確かな成長と未来への課題 “日々成長”を体現したチームは歴史刻む来季へ

B2東地区を制した信州ブレイブウォリアーズは、2026年5月16-17日に横浜エクセレンス(横浜EX)と対戦したプレーオフ(PO)3位決定戦で連敗し、4位で2025-26シーズンの戦いを終えた。B2優勝の目標は達成できなかったものの、「本当に素晴らしいシーズンだった」と勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)。チーム一丸となって“日々成長”のテーマを体現した今季は収穫が多かった。現行のBリーグは今季限りとなり、信州は来季から新設される国内最高峰のBプレミアに参戦する。今季を総括し、来季に向けた課題を探る。
文:芋川 史貴
KINGDOM パートナー
成長曲線を描いた選手たち
チーム力高め前進続ける
今季最大の目標に掲げたB2優勝を逃し、最終順位も昨季の3位から4位に後退した。結果が問われるプロスポーツの尺度で測れば、今季の成績には厳しい評価を下さざるを得ない。

ただ、選手たちの成長曲線には目を見張るものがあった。今季は成績によるカテゴリーの昇降格がないレギュレーションだったことを踏まえれば、選手たちの成長はチームの前進を印象付けた。
石川海斗やペリン・ビュフォードといった優れた個人技や強力なリーダーシップを持った選手が抜けた一方で、エリエット・ドンリーや小玉大智を筆頭にコミュニケーションを重視してチーム力を高めようとする姿勢が鮮明だった。
勝久HCはシーズン当初から「つながってバスケができるグループ」と手応えを示し、「特別なグループ」とも表現。練習中から選手たちが声を掛け合いながら切磋琢磨を続け、同じ方向を向いて戦う集団を作ってきた。

チーム力向上はスタッツにも表れている。
レギュラーシーズンの平均失点は昨季の77.9点から今季は71.7点に改善。ブロック数が昨季より1.0本減少して3.3本だったため、ゴール下での高さを生かすことよりも平面でのチームディフェンスが機能したと言える。
貢献度が高かったのは新戦力のポイントガード陣。B1の強度を知っている小栗瑛哉や土家大輝が加入し、その機動力を生かして前線から仕掛けるディフェンスは昨季よりも明らかに圧力が高かった。
オフェンス面では、アシスト数が昨季の20.8本から今季は21.5本と増加。昨季、平均10得点以上を記録したのは外国籍選手だけだったが、今季は土家が12.1得点をマークした。ドンリーが9.3得点、アキ・チェンバースも8.5得点を記録し、特定の個に頼らず、チームでオフェンスを機能させたことで得点力のバランスが向上した。

シーズン途中に加入したJJ・オブライエンや日本代表の渡邉飛勇をコンディション不良で欠いた終盤戦は、代役を担った小玉や横山悠人らが活躍。戦力の底上げも進んだ。
東地区優勝は、チーム全体の成長がなければ成し得なかったことは間違いない。それは勝久HCが目指す強化方針とも一致し、指揮官は「カルチャーを(取り)戻せた」と強調した。

シーズン最終盤に印象的なシーンがあった。
PO準決勝で福島ファイアーボンズに敗れた直後のチーム練習。今季は練習後に選手や一部のスタッフが一緒になってシュート対決する光景が恒例になっていたが、この日も普段と同じように取り組み、深い失意の中にいるはずの選手たちも笑顔で汗を流した。
小玉は「信念の部分がみんな一緒。良いチームメイトに恵まれた」と誇らしげに話した。
KINGDOM パートナー
ケガ人多く大一番で力出せず
収穫と課題を来季の舞台へ
B2優勝に届かなかった大きな要因として、ケガ人の多さが挙げられる。
POでは万全な状態でロスターがそろわず、短期決戦を勝ち抜くために主力選手のプレータイムが増加。コートに立った選手の消耗は激しく、福島戦や横浜EX戦では、鍛え上げてきたはずのオールコートディフェンスが機能しなかったり、リバウンドや球際の争いで後手に回る展開を強いられたりした。

ケガやコンディション不良による戦力ダウンは今季に限った課題ではない。今季は、新たに着任した青野和人チーム本部長の意向で選手のケアや疲労軽減に力を入れる取り組みも見られたが、シーズン終盤の戦力事情の苦しさを考えれば改善の余地は大きい。
来季のBプレミアは平日開催の試合が増えるため、週末ごとに連戦が組まれた今季までよりも移動による負担が増加することは必至だ。ケガやコンディション不良による戦力ダウンを最小限にとどめるための工夫と努力は、来季に向けた大きな課題だろう。

シーズンを終え、チェンバースや栗原ルイスら6選手が契約満了でチームを去ることが発表された。来季に向けた具体的なチーム像が見えてくるのはこれからだが、Bプレミアへの挑戦はクラブにとって新たな歴史を刻む一歩になることは間違いない。
今季の収穫や成長を財産として来季につなげ、課題や悔しさを次へのエネルギーとして蓄えることができるか――。力強く魅力的なチームとなって新シーズンの第一歩を踏み出す日に期待したい。

Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/club_detail/?TeamID=716&tab=1
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/

















