“サイコウ”を目指して大幅モデルチェンジ 選手29人編成で百年構想リーグへ

サッカーの明治安田J2・J3百年構想リーグに向けて、松本山雅FCが本格始動した。J3で15位と過去最低の順位に終わったことなどを踏まえ、選手を半数以上入れ替えるなど“フルモデルチェンジ”を敢行。石﨑信弘・新監督が志向するスタイルも徐々に垣間見えてきた。2026年1月12日には新体制発表会が松本市のキッセイ文化ホールで開かれ、約2,000人のサポーターを前に選手とスタッフがそれぞれに決意を口にした。

文:大枝 令

新加入選手は半数以上の15人
百年構想リーグへ意気込み語る

「戦う集団を作る。このためにはやはり、大きな変革が必要だと思った。都丸(善隆)スポーツダイレクターを中心にトップチーム強化本部と何度も話し合いを重ね、クラブとしての方向性を再定義し、今回、石﨑(信弘)監督に来ていただいた」

新体制発表会の冒頭で小澤修一社長があいさつした通り、新シーズンの松本山雅は「大きな変革」が色濃くにじむ編成となった。

20人がチームを去った半面、J1からの期限付き移籍2人を含む15人が新加入。選手数は29人と比較的コンパクトだが、粒ぞろいの陣容と言えるだろう。30歳代の選手がDF小川大貴、DF高橋祥平、GK富澤雅也の3人だけで、平均年齢も24.59歳と若返った。

DF小田逸稀

J1アビスパ福岡から完全移籍してきたDF小田逸稀は、ヘディングの強さなどが武器のサイドプレーヤー。J2(当時)FC町田ゼルビア在籍時の2020年には松本山雅戦でゴールも決めている。「素晴らしいサポーターの皆さんにたくさんの勝利を届けられるように頑張る」と意気込みを口にした。

FW加藤拓己

昨季はJ3のSC相模原でプレーしたFW加藤拓己も、J1清水エスパルスから完全移籍での加入。得点に期待がかかる180cmの屈強なセンターフォワードは「皆さんと笑って終われるシーズンにできるよう、日々キツいフィジテクを頑張りたい」と快活な口ぶりで話した。

GK富澤雅也

J1昇格を果たしたV・ファーレン長崎からは、32歳のベテランGK富澤雅也が加入した。法政大卒業後は長崎一筋10年で、今回がプロ初の移籍。「ともに戦いましょう。1年間よろしくお願いします」と短い言葉に決意を込めた。

FW井上愛簾

このほか期限付き移籍でJ1から若手2人を引き入れた。セレッソ大阪から加入したGK上林豪は「強い決意を胸に移籍を決断した。ファン・サポーターの方々を前にして本当に感動している」。サンフレッチェ広島から加わったFW井上愛簾は「松本から世界に羽ばたけるよう、自分の価値をしっかり示していきたい」と野心をあらわにした。

MF深澤佑太

さらに、FW松岡瑠夢(ロアッソ熊本)、MF深澤佑太(愛媛FC)、GK高麗稜太(ガイナーレ鳥取)、DF白井達也(ヴァンラーレ八戸)、MF澤崎凌大(FC大阪)と、それぞれJ2〜J3の主力級を中心に獲得した。

MF渋谷諒太

大卒組5人も実力のある面々。流通経済大でキャプテンを務めたMF渋谷諒太、関西学生リーグ得点王のFW藤枝康佑(桃山学院大)のほかDF金子洸太、DFリトビン(ともに阪南大)、MF早河恭哉(松本大)が松本山雅からプロのキャリアをスタートさせる。

コーチ陣は石﨑新監督を知る面々
「再興」と「最高」のシーズンへ

そして新指揮官として迎えられたのは石﨑信弘監督。この日、初めて松本山雅サポーターの前で言葉を紡いだ。

「今シーズンは戦う、走る、球際で負けない、最後まで諦めない――。そういう強い気持ちを持って戦っていく。『応援する』のではなく、私たちとともに戦っていきましょう」

歴代最多のJ通算858試合を指揮し、5回の昇格経験を持つ百戦錬磨の指揮官だ。取材を総合すると選手編成への関与は薄く、基本的にはクラブに一任するスタンス。実際、松本山雅の選手もMF菊井悠介(J2藤枝MYFCに移籍)くらいしか知らなかった――というエピソードを持つ。正真正銘、「フラット」な状態からリスタートすることになりそうだ。

新指揮官が志向するのは、質実剛健なスタイル。「ハードワーク」「球際」「規律」「勝利への執念」というスピリットを再び興すにはうってつけの人材と言える。前からアグレッシブに奪うプレッシングを好み、実際に1月5日に始動したトレーニングは連日ハード。在籍6年目のDF宮部大己は「始動してから1週間が経つが、今までで一番充実している」と話す。

石﨑監督を支えるコーチングスタッフも大きく様変わりした。武藤覚コーチが唯一の留任となり、ヘッドコーチに高橋健二氏、GKコーチには古川昌明氏。経験と実績のある面々がそろった。フィジカルコーチは韓国人のイ・チャンヨブ氏、テクニカルコーチは赤坂健介氏が務める。

高橋健二ヘッドコーチ

経歴をひも解くと、指揮官と縁のある人材が大半を占める。高橋ヘッドコーチはモンテディオ山形(前身のNEC山形を含む)で、武藤コーチは杭州緑城(中国)、古川GKコーチは川崎フロンターレ、赤坂テクニカルコーチは八戸で、それぞれ石﨑監督と接点がある。高橋ヘッドコーチは「石﨑監督のもと、チームが一つになって皆さんと喜びを分かち合えるように頑張りたい」と決意を述べた。

掲げたクラブスローガンは「One Soul サイコウ」。松本山雅を「再興」する決意、「最高」と思えるようなクラブになること――などの意味を込めた。近年は肩透かしの結末が続いてきた松本山雅だが、今回のトップチーム大改革には決意がにじむ。

開幕戦は2月7日、アウェイRB大宮アルディージャ戦で幕を開ける。ホーム開幕戦は3月7日の第5節・北海道コンサドーレ札幌戦。チームは信州グリーンフィールドかりがねでトレーニングを続けるなどし、ハーフシーズンの特別大会に向けて準備を進めていく。


明治安田Jリーグ百年構想リーグ トップチームスタッフ体制 選手背番号決定のお知らせ
https://www.yamaga-fc.com/archives/521654
明治安田Jリーグ百年構想リーグ スローガン決定のお知らせ
https://www.yamaga-fc.com/archives/521659
明治安田Jリーグ百年構想リーグ 日程発表のお知らせ
https://www.yamaga-fc.com/archives/521661

たくさんの方に
「いいね」されている記事です!
クリックでいいねを送れます

LINE友だち登録で
新着記事をいち早くチェック!

会員登録して
お気に入りチームをもっと見やすく

人気記事

RANKING

週間アクセス数

月間アクセス数