習慣化されてきたプレーの数々 終盤戦で花開く信州の”原理原則”

地区優勝まで、あと2勝――。B2東地区首位の信州ブレイブウォリアーズは2026年4月18-19日、ホームのエア・ウォーターアリーナ松本に愛媛オレンジバイキングス(西地区2位)を迎える。2連勝すれば自力での地区優勝が決まり、同時にB2プレーオフ(PO)セミファイナルのホーム開催権を獲得できる重要な試合。選手たちは足元を見つめつつ、POに向けてプレーの精度を高めようと意識を研ぎ澄ます。ここから、さらにチーム状態を上向かせるためのカギは何か。司令塔を担う小栗瑛哉の言葉から探る。

文:芋川 史貴


地区優勝はあくまで通過点
小栗瑛哉が見据える“その先”

佳境を迎えたレギュラーシーズン(RS)は、4月18-19日の愛媛オレンジバイキングス戦と、4月24-25日にアウェイで行う福井ブローウィンズ戦の4試合を残すのみとなった。

東地区首位の信州は、前節の結果を受けて同2位の福島ファイヤーボンズとのゲーム差を3に広げた。信州が愛媛戦で2連勝すれば、福島の試合結果に関わらず地区優勝とPOセミファイナルのホーム開催が決まる。

信州が愛媛とのGAME1を制し、福島が青森ワッツとのGAME1に敗れた場合も信州の地区優勝が決定する。

チーム関係者によると、信州がGAME1で勝利した場合、信州の試合から35分後に始まる福島の試合結果を待って優勝セレモニーを開催する方向で準備している。

もちろん油断はできない。信州が対戦する愛媛と福井もPO出場を決めている実力者。信州が4連敗し、福島が4連勝すれば順位は入れ替わり、信州は地区優勝を逃すことになる。

チームが目指すのはPOを制してのリーグ優勝。現在の立ち位置を踏まえ、選手たちはどのような心境でRSのホーム最終戦に向かおうとしているのか。小栗に胸の内を聞いた。

「正直、地区優勝は意識していない。この2試合で地区優勝が決まるかもしれないが、それ以上に『どういったチームになってPOに乗り込むのか』という方が僕は大事だと思っている」

「もちろん優勝したらうれしいと思うが、それでPOが1回戦負けだったら『何だったの?』ってなる。POに向かって最後の4試合でどう成長して、どういったチームになっていくかは、僕も(勝久)マイケル(ヘッドコーチ)さんもすごく求めていると思う」

愛媛戦を含むRSの残り4試合は、地区優勝するためではなくチームが成長するために戦う――。小栗の言葉からは、そんな思いが透ける。

勝久HCも、選手たちと同じ目線で語る。

「(地区優勝して)バナーを掲げるってことは、歴史にそのチームを残せることでもある。そのチャンスはなかなかないので、地区優勝も大事に思っている。だけれど、一番の目標はリーグ優勝」

次々と導かれる“正解”の攻撃
練習の積み重ねで生まれた成熟

4月5日の横浜エクセレンス戦以降、信州のオフェンスがスムーズに展開されるポゼッション(攻撃のターン)が目立つようになった。

12日の岩手ビッグブルズとのGAME2、第2クォーター(Q)残り3分21秒付近から始まるプレーが象徴的だ。

横山悠人が右サイドからボールを運び、ペイント(ゴール下の長方形で区切られたエリア)アタックを仕掛けると、逆サイドから土家大輝がペイントに飛び込む。そこに横山がパスを合わせて土家のバスケットカウントを演出した。

このプレーには勝久HCもベンチから立ち上がりガッツポーズ。そのシーンを振り返り、指揮官はほほ笑む。

「いつも練習している、われわれの原理原則。悠人がアタックして大輝が正しいタイミングで正しい場所にカッティングした。ルーキーの悠人が、毎日練習しているものを(自分の)ものにしていて、それが試合で出せるというのはすごくうれしかった」

シーズンを通してチーム全体で口にしていた「原理原則」という言葉。チームには、相手を見極め、どんな守り方にも対抗できるオフェンスの約束事が用意されている。岩手戦で見せたオフェンスの1シーンは、チームが重要視する「原理原則」に他ならない。

勝久HCのスタイルは、シーズンを通してパターンや約束事を浸透させ、シーズン終盤戦には誰もが回答を用意できる状態にしておくことだ。日々成長を積み重ねることができれば自然と解決策が蓄積されていき、流れるようなオフェンスが展開されるようになっていく。

「僕たちは“ディシジョンメイキング”という状況判断の練習をしている。試合中のスピードを10とすると、1くらいのスピードでやる練習。スピードが遅くても、どこにボールを置くのか、どこで誰にパスをするのかなどを年間を通して経験させてもらっている」

小栗はそう説明し、言葉を続ける。

「みんなが試合で良い判断ができているのは、その練習のおかげだと僕自身も思っているし、みんなもそう感じていると思う」

試合中のベンチに目を向けると、シュートを打つ前のプレーから拍手している選手たちの姿に気付く時がある。その瞬間、コートではチームから求められた正しい判断に基づいてプレーする選手たちの姿がある。

例えシュートが入らなくても、原理原則に従ってコートの5人全員が繋がったプレーをすることが、信州が目指すバスケットを語る上では重要な要素になる。

岩手戦のGAME2、第4Q残り5分50秒付近から始まるプレー。身長175センチの小栗がゴール下に進入し、マイク・ダウムからパスを受けて得点するシーンがあった。チームが積み上げてきたオフェンスの展開を土台に、小栗の判断力が光った場面だろう。

そのシーンについて「正直、覚えていない」と小栗。「それが意識的にじゃなくて、無意識にできてきたら、それは習慣。『習慣はすごく大事』だとコーチ陣からも言われるので、習慣として身に付いてきているのかなと思う」

種をまき、水を与えてきたチームの戦い方が、シーズン終盤になって次々と実を結んできている。これからは地区優勝、そしてリーグ優勝という形で果実を収穫できるかどうかが最大のポイントになる。

目標のリーグ優勝に向けて、まずは地区優勝のバナーを掲げるための戦い。鉄壁の守備と成熟したオフェンスを携えて、愛媛とのホーム最終戦に向かう。


ホームゲーム情報(4月18日-19日、愛媛オレンジバイキングス戦)
https://www.b-warriors.net/lp/game_20260418_20260419/
Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/club_detail/?TeamID=716&tab=1
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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