修正と対応でフルセットの熱戦 連敗の中で見せたトライデンツの力強さ

粘りを見せるも、わずかに届かなかった。2026年10月31日-11月1日に行われた2026-27シーズンの大同生命SVリーグ男子第2節。信州松本トライデンツはアウェイで東レアローズ静岡に2連敗を喫した。GAME1はサーブが効果的に機能せず、逆に相手のサーブに苦しめられてセットカウント1-3(25-19、21-25、21-25、22-25)で敗戦。GAME2は互いに戦い方を変えてセットを取り合うシーソーゲームに持ち込んだが、セットカウント2-3(20-25、25-17、21-25、25-21、10-15)で競り負けた。開幕2連勝からの2連敗。ただ、敗れたゲームの中でも修正と対応力を示し、チーム全員で戦う力は出した。第2節を振り返る。

文:大枝 史

GAME1はサーブで苦しむ
サーブ効果率に大きな開き

サーブが入らなかったから負けた。そう断じるのはいたって容易だ。正しくは“効果的な”サーブが入らなかったから負けた、だろう。

キャプテンのアウトサイドヒッター(OH)工藤有史は「ミスも多かったが、それぞれが強い気持ちを持って打ち切れていなかった。相手にとって脅威ではなかったと思う」とGAME1を振り返る。

リスクを負ったサーブを放っても、東レアローズ静岡の組織的なディフェンスで対応された。ジャンプサーバーがトスを高く上げた時に、リベロ(L)藤中颯志とOHスカイラー・ヴァルガがポジションを入れ替えてサーブを受ける。

藤中がOH楠本岳と2人で守備範囲を広く取った結果、本来サーブを集めたいヴァルガにはGAME1を通して7本しか受けさせることができなかった。

サーブで攻め続けた結果、サーブミスは28本。サービスエースは3本に留まり、効果率は2.5%だった。

トーマス・ラーナーヘッドコーチは「東レ静岡がやることを変えてくるのは分かっていた。自分たちもちゃんと準備をしてきたが、細かい部分において向こうが上回った」と振り返る。

一方で、東レ静岡はサーブが走り、サービスエース8本。効果率は15.6%の数字を出した。特にオポジット(OP)ガブリエル・ガルシアはサービスエースを3本記録。実際に受けた工藤は「あんなに強烈なサーブはニミル(・アブデルアジズ/Ziraat Bankkart)選手以来だった」と口にする。


シーソーゲームのGAME2
最後まで戦い抜くも届かず

GAME2も第1セットはサーブが振るわずにセットを落とす。第2セットはセッター(S)赤星伸城のサーブから4連続ブレイクで12-6と序盤にリードを作り、そのままサイドアウトを重ねて25-17でセットを取る。

第2セット途中から選手交代で変化を加えてきた東レ静岡が第3セットを奪うと、第4セットはトライデンツも選手交代でチームの活性化を図る。OP酒井秀輔、OH藤原奨太、S伊藤洸貴の3人がコートで持ち味を発揮し、得点を量産。第4セットを取ってフルセットに持ち込んだ。

第5セットは9-6と途中まではリードするも、そこからミスや被ブロックが重なって6連続ブレイクを許す。最終的に10-15で敗戦となった。

2連続でブロックされたOHザカリー・ラマは「セットの終盤に、自分が結果を出せなかった」と肩を落とす。しかし両チーム通じて最多40本のアタックを打ち、チームを牽引し続けた存在であることは疑いようがない。

紙一重での敗戦となったが、指揮官は「すごく大事な場面で1、2本ミスが出てしまったが、これも経験になっていく。戦術面でも感情面でも激しい攻防のある試合ができて良かった」と前向きに受け止める。その言葉通り、ポジティブな要素はいくつもあった。

各々の判断で修正と対応
チーム全員で戦う強みも証明

GAME2の第1セットはサーブミスも9本と多く、サーブ効果率は実に-4.7%という数字を残した。

しかし第2セット以降は修正してバリエーションを加え、第4セットではラマとMBマックレヴィンディアリス平がフローターサーブも織り交ぜた。

GAME2全体ではサーブミス19本と、GAME1の28本から大幅に減少した。

一方でMB安部翔大は強打のジャンプサーブとショートサーブで相手のサーブレシーブを乱し、ブレイクにつなげた。

これらのサーブについて指揮官は「選手側から『ここでフローターサーブを打ちたい』と提案があり、それに対してコーチ陣が『いい考えだ』と応じる場面があった」と明かす。ハイブリッドサーブを打つ赤星や伊藤のサーブからブレイクを重ねていたことも、選手の判断材料になったかもしれない。

「選手たちが責任を持って判断する場面を増やしていくことで、遂行力が高まっていくことを期待している」と指揮官は続ける。

指示ではなく、自らが「フローターサーブを打つ」と決めれば、そこには責任と覚悟が生まれる。

GAME2ではL松尾敬介がサーブレシーブ時にラマとポジションを入れ替えて対応する場面もあったし、第4セットのスタートから出場した酒井、藤原、伊藤の3選手は、はつらつとしたプレーでチームに活気をもたらした。全員が勝つための最善策を考え、準備をしている。

マックレヴィンは「選手が違えば強みも違ってくることを、たくさんのファンの皆さんの前で見せられたと思う。それぞれが持っている力をいいタイミングで出していけたら」と話す。

指揮官も「それぞれに異なる強みや課題があり、役割がある。自分たちはベンチも含めてすごく層が厚く、絆の深いチーム」と力を込める。

GAME1では思うようなゲーム運びができずに敗れても、GAME2では修正して肉薄した。チーム一丸となって戦う姿も見せた。

あとは選んだ歩みの正しさを、結果で証明するだけだ。


SVリーグ第2節 東レアローズ静岡戦 試合情報
https://sm-tridents.jp/match/2026-27-sv-div2-1
https://sm-tridents.jp/match/2026-27-sv-div2-2
クラブ公式サイト
https://sm-tridents.jp/
SVリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/team/matsumototd/

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