新キャプテンは新加入・深澤佑太 前任の菊井悠介から“大阪桐蔭高リレー”

松本山雅FCの新キャプテンが2026年2月6日、発表された。J2愛媛FCから新たに加入した25歳のMF深澤佑太が抜擢されたほか、脇を固める副キャプテンにはDF小川大貴、DF宮部大己、MF村越凱光の既存組3人。シーズン移行に伴う特別大会のJ2・J3百年構想リーグで、大幅リニューアルした松本山雅の象徴的な存在となる。大役を託された深澤は「『深澤でよかった』と言ってもらえるように、自分らしく全力でやれたら」と決意を口にする。

取材:大枝 史/編集:大枝 令

リーダーの星のもとに生まれた?
新加入ながらキャプテンに抜擢

「マジか、と思った」

最初にキャプテン就任を打診された際の心境を、深澤佑太は苦笑交じりに振り返る。2月3日のトレーニング終了後、石﨑信弘監督に呼ばれたのが事の始まりだったという。

「『どう?』と聞かれたので『いやー…』と言ったら、『分かった』という感じだった。それでも2日目(2月4日)には『やってくれ』と言われたので、言われた以上は覚悟を決めてやろうと思った」

「監督にやってほしいと言われるのは光栄なこと。そう言ってもらえたのはうれしかった。やる以上は強いチームを作るために自分ができること、自分が持っているキャプテンシーを出していきたい」

決意を固めて引き受けた大役。とはいえ大阪桐蔭高、関西大でもキャプテンを歴任してきた。特段リーダーシップを意識して行動しているわけではないというが、「性格診断とかをやっても『リーダー』とかがよく出てくるので、そういう星のもとに生まれたのかな…。やっぱりそうなんだ、と思った」と苦笑いする。

ただ、4年目となるプロでキャプテンを務めるのは初めて。理想のキャプテン像を持っているわけではなく、周囲と良好なリレーションを形成しながらチームを引き上げるイメージだという。

「特にモデルにしている人はいないし、『キャプテンだから』とあまり気負いすぎずにやりたい。経験のある選手もいるので、そういう選手に話を聞きながら自分らしくやっていけたらいい」

「自分のできるところはやるけれど、頼れるところは頼って、苦手なところは得意な人にやってもらったり。そういう良い関係でやっていけたら」

力むことなく、そう話す。そもそもキャプテンシーを見込まれての就任。自然体の振る舞いが、おのずとチームを引っ張ることになるのだろう。

初移籍で「勝負の年」と位置付け
ゼロからのスタートでキャプテンに

大阪府出身。ガンバ大阪のジュニアユースから大阪桐蔭高でプレーした。大学の進学先は「関関同立」の一角を担う関西の名門私立・関西大。4年時には一般企業への就職活動をしており、商社などの内定を得ていたという。

それでも選んだプロサッカー選手の道。愛媛FCではJ3とJ2を経験し、3年間で通算92試合に出場した。技術の高さと戦術眼を備えた走れるボランチで、守備のセンスも兼備。攻守両面の貢献度を買われ、都丸善隆スポーツダイレクター(SD)のラブコールを受けて移籍を決断した。

「山雅はJ2でも中位の規模感だと思うし、プロ1年目(の2023年)に戦った時のサポーターの熱量もすごかった。そういうことも含め、直感で(移籍を)決めた」

「J3で優勝して上がるために来た。ここで活躍できるかできないかで、これから個人として上に行けるかが決まると思っている。誰も知らないような状況で勝負してポジションをつかんでいかなければいけない、勝負の年だと思う」

加入当初のタイミングではそう語っていた深澤。旧知の仲は一人もおらず、大阪学院大出身の新加入組・MF澤崎凌大と顔見知りだった程度だという。それでも新天地でその価値をトレーニングから示し、キャプテン就任に至った。

くしくも前任のキャプテンは、大阪桐蔭高で1学年上だったMF菊井悠介(現J2藤枝MYFC)。昨季まで松本山雅の背番号「10」を背負った先輩からリレーする形となる。

「(2月5日12時時点で)まだ悠介さんには言っていないけれど、あまり『受け継ぐ』という意識はない」と笑いつつ、「『負けない』とかじゃなくて、『深澤でよかった』と言ってもらえるように、自分らしく全力でやれたら」と口にする。

村越ら既存組の3人と集団を束ね
「緑の熱狂」取り戻すシーズンへ

脇を固めるのは、既存組の副キャプテン3人。チーム最年長タイ34歳のDF小川大貴と在籍6年目を迎えるDF宮部大己の2人は、深澤が名を挙げて推薦したという。「宮部くんと(小川)大貴さんはいてくれたら心強いと思った」と明かす。

そしてもう一人のMF村越凱光は、スタッフ陣からの推薦で選ばれたという。チーム最古参、在籍7年目の24歳。深澤は「(村越)凱光はスタッフのほうから『やってもらう』と言われた。凱光も山雅の顔のような選手。その3人と引っ張っていけたら」と青写真を描く。

その村越にも意気込みをたずねた。深澤と同様に当初は「びっくりした」と明かすものの、「言われたからにはやろうかなと。迷いもやらない選択もなかったので、ポジティブに受け入れた」と振り返る。

特に昨季はシーズン終盤、取材に際してチームへの苦言を口にしていた選手。今度は副キャプテンとして、立場をもって直接的に発信することとなる。

「去年か一昨年くらいから、やっていない選手がいたら言わなければいけなかったけれど、役職についているわけでもないし、そこまでのキャリアや年齢を重ねているわけでもなかった。少し言いづらい部分があった」

「今年はそういうことを気にせずにやりたい。ある程度キャリアも年齢も重ねてきたし、山雅に長く在籍しているからこそ伝えていかなければいけない部分もあると思う」

高卒ルーキーとして2020年に加入。松本山雅が徐々に力を失っていく時期に身を置いてきた。しかし飯塚高(福岡)3年時の19年、鹿児島キャンプでJ1松本山雅に練習参加。シビアな雰囲気に衝撃を受けた記憶は、今なお鮮烈に残っているという。

そして何より、松本の街が何を欲しているか――が、骨身に染みている。

「サポーターの心というのは(チームの中で)自分が一番理解していると思う。そういうものを選手に教えつつ、浸透させていければいい」

キャプテン深澤を筆頭とした4人でチームを束ねる特別シーズン。それは松本に緑の熱狂を取り戻すための、リスタートでもある。




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