サーブの緩急や巧みなプレーをWD名古屋に学ぶ 11連敗の中でも見えた光明は

2026年初戦となる1月3-4日のSVリーグ男子第9節、VC長野トライデンツはアウェイでウルフドッグス名古屋と対戦し、セットカウント1-3(25-22、20-25、23-25、16-25)、0-3(26-28、20-25、21-25)で連敗を喫した。第4節の東レアローズ静岡戦GAME1以降勝ち星がなく、これで11連敗。苦しい試合が続く中でも上向き始めたチーム状況を整理し、連敗脱出に向けた道筋を探る。

文:大枝 史 /編集:大枝 令

KINGDOM パートナー

緩急を生かして翻弄するサーブ
手本としたいWD名古屋の強さ

「サーブの工夫、アグレッシブな攻撃、ハイセットの精度が全部負けていた。これをどう出していくかの差だと思う」

GAME2の試合後会見で、川村慎二監督はそうこぼした。この日、WD名古屋の先発メンバーにはアウトサイドヒッター(OH)に水町泰杜と山崎彰都、オポジット(OP)が宮浦健人だった。

ミドルブロッカー(MB)こそ205cmの佐藤駿一郎と207cmのノルベルト・フベルが出場したものの、サイドに高身長の選手が並んでいるわけではない。

実際にブロック本数はWD名古屋が5本と、被ブロックが多かったわけではなかった。それでも相手は要所で綺麗にブロックタッチを取り、トランジションで得点を積み重ねる。

特に第3セットの18-19から5連続ブレイクを許した場面。そのうちの4得点がワンタッチをかけて拾われ、マッチポイントを握られた。その後はOPマシュー・ニーブスの力強いサーブから連続ブレイクで追い上げたものの、21-25で力尽きた。

A、Bパスが返っている中で決め切る力にフォーカスされることは間違いないだろうが、WD名古屋の組織立った粘り強いディフェンスが素晴らしかったのもまた事実だ。

サーブの工夫についても、サーブ効果率17.3%で2位の水町や同11.3%で12位の宮浦ら上位にランクインしている選手は常にハードサーブを打っているわけではない。前後に揺さぶるサーブを効果的に使い、VC長野は翻弄された。

ニーブスもGAME2後には「直接的なエースというよりもコースを狙ってこちらのサイドアウトを難しくするサーブを受けていて、それが厳しくて敗因に繋がってしまったと思う」と振り返る。緩急を巧みに使ったサーブに加え、セッター(S)深津英臣もフローターサーブながらサーブ効果率12.5%で8位につける。

「速いだけが良いサーブではない」。指揮官が常日頃から話す言葉をまさしく体現していたのがWD名古屋だったとも言えるだろう。緩急を使うサーブ、組織的なディフェンス。それらを大きな学びにして、連敗脱出の道を切り拓く。

藤澤慶一郎がディグで持ち味発揮
2枚L態勢で見えた新たな可能性

苦しい試合が続いているが、明るい材料も当然ある。

まずはディフェンス面がリベロ(L)藤澤慶一郎がディグで魅せた。

「難波選手と2枚Lでディグに専念できたのが一番の要因だと思う」と藤澤。GAME1の第2セットでレセプションを難波宏治、ディグを藤澤と2枚態勢にしてからは特に活躍が光った。コースに入って強いアタックを上げるだけではなく、ティップボールに対する反応も良く、ボールを簡単に落とさない。

難波もGAME2ではサーブレシーブ成功率50.0%と役割を果たしたのに加えて、記録には残らないジャッジも光った。第3セット15-17で深津がサーブのシーンなど、際どいサーブに対してしっかりと判断をして見送り、得点に繋げた。

レセプションでも安定を見せた。OHオスカー・マドセンがGAME2のサーブレシーブ成功率47.5%、OH工藤有史もGAME1で52.9%と高い数字を残し、ディフェンスの安定に貢献した。

「あとはそこからハイセットでどれだけ丁寧に持っていけるか。それを得点にできるようになれば面白いと思う」。指揮官が話すように、ディグで上げても得点に繋がらないシーンはGAME1からあった。

対するWD名古屋はサーブで多少崩してもリバウンドを取ったりティップで落としてきたり、ブロックの腕に当ててブロックアウトを狙ったり。巧みに使い分けて簡単にブレイクはさせてもらえなかった。

VC長野のOH、オスカーや工藤も難しいトスに対しての巧みさは見せるが、ハイセットでも打ち切れるだけのトスを供給できればそれに越したことはない。

それもその時々の判断によるものでしかないが、練習の中からどれだけ精度を高めていけるかがブレイクを取るためのカギになってきそうだ。

ピックアップすべき数字は随所に
日鉄堺BZとの次節で連敗脱出を

攻めてはGAME2でニーブスがサービスエース3本を含むサーブ効果率26.3%と、高い数字を残した。「先週末も感覚良く打てていた。このサーブを継続して打てていければいいと思う」と、ニーブス自身も手応えを口にする。

サーブではオスカーと工藤も強みを持っており、それぞれの強みがいかんなく発揮されればサーブで圧倒する展開も十分に考えられる。

ストロングサーバーが3人いる中で、より精度を求められるのが間にいる選手たちのサーブだ。

MB安部翔大がシーズン前に「MBで出るとなったら、後ろがOPなケースが多い。自分がミスしてしまうとOPが攻めづらくなる場面もあるので、うまくコントロールしなければいけない」と話していたように、思い切り打つだけが全てではない。

チームとしての意図や狙いがある中で、コントロールしたサーブをしっかりと入れる。決して簡単ではないが、SVリーグでは一層サーブが重要視されているのが現状で、ただ入れるだけのサーブでは簡単にサイドアウトを取られてしまう。

GAME1ではMB松本慶彦がニーブスの前のサーブ順でエース1本を含む効果率10.7%と結果を残したように、後ろに繋げるサーブも意識したい。

チームは11連敗で第4節以降、勝利から遠ざかっている。それでも工藤が「天皇杯前に比べると雰囲気も良くなっていると思う」と話すように、コートキャプテンのオスカーを中心にチームは前を向いている。

GAME1ではチームのアタック決定率が52.7%と高い数字を残したし、GAME2ではチームのサーブレシーブ成功率が44.2%と安定したレセプションから丁寧にサイドアウトを繰り返した。前節ではGAME1で10.2%、GAME2で12.9%と高いサーブ効果率を残せたように、負けた試合の中でも見るべき数字は少なくない。

1月10-11日の第10節はアウェイで日鉄堺BZと対戦。互いに3勝15敗と9位争いを繰り広げている相手に対して、2026年初勝利を挙げて勢いを取り戻したい。


SVリーグ第9節 ウルフドッグス名古屋戦 試合情報
https://vcnagano.jp/match/2025-2026-sv-div9-1
https://vcnagano.jp/match/2025-2026-sv-div9-2
クラブ公式サイト
https://vcnagano.jp/
SVリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/sv_men/team/detail/461

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