B2ラストイヤー開幕へ準備整えた信州 “進化・真価・深化”を求める1年へ

バスケットボールの季節が目前に迫ってきた。信州ブレイブウォリアーズは2025年10月4日-5日のシーズン開幕節・ホーム山形ワイヴァンズ戦に向けてトレーニングを重ねている。練習からコート上には緊張感と闘志が充満。プレシーズンゲームから約3週間、開幕を控えてチームはどのような“SHINKA”を積み重ねてきたのか――。開幕直前の仕上がりと意気込みをレポートする。

文:芋川 史貴/編集:大枝 令

開幕に向けチーム作りに手応え
渡邉飛勇「練習が熱くて楽しい」

開幕まで1週間を切った9月30日、メディアに練習が公開された。ハーフコートでのウオークスルーを中心に、何度も戦術の確認が繰り返されていた。

守備であれば適切な声のかけ方やローテーションのタイミング、攻撃であれば相手のカバレージに対してどのように打開していくのか。

開幕直前ということもあり、練習には一切の妥協は感じさせない。選手が理解するまで徹底的にそのセクションを反復する。

決して雰囲気が暗いわけではなく、積極的にコミュニケーションを取ったり声をかけあったりしながら、緊張感と強度を保って練習が行われていた。

勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)はチームの状況について手応えを口にする。

「完成度的にはまだまだだが、みんなが同じ方向を向いて、繋がったチームになれるハートとメンタリティを持っているグループ。向かっている方向としてはかなり良いと思っている」

若い選手が多く在籍する今季。プレシーズンゲームからもわかるように、ゲームのテンポやエナジーは大幅に高まったように感じさせる。

信州で2年目を迎える渡邉飛勇は今季のチームについて「練習は本当に熱くなった。楽しい」と笑みを浮かべる。練習でも変化した部分があることを明かす。

「たくさん変わった。 昨年は悔しい気持ちがいっぱいあったから、多分マイクが『もっと良いバスケをやりたい」』という気持ちがあったと思う」

「セットが増えて、ディフェンスカバレージはもっと細かく難しくなった。このトレーニングキャンプは難しかった」

それでもその表情には2年目の自信が宿る。1年前に狩野富成とともに膝に両手をつけて下を向いていた渡邉はどこにもいなかった。

試合の入り方を克服できるか
チームディフェンスの遂行がカギ

開幕戦で対戦する山形とは昨季6戦して4勝2敗となっている。互いにロスターが大きく入れ替わったためあくまでも参考程度だが、ロングレンジの3ポイントシュートで存在感を発揮していたジェームズ・ベルは今季も健在。勝負のポイントにもなりそうだ。

勝久HCもカギとなる要素としてその名を挙げる。

「山形さんは毎年良いスペーシングから良いバスケをしている。毎年ジェームズ・ベル選手には苦しめられているので、手強い新加入選手も含めて、彼らのオフェンスをどうチームで守っていくのか」

「(公式戦では)初めてのゲームになる中で、我々が今まで取り組んできたバスケを最初の試合から出せるかがカギになる」

振り返ると試合の入り方は昨季の信州にとっても一つの課題になっていた部分。昨季同様に試合の入りが悪ければベルを中心に一気にペースを握られる可能性は十分にある。

また新加入外国籍のシャキール・ドアソンと、ノア・ウォーターマンはそれぞれ210cmオーバーのビッグマン。リバウンドで戦わなければゴール下に安心感を与え、それこそベルを含めた外角のシュート確率も上昇してしまう可能性がある。

プレシーズンゲームのように前線からプレッシャーをかけ続け、ギャングリバウンドに飛び込むことが相手のペースを崩すきっかけになりそうだ。

信州がテーマとして掲げるディフェンス、リバウンド、ルーズボール、エナジーがわかりやすく重要となる開幕節となるだろう。

開幕連勝で上昇気流に乗る構え
ダウム「チームに天井はない」

ロスターも直前で整えた。ジェイシー・ヒルズマンの突然の契約解除に伴い、信州は新たにアンジェロ・チョルを獲得。まだシステムを落とし込んでいる途中だが、チョルは過去にも1年間ずつチームをわたり歩きながら各種カテゴリーでプレーをしている。

その経験を生かした早めのフィットや献身な姿にも期待が寄せられる。この日の練習でもウェイン・マーシャルからアドバイスをもらいながら練習をこなしている姿があった。

日本で初めてプレーするマイク・ダウムは、表情からも開幕への興奮がにじむ。プレシーズンゲームからの成長点と試合に向けた意気込みを語る。

「個人的に良くなった点は新しいチームに来て、自分がチームメイトに対してどうフィットするのか。そして彼らが自分にどうやってフィットするのか。チームメイトの強みを知ることも含めて良くなってきた」

「またチームとしても一人一人の選手が毎日練習に来て、『絶対成長する』という献身的な姿勢や気持ち。『絶対うまくなろう』って誓っているような気持ちを持ってきている。天井はないと感じている」

ダウムの表情や練習の雰囲気を見ても、個人としてもチームとしても着実にプレシーズンゲームから成長を積み重ねていることがにじむ。

いよいよB2リーグラストイヤーが開幕。昨季とはうって変わり、2連勝で弾みをつけられるか。


ホームゲーム情報(10月4-5日、山形ワイヴァンズ戦)
https://www.b-warriors.net/lp/game_20251004_20251005/
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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