プレーオフ進出は通過点 頂点を射止めるために磨きたい“40分間の強度”

2026年3月15日、ホームのホワイトリングで臨んだ青森ワッツとのGAME2。前日のGAME1を制したB2信州ブレイブウォリアーズは90-70で快勝し、14試合を残して2年連続3度目となるB2プレーオフ(PO)進出を決めた。タスク遂行が光って今季初めて青森に連勝した半面、POを制するための課題も浮き彫りに。戦術の遂行力だけでなく、その原動力となるメンタル面の成長をどう促していくか――。青森戦を振り返りながら、そのカギを探る。
文:芋川 史貴
多くの選手がフロアへダイブ
球際の意識が目立った2日間
今季は一度も連勝できていなかった青森に対し、「ルーズボールで負けない」「ターンオーバーしない」といった要素を強調して臨んだ今節。2日間を通し、そのタスクを体現する姿勢が光った。
GAME1は、立ち上がりからボールへの高い執着心が伝わってきた。

ウェイン・マーシャルがピック・アンド・ロールディフェンスの“ハードショー”でターンオーバー(TO)を誘発すると、小栗瑛哉も激しいディフェンスや鋭い読みから相手の攻撃をストップ。第1クォーター(Q)残り7分53秒の場面ではフロアダイブをしながら懸命にボールを追いかけ、ディフェンスのトーン(強度)を整えた。

「出だしは瑛哉がトーンをセットしてくれた。エナジーを出すこと、ディナイすること、心地よくやらせないこと。いつも話していることを意識高くやろうとしてくれて、チームとして悪くないスタートを切れた」
勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)は選手たちの姿勢にうなずく。

試合の入りから高いエナジーのディフェンスを遂行できたことには理由がある。
今季3度目の対戦となった青森に対しては同じ節での連勝がなく、今年1月25日の試合ではルーズボールで後手に回って連続失点を許す場面が目立った。その試合では「第4Qの大事な時に50-50のボールから9点ぐらい連続で取られた。そのTOから失点が非常に悔しかった」と勝久HC。その悔しさが選手たちの身体を動かした。

1月の敗戦は、クラブの連勝記録を15で止めてしまった苦い試合でもあった。相手のチーム状況が変わって「戦術が読めなかった」(生原秀将)側面があったとはいえ、15個のTOから18得点を青森に献上。セカンドチャンスポイントも15-19と上回られ、勝久HCはメンタル面での問題点を指摘していた。
その試合が、選手たちの今節に懸ける思いに繋がったことは姿勢を見れば明らかだった。第2Q残り8分34秒にはアキ・チェンバースが激しいディナイからボールを奪うと、そのポゼッションから渡邉飛勇が3ポイントシュートを沈めるなど、球際の強さから流れを引き寄せた。

同じ第2Q残り6分25秒にはマイク・ダウムがルーズボールにダイブ。残り4分12秒には、東海林奨がレイアップを沈めた後、土家大輝がスローインのボールに反応。エンドラインを割る間際までボールを追いかけた。
特定の選手だけでなく、フロアに立った多くの選手が球際への執着心を見せた。チームとして課題や意識が共有されていた証しであり、チーム力の向上を示すシーンでもあった。

「日頃からフィルムで共有されているので、強い意識を持ってやっている。そういうところなしでは戦えないと思うので、引き続きやっていきたい」。そう言って土家は手応えを強調した。
40分間タスクを遂行し切るため
リーダーシップを備えた組織に
翌日のGAME2でもルーズボールやディフェンスへの意識を継続。“鬼門”となっていた青森に今季初めて連勝を収め、PO出場権も勝ち取った。
とはいえ、今季の目標はB2で優勝するために日々成長すること。PO出場は単なる通過点にすぎない。勝久HCも「ブースターの皆さんの喜びを聞いて『やっぱりうれしいな』と思った」とコメントしつつも、「優勝しか考えていない」と手綱を緩めない。

前回対戦での課題をクリアし、両日とも20点差以上での快勝。文句なしの内容にも見えるが、課題も存在する。
「前半は良いバスケットをしていたと思う」と勝久HC。ただ――と表情を引き締め、「後半は気持ちがあっても疲れによってマインドが一歩遅れる。足が0.1秒遅れると今度はファウルをし始める。前半はオフェンスリバウンドも素晴らしかったが、後半はそれが減った。みんな正しいことをやろうとしているが、40分間強くプレーすることをビルドアップしなきゃいけない」と指摘する。

実際にGAME2のスタッツは、前半12本あったオフェンスリバウンドが後半は4本に激減。逆にTOは前半4本に対して後半は11本と大幅に増えている。ファウルも前半4個に対して後半13個。あらゆる面で後半はマイナス要素が増加していた。

「40分間強くプレーすること」は簡単ではない。それでも、やり続けなければPOを勝ち抜くことはできないだろう。
そう思わせられる試合が2月にあった。西地区首位・神戸ストークスとのGAME2は、試合終盤のオフェンスリバウンドに競り負けたことが敗因の一つ。ライジングゼファー福岡戦では両日とも延長戦まで持ち込まれ、GAME1は落としている。

青森とのGAME2で15得点の活躍を見せたダウムは、POに向けた課題について「40分間やり切ること」ときっぱり。決して簡単ではない課題をクリアするポイントについて、勝久HCは「リーダーシップ」をカギに挙げる。
「今シーズンは本当に素晴らしいグループ。繋がっていて支え合っているのは間違いない」と評価した上で、「(GAME2の)後半は正しい姿勢が見える選手がいた一方で、疲れでいっぱいいっぱいな選手もいた」。繋がり合い、支え合えるグループであるからこそ、40分間やり切るために「流れが良くない時にミスを引きずらず、自分も含めて次のプレーに進んでいく。リーダーシップをコート内で出していく姿勢がもっとあっていい」と力を込める。

苦しい時こそ支え合って指摘し合うことで、選手は顔を上げ、チーム状態は再び上昇曲線を描く。勝久HCがリーダーシップを求める先は特定の誰かではなく、フロアに立つ各々に対してだろう。好ゲームで連勝した青森戦で得た収穫と課題。そこには、POを勝ち抜くためのヒントが詰まっている。
ホームゲーム情報(3月18日、鹿児島レブナイズ戦)
https://www.b-warriors.net/lp/game_20260318/
Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/club_detail/?TeamID=716&tab=1
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/















