勝久氏からフラベル氏へ 見えてきた“新生”信州の形と魂

新たな鎧をまとい、新たな戦場に臨む――。2026-27シーズンから新設されるバスケットボールの国内最高峰リーグ、Bプレミアに参入する信州ブレイブウォリアーズ。クラブを運営する株式会社NAGANO SPIRITは2026年6月2日、ニュージーランド代表ヘッドコーチ(HC)のジャッド・フラベル氏が新シーズンからHCに就任することを発表した。クラブ創設15周年とBプレミア元年の節目に合わせ、クラブのコンセプトやブランドカラーなども刷新。新たな舞台が幕を開ける。

文:芋川 史貴

バトン受け継ぐフラベルHC
「冒険を楽しんでいきたい」

今季まで8シーズンにわたって指揮を執った勝久マイケル氏からバトンを受け継ぐジャッド・フラベル新HC。母国ニュージーランドの国内リーグ「NZNBL」で複数のクラブを率いて数多くの優勝経験を誇り、2024年からは同国男子代表チームのHCも務めている。

「平均年齢がリーグで一番若いメンバーで優勝している経歴もあるし、代表コーチでは少ない練習でもしっかりと結果を出すこともあった。選手たちの実力を100パーセント以上引き出す器のコーチだと思っている」

新たにGMとしてチーム編成を担うことになった青野和人チーム本部長は、フラベルHCに白羽の矢を立てた理由をこう説明した。

週末に同じチームとの連戦が基本だったこれまでと異なり、Bプレミアでは試合を開催する曜日が固定されず、短いスパンで別のチームと対戦することもある。そのタフなスケジュールに対応するための戦略や戦術を立案し、チーム力を調整する能力がフラベルHCには期待できる――。それが、青野GMが描く青写真だ。

加えて、選手育成に定評があることも大きなポイントになった。フラベルHCは、NZNBLのニュージーランド・ブレイカーズで10年以上にわたってアカデミー責任者を務めたキャリアもあり、よりレベルの高いオーストラリアのプローリーグ「NBL」やニュージーランド代表に多くの選手を輩出した実績がある。

1年目のBプレミアに参入するクラブの大半は、今季をB2で戦った信州より格上のB1勢だ。若く経験値も浅い選手を育てながら、国内最高峰の舞台で戦えるチームに成長させてほしい――。フラベルHCを招いた背景には、クラブの中長期的な視点も見え隠れする。

この日、クラブが長野市内で開いた記者会見にはフラベルHCも登場し、「本当に興奮している。やるべきことはたくさんあると思っているが、この冒険をしっかりと楽しんでいきたい」と笑顔で抱負を語った。

目指す「信州プライド」
誇りを懸けて戦う金色の戦士

新たな指揮官と同時に、クラブのコンセプトやメインコピーが披露され、ブランドカラーの変更も発表された。ブランドカラーは、クラブが「勝利・トップ・強者を象徴する」と位置付ける金色が採用された。

「我々は信州を背負って戦っていく。その自覚をクラブ、パートナーの皆さま、ブースターの皆さんも一丸となって戦う意識をしっかりと持つことが大前提になる」

木戸康行社長は、リブランディングの狙いを説明した上で、「皆さまと共に築き上げながら育てていくものだと思っている。その積み重ねこそが“信州ブレイブウォリアーズらしさ”になっていくと思う」と強調した。

「信州プライド / 信州の誇り」のコンセプトや「勇敢に、大胆に、恐れずに。」のメインコピーは、信州を代表する戦国武将の真田幸村から着想を得たという。

数で勝る徳川勢に寡兵で挑み、勇気と地の利を生かした戦法で勝利した真田氏。その姿勢を、B2からBプレミアに挑む信州が目指す精神と重ね合わせた。

Bプレミアでは成績によるリーグの昇降格はない。だからといって勝利の価値が低下することはないが、長野県全体にバスケットボール文化を定着させ、競技の発展や新たな価値を創造していくことが、これまで以上に重要になる。

「地域にどれだけ価値を生み出せるか。地域経済をどれだけ活性化できるか。社会にどれだけ貢献できるか。そうした総合力が経営力として問われる時代になっている」

木戸社長の決意にも熱がこもる。

舞台裏では着々と準備が進む。

信州のファンやブースターは、「勇敢に、大胆に、恐れずに。」を選手たちが表現する舞台を待ちわびているはずだ。


Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/club_detail/?TeamID=716&tab=1
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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