“KIDS DREAM DAY” ホワイトリングで輝く信州産の面々
「子どもたちに夢を与える」。それはプロスポーツが果たす大きな役割の一つでもある。信州ブレイブウォリアーズは11月26日のバンビシャス奈良戦第2戦を「KIDS DREAM DAY」と題し、長野市内の小中学生約5,000人を招待する。そこで見せたいものは何か――。信州の面々が胸に思いを期すのはもちろん、対戦相手の奈良にも長野県出身の主力がいる。第1戦の勝利に貢献したキャプテン・林瑛司に、故郷に寄せる思いなどを聞いた。
文:芋川 史貴/編集:大枝 令
飯田出身のオールラウンダー
故郷の信州で“凱旋”の好プレー
信州が「鬼門」の第1戦で黒星を喫した裏側で、奈良の勝利に貢献したのは“信州産”の選手だった。
飯田市出身・林瑛司。中からでも外からでも得点が取れるオールラウンダーだ。ボールを持っていないときにはコートを駆け抜け、ボールをもらったら迷わず打つ姿には美しさすら覚える。
2本の3ポイントシュートを含む13得点、2スティール。凱旋にふさわしい活躍を残した。故郷の飯田市からホワイトリングのある長野市までは約160kmと遠いが、「すごく楽しみにしていたし、試合中もすごく楽しめた。ここ数試合は得点が取れずに苦しい時間が続いたけど、10点以上取れて一安心」と勝利を喜んだ。
山本小から旭ケ丘中を経て、東海大三(現東海大諏訪)高と中京大でプレー。ファイティングイーグルス名古屋でプロのキャリアを歩み始めた。
奈良に移籍して2年目。キャプテンを任命され、「言葉で引っ張れる人間力はあんまりないけれど、自分の熱いエネルギーを出してチームを引っ張っていくっていうことを意識している」と語る。
小野秀二ヘッドコーチ(HC)もその活躍に「我々の得点源の一つ。彼の勝ち気はチームを引っ張るし、ディフェンス面も成長してきた」と目を細めた。
故郷の選手・地元のチームとして
ホームタウンの子どもたちに力を
26日の第2戦は、長野市内の小中学生31校4,765人を無料招待するKIDS DREAM DAYが企画されている。普段の試合よりも多くの子どもたちにバスケットの魅力を伝えられる機会となる。
林も小さい頃から「プロ選手になりたい」という思いのもと、毎日の練習に励んできた。そしてターニングポイントは東海大三高時代だったという。
「人間力を特に学んだ。礼儀だったり、挨拶ひとつにしろ大事だということを(当時の入野貴幸)監督に教えてもらい、それは今になっても生きている」
バスケットボールは派手なプレーも魅力の一つだ。ただ、それだけではなく、細かな戦術やコート内外で見せる選手たちの振る舞いも見どころ。夢を追いかけてプロになった今、どのような姿を子どもたちに届けたいのか。
「プロ選手としてみんなの憧れの立場にあるので、子どもたちにも『こういう選手になりたい』と思ってもらえるようなプレーだったり、行動をしていきたい」
ホームチームの信州・勝久マイケルHCも思いは一緒だ。
「僕も子どものときにNBA選手になりたいという夢をもらった。なので子どもたちには選手のハッスルを見て、楽しんでもらいたいし何か感じ取ってほしい。それを見てスポーツや勉強などやっていることに対して『自分ももっと頑張ろう』とか、それで夢を持つとか、とにかくいろいろ感じてほしい」
もちろん勝負の世界なので、結果は評価に直結する。ただ選手が見せる一瞬一瞬の輝きは、勝ち負けに関係なく子どもたちに勇気を与える。勝負はその先の結果。第1戦で見せたような自滅ではなく、エナジー全開で良さを発揮しながら「夢」を届けたい。
そのほか“信州産”の選手も続々
再会や再戦のチャンスもいずれ
このほかBリーグには長野県にゆかりのある選手が多く活躍している。B2では、奈良の林と信州の三ツ井利也(長野市出身)に加え、アルティーリ千葉の鶴田美勇士(小布施町出身)。
B1では川崎ブレイブサンダースの飯田遼(富士見町出身)、アルバルク東京の福澤晃平(高森町出身)とザック・バランスキー(アメリカ出身、長野市育ち)がいる。
県内屈指の強豪・東海大諏訪高校でプレーした県外出身者まで広げると、笹倉怜寿(A東京)と井上諒汰(佐賀バルーナーズ)、黒川虎徹(A千葉)、米山ジャバ偉生(富山グラウジーズ)もそうだ。
今季はB2の面々と顔を合わせ、来年は再びB1の選手たちを迎えたい。そのためにもまず、26日のKID DREAM DAYはバウンスバックからの白星が求められる。
Bリーグ 選手個人成績 林瑛司
https://www.bleague.jp/roster_detail/?PlayerID=20004
Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/roster/?year=2024&club=716&p=&c=&o=random&tab=2
クラブ公式サイト
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