“ビター”はもう要らない――目黒愛梨が希求する“スイート”な勝利の瞬間

飽くなき渇きが、チームを高みへと導く。Vリーグ女子のルートインホテルズ信州ブリリアントアリーズは、開幕20連勝で首位を独走中。それでも、今季加入したアウトサイドヒッター目黒愛梨は「まだまだ物足りない」と自身のプレーに不満を口にする。どこまでも貪欲に、勝利と手応えを追求する25歳。バレンタイン企画が用意されている2026年2月14-15日のホームゲーム・リガーレ仙台戦を前に、その魅力を掘り起こす。
文:大枝 令
KINGDOM パートナー
キャリアで感じてきた「苦み」
今季は全試合に出場するも…?
目黒愛梨が味わう勝利は、甘くてほろ苦い。
チームは開幕から連勝街道をひた走る。それでも決して、満たされることはない。
「正直、自分的にはまだまだ物足りない。特に自分が先発出場した試合で勝っても、最後まで自分がコートに立てずに仲間に助けられたケースも本当に多い。それを当たり前にしたくない」
「チームは勝っているけれど、自分がコートに立っている時間は本当にまだまだ少ない。コートに立てる時間を増やす余地は全然、ある」

渇望する。
コートで感じる熱を、確かな手応えを。
そして勝利の喜びを。
「前チームで負けることも多く、誰よりも勝ちの感情が枯渇している。どんな方法でもどんなプレーでもどんな言動でも、勝ちに繋がるなら何でもやりたい」

その言葉通り、昨季は苦々しいシーズンを過ごした。
開幕35連敗。
SVリーグ初年度の群馬グリーンウイングスで経験した、先の見えないトンネルだ。その中でも自身は、10試合7セットの出場。そこに勝利の甘味など、あるはずもなかった。

今季は信州Ariesに移籍。機動力を生かしたアタックなどを武器とし、途中出場も含めて全試合でコートに立ってきた。白星ならいくらでも味わったし、敗戦の苦みはまだ知らない。
それでも、だ。
もっと勝ちたい。
コートに立ちたい。
ボールを触りたい――。
その思いが、目黒を衝き動かす。
KINGDOM パートナー
群馬時代にMBからOHに本格転向
やりがいを感じる意外な理由とは
身長172cmのアウトサイドヒッター(OH)。その存在が真価を発揮するのは、コート内だけではない。同じSVリーグからの移籍組・OH田中瑠奈とともに、高いスタンダードでチームを牽引。トレーニング前後の入念なアップやケアなどでも範を示す。

実際に成田郁久美監督は、2人の加入をそうした側面からも評価する。
「アスリートとしてそれは当たり前、と思っている部分を面倒くさがらずにしっかりやる。その姿はチームにとってすごくプラス。2人が入ってくれたことですごく助かっている」
コート内では機動力を生かした攻撃を持ち味とする。ただし、OHに転向したのは前所属の群馬時代。それ以前は、ミドルブロッカー(MB)を務めていた。

コンバートを受け入れてから感じるやりがいも、目黒の「飢え」を象徴する。
「ミドルはリベロと交代するから、プレー時間が限られる。でもアウトサイドはフロントもバックも担当するので、コートに立ち続けてチームを勝たせていく面白さがすごくある」
「苦しい場面や勝ちたいときに、チームの配球がアウトサイドに集まることが多い。そこでチームの繋いできたボールを決める面白さも今シーズンは感じられている。やりがいと同時に責任感もすごく感じる」

託されるありがたみ、応えて決める喜び。そして甘美な勝利――。
いくら味わっても、味わいすぎることはない。
姉2人と異なる環境で得た気づき
“V-Day”に届けたい甘美な勝利
福島県出身。女3人きょうだいの末っ子で、優佳(大阪マーヴェラス)と安希(埼玉上尾メディックス)の姉2人もSVリーグでプレーするバレーボール選手だ。目黒は幼少時から姉の背中を追うようにして、今もこのステージに立つ。
「2人は中学校から県大会に出場したりして活躍していたけれど、私は地区大会で負けることが多くて、そういう劣等感もあった。やはり2人の背中を追いかけている――という気持ちは結構あるのかもしれない」

幼少期に水泳を習っていたことも同じなら、福島県内の強豪校・郡山女子大附高に進んだのも同じ。長女の優佳と同じ日体大でプレーし、そこから群馬を経て信州Ariesに至る。同じバレーでも歩んだ道が異なる中で、見えてきたものがあるという。
「群馬に行って今はアリーズにいて、自分の本質が見えてきたように思う。小さい頃は『中途半端だ』と言われて悔しかったけれど、意外と考えながら行動していることがわかった」
「それは自分の強みにしていけると思う。これからも考えることを止めずに日々を送っていきたいと思う」

考えて動く。その原動力は、尽きせぬ飢えだ。それをぶつける次回のホームゲームは2月14-15日にあり、信州Ariesは上田市自然運動公園総合体育館に7位のリガーレ仙台を迎える。
14日は「ブリアリバレンタインデー」と題して来場者にミニチョコをプレゼント。そして両日とも、各選手ごとに当選した3人がオリジナルチョコを手渡しされる試合後イベントも企画されている。
目黒が追求するのは、まずコートに立ってチームに貢献すること。勝利を呼び込むこと。それがひいては、会場いっぱいに広がる“甘い贈り物”になる。

ホームゲーム情報 2月14-15日・リガーレ仙台戦
https://www.briaristcamp.com/information?no=SU65CNffscva3gs0sIC7CQS
チーム公式サイト
https://www.briaristcamp.com/
Vリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/v_women/team/detail/484


















