山本憲吾のバレーボール・ラボ(5)「冴えたブロックディフェンス 理由を解析」

バレーボールはスピーディーで華やかなプレーが目を引くが、その裏には緻密な戦術の応酬がある。国内最高峰・SVリーグで奮戦する男子のVC長野トライデンツも同様だ。ネットを挟んで対峙する相手と、どんな駆け引きをしながらプレーを選択しているのか。2017-21年に在籍した元リベロ・山本憲吾が、奥深いバレーボールの世界に案内する。第5回は、第15節WD名古屋戦GAME2で機能したブロックディフェンスについて解説する。

構成:大枝 史、大枝 令

GAME1から大幅に改善
サーブから始まるブロック

第15節WD名古屋戦のGAME1では、ブロックをどこに絞るかが定まっていなかった印象があった。相手はオポジット(OP)宮浦健人選手がキーマンになってくるが、VC長野のブロックは流れてしまったり間が空いてしまったり。簡単に抜けられてしまった。

宮浦選手はクロス側を多めに打ってくるが、GAME1ではそれに対応できずに77.8%と高い決定率だった。GAME2ではそれを修正したと思うが、まずVC長野のサーブが走っていたからブロックが絞れたのだと思う。

両日とも相手ミドルブロッカー(MB)の傅田亮太選手やノルベルト・フベル選手にはブロックが1枚では簡単に決められていたので、そこは割り切ってサイドの選手に2枚つけていた。

特に宮浦選手のクロス側に打つスパイクに対して、安部の手が残っていたし、ブロックが流れずにちゃんと前に手を出せていたのは非常に良かった。3枚ブロックもしっかりと相手の嫌がるコースに絞れていた。

例えばGAME2第2セット1-1の場面。

工藤(#11)のサーブを宮浦選手が上げ、深津英臣選手のトスを宮浦選手が打つ。しかしそのクロスへのスパイクを、ファルハン(#26)と安部(#24)が2枚でシャットしたシーンだ。

まずはファルハンがしっかりと基準になって、それに合わせて安部が手を前に出す。安部のブロックの形を見ると、「ファルハンの位置取りが完璧だから、こっちは絶対に抜かせない」という気迫を明確に感じられるくらい、右腕を締めている。

本当にきれいで、久々に気持ち良いブロックを見られた。

ファルハンが基準となって安部がブロックを決め、ブレイクに成功

サイドの選手がアンテナ側に流れてしまうと、MBとの間が空いてしまって打たれる隙が生じる。ブロックを絞り切れていないとどうしても遅れて行くことになるので、そういった状況になりやすい。それがGAME2ではファルハンも工藤もクロス締めの基準になっているからこそ、MBの選手がきちんと寄ることができて、手を前に出せたことが大きい。

こういったブロックのポイントがあれば、今度はまた相手も次なる手を打ってくる。10-7のシーン。ストレート側に打ってきたスパイクを、リベロ(L)磯脇(#30)がディグで上げた。ブロックがいいと打ってくるコースが限られてくるので、レシーバーからしても守りやすい。GAME2では組織的なブロックディフェンスができていたことがよくわかる。

今度はストレートにスパイク。磯脇がディグに成功し、切り返しからブレイクした

これを当たり前にできるようになれば、チャンスは絶対にある。

負けている試合ではディグがなかなか上がっていなかったが、ブロックの位置やタイミングももちろん要因の一つではあった用に感じる。そこさえクリアになれば、またディフェンスの完成度も高まるだろう。

ホームで連敗ストップを目指す
東京GBと3度目の対戦に向けて

3月7-8日は、松本市エア・ウォーターアリーナで第16節の東京GB戦。相手は勢いがあるし、WD名古屋とは戦い方がまた違ってくる。早い展開で持ってきたり、バルトシュ・クレク選手のようにチームを引っ張るパフォーマンスをする選手もいる。

今までの東京GB戦では白熱した試合を展開したこともあった。ただシーズン残り14試合となった今は、そこは忘れてしまっていいと思う。あと6試合しかないこのホームゲームで、応援してもらっているファンの皆さんに一つでも勝利を見せてもらいたい。

セッター(S)赤星がフィットしてきてサイドアウトが取れるようになってきたり、サーブが走ったり。WD名古屋戦で成長を示せた要素も少なからずある。

とりわけGAME2ではブロックディフェンスが機能しており、それをホームでも見せてもらいたいと思う。特に東京GBはサイドに速いボールが上がってくるので、サーブレシーブを乱すことができればブロックも絞りやすくなるだろう。

サーブも期待したいけれど、その後のブロックディフェンスからどれだけブレイクできるかも注目したい。

いろいろなことを考えすぎると、コロッとやられてしまうこともあるかもしれない。ただ、今はいい戦いができているし、ファンの皆さんも「いい試合してる」と思ってくれているだろう。その中で、まず浮上のきっかけとなる1勝。そのためにも一体感を取り戻し、のびのびと戦ってほしい。

PROFILE
山本 憲吾(やまもと・けんご) 1992年6月22日生まれ、大阪府出身。小学校4年生の時にバレーボールを始めた。中学校には部活動がなかったため、校長に直談判してバレーボール部を設立。JOC大阪北選抜で全国3位を経験した。大塚高(大阪)からリベロに転向し、2年時にインターハイ初優勝に貢献。中京大では東海リーグで2〜4年時に3年連続でリベロ賞を獲得した。卒業後は岡崎建設owlsでプレーし、2017年にVC長野トライデンツに入団。19年にはリベロ部門のファン投票1位でオールスターゲームに出場した。20-21年シーズンまで在籍し、現役引退。現在はVC長野トライデンツU15女子の監督。趣味は愛娘の写真を撮ること。


SVリーグ男子第16節 東京グレートベアーズ戦 試合情報
https://vcnagano.jp/match/2025-2026-sv-div16-1
https://vcnagano.jp/match/2025-2026-sv-div16-2
クラブ公式サイト
https://vcnagano.jp/
SVリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/sv_men/team/detail/461

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