J2勢にも挑む百年構想リーグ開幕まで4日 練習試合で示した“攻守の大枠”とは

J2・J3が同一リーグで争う百年構想リーグの開幕まで、あと1週間を切った。松本山雅FCは鹿児島県鹿児島市でキャンプを張っており、2026年1月31日にはJFL(日本フットボールリーグ)ミネベアミツミFCとのトレーニングマッチで5-0と快勝した。石﨑信弘新監督が目指す前線からのプレッシング、センターバックを起点とした大きな展開――。練習で意識してきた形が結果として表れた一戦は、今季の戦い方の大枠を示すものとなった。
文:大枝 史/編集:大枝 令
KINGDOM パートナー
前線から連動する強烈プレス
実戦で見えてきた守備の形
「こう勝つのだ」と、道筋を示しているかのようだった。
JFLのミネベアミツミFCと対戦したトレーニングマッチ。意識して取り組んできた形が多く出た。まずは松本の練習から意識付けされていた前から奪う守備だ。

FWから積極的にプレッシャーをかけ、後ろが連動してボールを奪いに行く。1回で奪えなくても、2回、3回――。続けざまにアタックし、高い位置で奪ってゴールに繋げた。

J1サンフレッチェ広島から期限付き移籍してきたFW井上愛簾は「後ろの人と声を掛け合いながらうまくはめられた。前からの守備であそこまでいける…というのは感じた」と手応え。アンカーに入ったMF深澤佑太は的確に指示を出してポジションを調整。「周りとの連係面は徐々に良くなってきた」とうなずく。

1月25日に行われた栃木Cとのトレーニングマッチ、鹿児島キャンプでの紅白戦をはじめとする実戦的なトレーニングを経て、ようやくその成果が目に見える形で表れた。
守備面で強く求められているのは、「奪いに行くこと」「リスク管理」のセットだ。

独特な間合いで相手と対峙し、対人守備では無類の強さを誇っていたDF宮部大己。今は積極的に間合いを詰めてボールを奪いに行く。「自分だったらそこはそんなに行っていなかったな…と思うシーンはあるけれど、チームとしてやるべきことなのでやりにくいとは思わない」と適応を見せる。

一方で全員が前から強烈な圧をかける分だけ、おのずと後ろのスペースは空く。失点こそしなかったが、ポケットを使われるシーンが散見されたのも事実。そこに対するカバーリングやリスク管理は課題として残った。

KINGDOM パートナー
「前を向いて受けたら動け」
攻撃の形を整理してフルパワー
もう一つは、「大きな展開」だ。
1月28日の午後練習では攻撃面の確認が行われ、主にセンターバックからウイングバックの奥への球やサイドチェンジを使ってクロス。バレット(ダミー)を立てたトレーニングでボールの動きを意識付けた。

29〜30日の練習でもその形は意識されていた。中でも石﨑信弘監督が強調していたのは「前を向いて(ボールを)受けたら動け」。センターバックが前向きにボールを受ければ、ウイングバックもFW陣も動き出す。人が動くことでスペースを作り、パスの出しどころを増やせば必然的に課題だったバックパスも減る。

それでも困った時の逃げ場として、前線の選手の胸や足元を狙った浮き球。通称「パイ〜ン」が控える。
「やることが整理されているからフルパワーで行ける。攻撃の時もとにかく出れば良い球が来る」。そう話すのはサイドチェンジからクロスを上げ、アシストを記録したDF佐相壱明。続けて「本当に楽しくやれている」と笑顔を見せる。3日間の練習で意識付けされた形を遂行し、すぐさま答えを出した。

ハイインテンシティを継続し
J2勢も含めたリーグで奮闘を
攻守で意識付けされているそれらを遂行するためには、ハイインテンシティの継続が必要不可欠。そのために日々のトレーニングが厳しさを持つ。

大枠は見えてきた。しかし実戦的なトレーニングはまだ数えるほどしか行えていないのが現状だし、クロス対応やボールを受けた時の視野の範囲など、個々のクオリティにおいて要求されていることも多い。「長い目で見ていかないといけない」と石﨑監督が話すように、一朝一夕に克服できる領域ではなさそうだ。

J2の上位チームとの戦いが続く中で、まずはチャレンジして新しい課題を見つける。そして改善していく――というサイクルが続くだろう。今回は前線からの守備でショートカウンターができた。しかし、開幕戦でぶつかる大宮を筆頭に、J2相手に同じことが通用するのかは未知数だ。

苦しい戦いが続くのは容易に想像できるが、このトレーニングマッチの形が立ち返るものとして残れば、歯を食いしばってでも耐えられるはず。時には1時間を超えるという石﨑監督のミーティングで課題をみっちりフィードバックしつつ、“鍛造”の日々を送る。
トレーニングマッチの結果【vsミネベアミツミFC】
https://www.yamaga-fc.com/archives/523928
1次キャンプ トップチームスケジュールについて
https://www.yamaga-fc.com/archives/521766











