“ローマは一日にして成らず” ベスト6賞の山村涼香が往く「自信獲得」の道

「連覇」という次なる目標に向け、早くも歩みを進め始めた。ルートインホテルズ信州ブリリアントアリーズのミドルブロッカー(MB)山村涼香は、優勝という結果にも「自信を持てていない」――と明かす。もちろん喜びも実感も湧いてはいる。2025年5月8日。スポンサー企業などが集った優勝報告会で喜びを分かち合った後で取材に応じ、率直な心境と来季への決意を口にした。

文:原田 寛子/編集:大枝 令

悔しさを胸にさらなる高みへ
確かな「自信」得て連覇を目指す

栄冠に浴してもなお、渇望が満たされることはなかった。

山村涼香。
レギュラーシーズン28試合中27試合に出場し、アタック決定率44.1%はリーグ3位に食い込む数字だ。

そして1セットあたりのブロック決定本数が0.75本で2位。上沢沙織(仙台)との差はわずか0.01という僅差だったものの、十分に誇らしい数字ではなかろうか――。そもそも、ベスト6賞でもある。

そう問うても、返ってきたのは自責の念だった。

「チームで取った優勝であって、自分自身のプレーを振り返ると安定していなかった。周りからは『ちゃんとやっている』という声もあるけれど、自分では何も貢献できずに申し訳ない気持ち」

優勝した実感は、報告会などのイベントを通じてじわじわと湧いてきていた。しかし、それが自分の中で「自信」に変換されることはない。

「周りが見ているほど私には自信がない。不安いっぱいの中でこれまでのシーズンを戦ってきた部分もある。練習は日頃からたくさんしてるんだけれど…」

東海大では4年時から試合に出始め、インカレ優勝を経験。ただ、その時いたのはコートの上ではなかった。今回のレギュラーシーズンベスト6賞も、本来自分が求めたブロック決定本数やアタック決定率での受賞ではない。

「何か間違ったところでも自信をつけていけるプレーを出して、引き続きスパイク賞やブロック賞も見据えながら、来シーズンもチームを引っ張りつつ頑張りたい」

表情を引き締めた山村の目には、すでに来シーズンの頂へと続く道が映っていた。

支援の力で咲いた初代王者の花
支えが報われ笑顔あふれる時間

とはいえ、報告会などで祝福されるのは素直に受け止めてもいる。この優勝は、周囲に大きなインパクトを与えもした。5月8日の報告会でも、それが改めて浮き彫りになった。

「千本桜の桜を模したユニフォームに身をまとい、選手たちは願ってやまなかった初代王者という花を咲かせることができた」

冒頭挨拶でこう切り出したチームの関由美江代表。

「皆様のご支援があってこそ勝ち得た称号」と続け、会場に集まったスポンサー企業や運営関係者など、50人ほどの来賓者へ感謝を伝えた。

報告会の会場は、優勝の喜びや健闘を称える会話で賑わいを見せる。選手と来賓者の間には和やかな時間が流れた。

今シーズンの授賞式も行われた。

優勝ヘッドコーチ賞として原秀治監督、プレーオフの優勝トロフィーの授与としてキャプテンの横田実穂、レギュラーシーズンベスト6賞として山村、最優秀育成クラブ賞としてジュニアアカデミーの藤岡智恵美監督、伊藤身和子アシスタントコーチが記念トロフィーを受け取った。

「チームのみんなから素晴らしいものをいただき、自分の宝物が一つ増えた。このような賞をいただけたのは、素晴らしい選手たちのおかげだと思っている」

受賞後の原監督の言葉に、選手たちは笑顔で拍手を送る。

「皆様のご支援・ご声援があったからこそ、優勝にこだわり続けチーム力がより一層強まったと思う。今後も私たちの活動が上田市や長野県、バレー界に勇気を与えられるよう精進したい」

キャプテンとしてチームを率いた横田は、トロフィーを手に力強い意志を示した。


チーム公式サイト
https://www.briaristcamp.com/
Vリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/v_women/team/detail/484


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