新監督に加戸隆司氏、アドバイザリーコーチに鬼頭有紀子氏 新生GaRonsが“第2章”へ

長野GaRonsは2025年8月22日、新監督に山梨学院大の加戸隆司監督を迎えたことを発表した。アドバイザリーコーチには須坂市出身のオリンピアン・鬼頭(旧姓高橋)有紀子氏が就任。過去の経緯などを知る酒井駿アソシエイトコーチが中心的な役割を担いながら、新体制で2年目のVリーグに挑む。地域とともに歩む長野GaRonsの「第2章」が、ここから始まる。
(2025年8月24日15:00 一部修正)

文:原田 寛子/編集:大枝 令

新指揮官に加戸隆司監督が就任
アナリスト出身のデータバレー

2025年8月13日、須坂市内でキックオフミーティングを開催。選手たちと新監督、新コーチの顔合わせが行われた。

新たにチームを率いるのは、山梨学院大で指揮を執っていた加戸隆司監督。京都府出身の49歳で、山梨大を卒業後は同県の白根高などで指導しつつ、日本代表のアナリストも務めた経験を持つ。

今回の就任について、信州スポーツプロモーションの韮崎昌彦・代表取締役社長が取材に応じて経緯を明かした。

山梨学院大の卒業生や加戸監督とも繋がりがある人々が多く集う機会があり、韮崎社長も参加していた。まだチームの監督やコーチ、アナリストも決まっていない時期。選手らの仲介もあり、加戸監督と話す機会を得た。

「アナリストを探してもらう話から始まったが、監督も決まっていない状況も伝えていた。『監督も探す』とおっしゃったが、直接お願いしたところ快諾してもらえた」

しかし韮崎社長には監督を探すにあたり、こだわる部分があった。

「今年は酒井のチーム」

監督不在の期間、監督代行としてチームを率いてきた酒井駿アソシエイトコーチ。これまでも長野Gの転機で支えになってきた存在だ。それはチームにかかわる全員が知っており、信頼関係はすでに築き上げていた。

その酒井を軸に据えながら、「監督」というポストを探したという。

「加戸監督はその部分を理解してくれた。監督という立場はあるが、協力するスタンスでチームを率いると言ってくれた」

自身もアナリスト出身の加戸監督。奥原蓮、常田将志と教え子がプレーしていることもあり、チームのことはよく知っていたという。

「バレーボールの盛んな北信地方に根付いたチーム。この地でのバレーの火を灯し続ける手伝いがしたいと思った」

「経験豊富な酒井コーチがチームを作っている。さらに安定したプレーができる土台作りをすることで、選手たちには誇りを持ってもらいたい。酒井コーチが伝えたいことをうまく選手たちに伝え、リーグ終盤に向けてさらにパフォーマンスを上げていきたい」

状況を理解した加戸監督は、それを踏まえた上で就任することを承諾した。

KINGDOM パートナー

コーチ陣にはオリンピアン鬼頭氏
「故郷のため、バレーのために」

監督を筆頭にコーチ陣も一新された長野G。アドバイザリーコーチとして迎え入れたのは、鬼頭(高橋)有紀子氏だ。須坂市墨坂中出身で、インドアとビーチで4度のオリンピック出場経験を持つ。

須坂市出身のオリンピアンということもあり、韮崎社長とは面識があった高橋氏。ある日の長野駅で偶然韮崎社長と会ったことで、歯車が回り始めた。

「駅ビルで1時間ほど韮崎さんから現状を聞いた。それから何度か練習を見ているうちに『バレーを頑張る子たちの力になりたい』という思いがこみ上げてきた」

さらに高橋氏には、須坂市への思いがあった。

「過去に富士通長野で女子バレー部を立ち上げる話があったが、その後オリンピック出場を希望したので、かなわぬ話になった。いつか故郷の須坂に恩返しを…と思っていたところで今回の話。故郷のため、バレーのため、今やるしかないという気持ちだった」

その思いを胸に、コーチ就任を決意した。

ビーチバレーも経験してきたからこその指導やアドバイスも伝えたいという高橋氏。自身はセッターやレシーバーだったことから、まずはそのポジションの選手たちから見ていきたいと話す。

このほか、ともに元選手の石坂ハスナヌはフィジカルトレーナー、松下祐太は練習のサポート役を務めるという。

酒井アソシエイトコーチを軸に
「はつらつと実力発揮する姿を」

キックオフミーティングの時点では監督やコーチと初顔合わせの選手も多く、それぞれの自己紹介も行われた。

酒井コーチからはチームのベースとなるシステムや、選手としての心構えなどを共有。改めて意識をひとつにしてリーグ戦へ向かうという、確認の場となった。

「プレーで結果を残すのはもちろんだが、選手がはつらつとして実力を発揮できる姿を見せられるようにしたい」と、加戸監督は強調する。

高橋アドバイザリーコーチも「バレーボールは見ていて楽しい競技だし、体育館に来て近くで見ると迫力もある。ぜひ観戦に来てバレーボールの魅力を感じてほしい。須坂市で活躍する長野Gの選手を強くしていきたい。ファンの方の力はとても大きいので、これからも応援していただきたい」と力を込めた。

リーグ開幕まで約2カ月。

新体制を整えた長野Gが、2年目のVリーグへ一歩を踏み出した。


新体制のお知らせ(クラブ公式サイト)
https://garons.jp/topics/2025shintaisei
クラブ公式サイト
https://garons.jp/
Vリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/v_men/team/detail/474


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