“B1王者のスタンダード”との差を痛感 天皇杯・宇都宮戦で横山悠人が触れた壁

若いチームにとって、価値ある40分間のチャレンジだった。2026年1月7日に行われた第101回天皇杯、ファイナルラウンド2回戦。信州ブレイブウォリアーズは昨季のB1王者・宇都宮ブレックスと対戦し、64-82で敗れた。カテゴリーの違うB1トップレベルを肌で体感した選手たちは、いったい何を収穫としたのか――。横山悠人のコメントを中心に試合を振り返る。

文:芋川 史貴/編集:大枝 令

大舞台で見せた強気のプレー
日に日にまとう自信と風格

第2クォーター(Q)残り4分9秒、横山が大舞台のコートに立った。今季プレシーズンゲームの前に選手契約を勝ち取り、リーグ戦では平均10分45秒のプレータイムを獲得している25歳。B1でのプレー経験がない横山にとって、宇都宮との対戦は大きな経験となった。

「僕自身初めてB1のチームと対戦するし、しかもそれがブレックスさん。試合に出た時は自分らしく、胸を借りるような気持ちでやろうと決めていた。ボールを持った瞬間はリングしか見ていなかった」

9分44秒の出場で、6得点1アシスト1スティールを記録。出場してすぐに持ち前のドライブからダブルクラッチで得点を奪ったり、激しいディフェンスでプレッシャーをかけるなど、闘志が全面にあふれていた。

試合全体を振り返っても、横山が出場した第2Qのその時間帯は、信州が連続で得点を奪うなどリズムが出た時間でもあった。

勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)も横山のプレーを評価する。

「経験が少なくても、アグレッシブにやろうという気持ち、アタックしてやろうという気持ちはとても良かった」

リーグ前半戦では、ケガ人の関係でスターティングメンバーとしてコートに立つこともあった。経験を重ねる度に表情もまとう雰囲気からも自信がついてきている印象。試合終盤には、自身が目標の選手像として掲げている田臥勇太とのマッチアップも実現した。

「なかなかマッチアップできることがないので、内心すごくうれしかったけれど、こういう選手を目指す上で、もっともっと頑張らないといけないと思った」

リーグ後半戦に大きな弾み
「自分の武器は通用する」

試合自体はディフェンスの強度も、シュートの決定率も、球際の強さもメンタルも全て宇都宮が信州を上回っていた。リーグ戦とは違うレギュレーションで、本来とは異なる組み合わせやポジションでの出場も少なからず関係はしているが、それでも宇都宮から学べることは多かった。

実際に戦ってみて何を感じたか――。

そのシンプルな質問に対して、横山は悔しさをにじませた表情で応えた。

「もっと正しいことをやればできたんじゃないかと思う。お互い出ているメンバーが(普段と)違う中で、ちゃんと正しいことをやれば戦える試合だったのかなと思う」

とりわけ第3Q。得点はわずか9にとどまり、多くの時間帯で選手が孤立するシーンが目立った。それはリーグ戦前節・福島ファイヤーボンズ戦GAME1の第3Qと同じ課題。宇都宮のディフェンス強度を前に、再びチームバスケットが分断された。

「スカウティングだったりいろいろある中で、遂行力や自分たちの土台となる部分を高めていこうという話をした。そういった部分が相手のプレッシャーがかけられた時にできなかった」

「自分たちの遂行力がすごく落ちてしまって、準備していたところとは違ったゲーム展開になった」

これは勝久HCが選手に促す原理原則とも関係する。どんな相手であれ、どんな強度であれ、自分たちのバスケットを40分間表現し続けることが大切。逆に宇都宮は40分間通して、ベテランも若手も一体となってチームスタイルを体現してきた。

来季はBプレミアに参入する信州。リーグ前半戦を終えた段階でチャンピオンチームと戦い、現在地を確かめられた。後半戦にも繋がるまたとない機会となったはずだ。横山も、後半戦に向けて前を向く。

「このタイミングで戦えたことは大きかった。自分たちが求めている高いスタンダードが、改めてまだまだ低いと感じた。ブレックスさんみたいに40分間自分たちのバスケットをブレさせずにやるのは、自分たちもやるべきこと。後半戦に向けて準備していきたい」

「個人としても(トップレベルとの差など)わからなかったことが明確になった。それでも自分の武器は通用すると思った。まずは今の状況でしっかり自分がステップアップしてチームを助けられる存在になりたい」

王者との対戦を糧に、若手主体のチームはさらなる日々成長を続けていく。フルメンバーがそろえば現状だとベンチ外に甘んじている横山。大舞台での経験を胸に、後半戦はさらなるインパクトを残していきたい。


Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/club_detail/?TeamID=716&tab=1
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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