エース封じて上位対決に連勝 2季ぶりの松本で示した“ディフェンスの信州”

連日4,000人超を集めた城下町のアリーナで、「ディフェンスの信州」たるゆえんを誇示した。信州ブレイブウォリアーズは2026年1月31日-2月1日、エア・ウォーターアリーナ松本でホームゲームを開催。東地区3位・横浜エクセレンスとの上位対決で84-78、67-60と白星を連ねた。クラブ記録の連勝が「15」で途絶えた前節から1週間、見事にバウンスバック。ディフェンスの遂行力に対し、勝久マイケル・ヘッドコーチも一定の納得感を示した。
文:芋川 史貴/編集:大枝 令
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横浜EXのエース「TB」への対策
チェンバース、生原、横山が奮戦
相手エースを食い止めろ――。
今節のテーマとして用意した大きな要素が、横浜EXのトレイ・ボイド対策だ。B2ランキング断トツ首位の1試合平均28得点をマークしており、チーム総得点の32.1%を占める選手。どれだけボイドを抑えることができるかが、勝敗のカギを分けた。

ボイド対策について、勝久HCが明かす。
「一人で守れる選手ではないので、アキ(・チェンバース)とシュウ(生原秀将)。主にアキだが、この2人をつけたかった。なのでスイッチはしたくなかった。タフで乗せてしまうと何点でも取れる選手なので、そういうマッチアップが欲しい」
信州が誇る守備職人であり、エースキラー。チェンバースはGAME1では34分31秒コートに立ち、ボイドを徹底的にマークした。GAME1の会見で、マッチアップの手応えを語った。

「練習では彼に対しての対策や準備をしてきたけれど、実際に試合の中で対戦するのは全く違う感覚。前半は点数を決められたが、後半は自分のベストを尽くして、どうやって守るか対策を見つけることができたと思う」
GAME1でボイドは31点を記録したものの、第3Qはわずか4点。ベテランらしい修正力が光った。チェンバースが1対1で止める場面もあれば、チームとして止めることも。試合全体でもボイドのシュートパーセンテージは平均を下回る数字となった。

GAME2はチェンバースと生原がともにファウルトラブルに見舞われた。しかしGAME1でベンチ外だった横山悠人が起用に応えて徹底マーク。ボイドのターンオーバー(TO)を誘発する場面も見られ、チームのピンチを救った。
この試合は平均85.2得点の横浜EXを、わずか60点台に抑えての勝利。GAME1で216cmのベンジャミン・ローソンがダンクの際に腕を負傷したことも勝敗を分ける要素になったかもしれないが、勝久HCは「ディフェンスに関して本当に成長している。我慢ができた」とうなずいた。

東地区上位の対決を制し、横浜EXとの戦績を4戦4勝とした。2024年1月21日のアルバルク東京戦以来、2シーズンぶりの開催となった松本でのホームゲーム。普段はバスケットから縁遠い新規層にも、信州の魅力を届けることができたのではないだろうか。
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ターンオーバーの多さなどは継続
大きな「宿題」も残して次節へ
ただし、そのほかのファクターでは宿題も残した。この2日間でチームが課題としていたのが、ディフェンスリバウンドの確保やルーズボールなど球際の強さだった。
というのも、青森戦はGAME1でターンオーバー(TO)を21回犯して30点を献上。セカンドチャンスポイントも14点を奪われた。GAME2でも15回のTOから18点を許し、セカンドチャンスポイントも19点取られていた。

これらの課題を整理したうえで臨んだ今節。しかしGAME1では相手のゾーンプレスなどに対してパニックを引き起こし、合計15回のTOを犯した。そのうち7回は第1クォーター(Q)に発生し、試合を通して横浜EXにTOからの得点を20点与えた。
GAME2もさらに多い23回のTOを犯して26点、セカンドチャンスポイントでも17点。2試合とも競り勝ちこそしたものの、課題を持ち越したまま試合が終了した。

勝久HCが指摘する。
「先週(前節)に引き続き、TOからの失点とセカンドチャンスの失点(が多かった)。強くプレーする、ボールを大事にする、50-50のボールで負けない。こういうところは引き続き課題」
勝って反省することは決してマイナスではない。とはいえ技術面よりもメンタル的な要素が強いルーズボールやリバウンドの意識が改善できていないことは重要な問題だろう。

「本当に課題は多いが、常に目標を見て、どういうメンタリティで進むべきかをしっかりとチームで理解して、正しいメンタリティを持ってやっていきたい」
指揮官はそう付け加える。「目標」とは、5月のB2プレーオフで優勝すること。シーズン集大成の時期にどのチームよりも強くなっているために、今は多くの課題を見つけて改善していくフェーズ。そのことは選手たちも理解しており、実際に在籍1年目の先発ポイントガード(PG)小栗も語る。

「どれだけ(前節の)負けから反省して、どう成長するかがカギになる2戦だと思っていた。コーチ(勝久HC)からも『ビッグゲームだ』と言われていたし、後半戦が続く上でカギになることは自分たちもわかっていた」
「コーチ陣が毎日、毎ゲームの後に『5月に最強のチームになれるように』と言っている。(前節で)負けはしたけれど、それ以上にチーム全員がもう一回良いチームを目指して、良いバスケットをする。そこに対してやるべきことをやるだけだ――ということを、チーム全員が思っていた結果がこの2戦だと思う」

難敵を下して連勝。特にGAME2は60点に抑え、“ディフェンスの信州”たるゆえんを示しはした。それでもまだ、目標から逆算しての積み残しが浮き彫りになった今節。勝って兜の緒を締める、貴重な2試合となった。

Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/club_detail/?TeamID=716&tab=1
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/











