プレーオフ”前哨戦”で見えた収穫と課題 若手の成長と躍動がカギを握る

B2東地区を制した信州ブレイブウォリアーズは、2026年5月2-4日に福井ブローウィンズ(ワイルドカード1位)とのプレーオフ(PO)準々決勝に臨む。その福井とは、レギュラーシーズン(RS)最終節となった4月25-26日のアウェイゲームで対戦。POに向けてお互いが主力選手のプレータイムの調整をする中、GAME1は信州が82-65で快勝し、GAME2は福井が84-81で競り勝つ痛み分けに終わった。信州にとって収穫と課題のあった“前哨戦”を振り返り、PO準々決勝のポイントを探った。

文:芋川 史貴

KINGDOM パートナー


PO前哨戦で見つけた課題
成長につなげる素材にできるか

4月19日の愛媛オレンジバイキングス戦で東地区優勝を決めた信州。福井もワイルドカード上位を確定させており、RS最終節は両チームともロードマネジメント(プレータイム制限)をしながらの対戦となった。

それでも、日々成長がテーマの信州は“消化試合”とは位置付けなかった。POを勝ち抜いてB2優勝を達成するためには1日たりとも無駄にできないからだ。

「両チームとも(RSの)順位が決まっていて、(PO)準々決勝で対戦するユニークな状況下での試合だった」と勝久マイケル・ヘッドコーチ。「福井は、いつものスタイルとは若干変わっている印象を受けたが、我々は自分たちの習慣を良くし続けることにフォーカスをしようとした。良いところもあればそうじゃないところもあった」と福井とのGAME1を総括した。

指揮官の受け止めを、土家大輝の言葉で分析してみたい。

「良いところ」はスモールラインナップのオフェンス面――と土家は振り返る。

「スモールラインナップの時に、ボールを動かしながら自分たちが今シーズンやってきた原理原則の質も上がってきていると思う。そこを引き続きやりたい」

「そうじゃないところ」は、ターンオーバーが19を数えたことだろうか。普段とは異なるローテーションだったことに加え、相手のスタイルも通常とは違っていたことでエラーが起きやすい状況だったのかもしれないが、シーズン最終盤に今季4番目に多いターンオーバーを記録したことは課題だ。

特に気になったのは、オフェンスが停滞したポゼッションがいくつかあったことだ。前節の愛媛戦ではオフボール(ボールを持っていない)の選手がカッティングしてゴール下で得点したり、そこから外に振って外角のシュートを決めたりとスムーズな攻撃が展開されていた。

しかし、福井とのGAME1はスムーズな攻撃が影を潜めた。その理由を土家は冷静に分析する。

「自分たちの悪い癖として、ウェイン(マーシャル)やマイク(ダウム)と一緒にプレーしている時間帯はピックアンドロールに頼りすぎている。『そこを狙わなければいけない』とパスばかりを考えているので、まずはアタックファーストで仕掛けていくことがカギになってくると思う」

ミスマッチを狙うことはオフェンスを組み立てる上でのセオリーだ。一つのポゼッションの重みが増すPOでは確実に得点を狙うシチュエーションは増えてくるだろう。

その状況を踏まえれば、GAME1で出た課題はPOに生かせる材料になる。ミスマッチばかりを探すのではなく、まずはペイント(ゴール下のエリア)に進入することを試みることで攻撃のリズムが生まれ、信州の武器でもある3ポイントシュートが生きてくるはずだ。

福島ら若手選手が躍動
POのカギを握る可能性も

4月26日のGAME2でも収穫があった。普段はプレータイムが少ない選手たちの躍動だ。福島ハリス慈音ウチェの35分14秒を筆頭に、東海林奨、横山悠人も25分近くのプレータイムを得て攻守にわたり存在感を示した。

特に福島はプレーを楽しんでいるようにさえ見えた。GAME1は2分45秒の出場で2得点にとどまったが、GAME2ではキャリアハイの9得点を大きく更新する19得点の活躍を見せた。

試合後の会見で福島は笑顔だった。

「愛媛戦でキャリアハイの9得点を記録して、オフェンスもディフェンスも通用することを実感できた。小さな成功体験の積み重ねが自信につながって、その経験が今日のパフォーマンスにもつながったと思っている」

勝久HCは、若手中心のメンバーを「原理原則チーム」と表現している。公式戦のコートに立つ時間こそ少ないが、チームが目指す形を日々の練習から積み重ねており、それが選手個人だけでなくチーム全体の成長を支えている。

「(小玉)大智選手や横山選手を中心に、(全体)練習後に自分たちで成長しようと(自主)練習している」と福島。若手の意欲的な姿勢は信州のトレーニングシーンではお馴染みになっている。

GAME2の第4クォーター(Q)残り1分4秒。チーム最年少の福島が1点差に迫る3ポイントシュートを沈めたシーンは、この日一番の盛り上がりを見せた。逆転勝利にはつながらなかったが、若手主体でも戦えることを示した内容だった。

勝久HCは「(POでは)多くのプレータイムをもらう人たちは決まっている」と前置きした後、こう続けた。

「ケガ人の状況からいくと、ローテーションが最後の最後まで決まっているわけではない。ベンチメンバーの誰かのステップアップは必要になる」

若手選手のビッグプレーが勝負の行方を左右するカギになるかもしれない――。指揮官の言葉からは、そんな期待がにじみ出ているように思えた。

長丁場のRSと異なり、POは敗退したら終わりのトーナメント戦。選手たちの躍動はもちろん、相手をホームに迎え撃つブースターにも特別なブーストが求められる。

B2の頂点を極める瞬間まで、“ALL信州”で戦い抜きたい。


B2プレーオフ準々決勝 信州ブレイブウォリアーズ vs 福井ブローウィンズ
https://www.b-warriors.net/lp/game_20260502_20260504/
Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/club_detail/?TeamID=716&tab=1
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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