ベースボールシャツ3,000着配布 紅一色のホワイトリングで“絶対王者”撃破へ

紅一色のホワイトリングで、歴史の1ページを刻みにいく。ボアルース長野は2025年11月23日、F1リーグ第18節でホームに名古屋オーシャンズを迎える。当日は大型集客企画として、ベースボールシャツ3,000着を配布予定。リーグ最多優勝の“絶対王者”名古屋オーシャンズを前に、地の利を最大化して初勝利を狙う。

文:田中 紘夢/編集:大枝 令

収容5,000人の過半数占めへ
ベースボールシャツに込める思い

2019年8月25日。F1リーグ初参入となったボアルース長野は、3,000人チャレンジと題してホワイトリングを赤く染めた。2,028人と目標には及ばなかったが、ホームゲーム最多入場者数を記録し、F1で初の勝ち点も手にした。

ホワイトリングの収容人数は5,000人。今度はその過半数を超えようと、クラブ初の取り組みを企画した。

11月23日のF1第18節で、先着3,000名にベースボールシャツを配布。ユニフォームと同じ赤と黒のストライプがあしらわれたデザインで、地の利を最大化する狙いだ。

今季はホームゲーム11試合のうち、8試合を3,000人収容のことぶきアリーナ千曲で開催。残り3試合は5,000人収容のホワイトリングで行い、本企画はその最終戦にあたる。会場や製作スケジュールを加味した上で、夏場からこの日をターゲットに据えてきた。

第16節終了時点での平均動員数は941人。F2に所属していた昨季の914人と大きく変わらないが、「肌感覚で言えば会場の雰囲気は盛り上がってきている」と櫻井勇介統括本部長は話す。

第12節のバサジィ大分戦では、ホワイトリングに1,134人が集結した。長野市ホームタウンデーの一環として、先着600人に「絶対勝つぞ!」タオルを配布し、文字通りに4-3と勝利。1-3の状況から残り5秒でひっくり返す大逆転劇となった。

「会場の盛り上がりがすごかった。何度も同じ景色を見たいと思ったし、そのために僕らがもっと頑張らないといけない」

キャプテンの三笠貴史が目に焼きつけた光景が、再びホワイトリングに帰ってくるのだ。

歴代最強のボアルースを構築
満を持して“絶対王者”撃破へ

県内プロスポーツクラブの先行事例も参考にしながら、ベースボールシャツの配布を企画。地域活性化やスポーツ振興を目的としつつ、櫻井統括本部長は青写真を描いている。

「今年のチームはガリンシャが来て、セット間の質も上がってきた。その中で3,000人の後押しを受けて、絶対王者に勝つというシナリオがある」

相手はリーグ最多16度の優勝を誇る名古屋オーシャンズ。通算対戦成績は10戦全敗だが、うち5試合は1点差だ。

今季はクラブ初の助っ人外国人であるガリンシャも加わり、“歴代最強のボアルース”と呼んでも過言ではない。クラブOBの櫻井統括本部長が「勝ちにいく段階がきた」と言うように、満を持して“絶対王者”に挑む構えだ。

「名古屋は残留を争う相手ではない。そういう意味ではある程度割り切って、自分たちが大事にしている守備からチャレンジして戦える。クラブとしても集客に力を入れている中で、必ず勝ちたいという思いはある」

山蔦監督のみならず、エースの上林快人も力を込める。

「上位相手には割り切って戦えるぶん、より良い試合ができたりする。技術だったり戦術の前に気迫で勝ることができれば、勝つチャンスもあると思う」

開幕戦では名古屋のホームに乗り込み、1-2と接戦を演じた。過去未勝利とはいえ、苦手意識はない。

“ファンタスティック快人”
ホワイトリングで2戦4発と躍動

チームの雰囲気も上々だ。

前節はアウェイでボルクバレット北九州に3-2と勝利。第1ピリオドに2失点を許したものの、終盤のパワープレー3発でどんでん返しを演じた。

ホワイトリングでの大分戦を彷彿とさせる大逆転劇で、今季3勝目。依然として最下位(12位)で降格圏に沈んでいるが、9位までの勝ち点は1試合差に詰まっている。

古巣・北九州相手に決勝点を挙げたのは、エースの上林だった。大分戦でも逆転弾を決めた“ファンタスティック快人”。ここまでチームトップの9ゴールで、2桁得点の大台に迫っている。

9ゴールのうち4発はホワイトリングで沈めたもの。チームとしても2戦2勝のホームについて、「すごく良いイメージを持っている」と微笑む。

「ホワイトリングは大きな会場で、スタンドから少し距離もあるけど、盛り上がったときにはすごく一体感を感じる。そこに3,000人のお客さんが入れば、大きなアドバンテージが生まれると思う」

とはいえ、「その雰囲気を作るのは自分たち」。今週末の15日には、ことぶきアリーナ千曲で1カ月半ぶりのホームゲームを迎える。7位のシュライカー大阪に勝利し、今季初の連勝をもって名古屋に挑むのがベストシナリオだ。

「まずはホーム2連戦の初戦で勝つことが一番。そうなれば名古屋に対しても自信を持って臨めるし、次の(Y.S.C.C.)横浜との直結対決にも繋がってくると思う」

山蔦監督の言葉どおり、あくまで「一戦必勝」のスタンスに変わりはない。ホーム2連戦で地の利を最大限に生かし、紅に染まったスタンドに歓喜を届ける。


クラブ公式サイト
https://boaluz-nagano.com/
Fリーグ チーム紹介ページ
https://www.fleague.jp/club/nagano/

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