして、そこで伸びた自覚もあります。これからはVC長野が一番濃い時間になると思います。

――VC長野でどのようなプレーヤーになっていきたいですか?
長期的に見たら、チームを引っ張っていく存在になりたいです。
短期的に今は自分の持ち味の声だったり、見せるディグだったり、絶対に諦めないところは若手ならではの引っ張り方だと思うので、そういう存在になっていきたいです。

――いつかは指導者になりたいという気持ちもありながら、という形になりますか?
今はそれを結構、悩んでいます。僕を導いてくれたVC長野さん、これから仕事をさせていただくTPRさん。その方たちのおかげで今の僕のバレーボール人生があるので、一生をかけて恩返ししたい気持ちと、教員を目指したい気持ちがあるので、これから先やりながら考えていきたいです。














