大卒FW清水蒼太朗は陽気なムードメーカー 百年構想リーグ必勝の“縁起物”に

五厘刈りのボウズ頭でクロスに飛び込む、ひときわ目立つストライカーがいる。大学サッカー界の名門・流通経済大からAC長野パルセイロに加わったFW清水蒼太朗だ。その存在感はピッチ内にとどまらず、2026年1月29日に行われた新体制発表会も陽気なキャラクター全開で独壇場とした。2月7日の百年構想リーグ開幕に向けて、新人とは思えないほどチームを盛り立てている。
文:田中 紘夢
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キャプテンも可愛がる“ダルマ”
新体制発表会は「おいしかった」
1月29日、長野市若里市民文化ホールで行われた新体制発表会。約500人のサポーターズクラブ会員を前にしたイベントは、キャプテンの藤川虎太朗の決意表明で締めくくり――と思いきや、「3選手から挨拶があるので…」と続けた。
大卒ルーキーの清水、MF野嶋圭人、MF中田舜貴が表に上がって一発芸を披露。清水の丸刈り頭をサッカーボールに見立て、野嶋と中田がツインシュートを放つ。会場が笑いに包まれてフィナーレを迎えた。
「最初は自己PRのコーナーでやろうと思ったけど、コタくん(藤川)から『やるなら最後のほうが盛り上がるから』と言われた。本当においしかった」

そう頬を緩める清水は、開演からアクセル全開だった。自己PRのコーナーでは、イチローの打席に向かうルーティーンを真似て登壇。「いや、サッカー選手やないかい!」とセルフツッコミを入れる。
ほかにもMF山中麗央にバリカンで髪を刈ってもらったエピソードを話したり、プレゼント抽選会で当選したサポーターに頭を触らせたり――。サービス精神旺盛だ。

「(清水)蒼太朗がいると雰囲気が明るくなるので、すごく助かる」と就任2年目の藤本主税監督。チームマネジメントの一助を担う清水は、先輩に対しても物怖じしない。
指揮官に「良い先輩をつかまえろ」という助言を受け、のちにキャプテンとなる藤川についていった。藤川が善光寺で買っただるまに似ていることから、「ダルマ」の愛称を授かった“縁起物”。必勝祈願には欠かせない。

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「うまくなっている感覚はある」
プレーの幅を広げつつ2ケタ狙う
そんな藤川とロンドで同じグループになったり、2トップを組んだり――。先輩たちの言動から学びを得る中で、成長速度が加速した。まだ始動してから1カ月と日は浅いが、「うまくなっている感覚はめちゃくちゃある」と話す。
「強化部長の西山さん(西山哲平スポーツダイレクター)にも『大学のときよりうまくなっている』と言われた。今までだったらゴール前でセンターバックとだけ勝負していたところが、そこから離れた場所でも少しずつプレーできるようになっている」

J2栃木シティとのトレーニングマッチでは、GKのロングフィードから一発で抜け出してゴールを挙げた。センターバックとの駆け引きに勝つだけでなく、ライン間でボールを引き出して得点に関与。攻撃を活性化させた。
プレシーズンは4試合に出場して3ゴールを記録。「点も取れているし、自信にはなっている」と話しつつ、「満足は全然していない」。今季は2月-5月と短いスパンでの百年構想リーグだが、2ケタゴールを目標に掲げており、加速度的な成長が求められる。

「目の前の試合で点を取ることはもちろんだし、ハーフシーズンで2ケタ取ればFWとして評価されると思う。得点に加えてポストプレーだったり、ボールを引き出すところもうまくなれたら」
背番号はイチローにちなんだ「51」。野球経験のある父から「サッカーを始めるならイチローみたいになれ」と発破をかけられ、小中学校時代も背負っていた。球界のレジェンドの謙虚さを見習いながら、持ち前の明るさも忘れない。

得点力アップに向けて一定の成果
キャンプ地から磐田との開幕戦へ
チームは開幕までに5試合のトレーニングマッチを消化。初戦の岳南Fモスペリオ(東海リーグ1部)戦では無得点に終わるも、その後の4試合で17ゴールを挙げた。リーグ最少得点にあえいだ昨季から戦術をアップデートし、一定の成果が表れている。
3-4-2-1から4-4-2にシステムが変わり、最前線は2トップとなった。「FWがもう一人いることで起点は作りやすくなる」と進昂平。昨季は1トップの進が孤立する場面も多かったが、2トップとなれば常に味方が近くにいる上、相手も的を絞りづらい。

組み合わせも多種多彩だ。新戦力FWの大﨑舜と吉澤柊はラインブレイクに長けており、大﨑は189cmの高さも備える。MF登録の藤川、樋口叶らテクニシャンとのコンビも興味深い。
その中で清水が違いを見せるとすれば、クロスに対する嗅覚と迫力だろう。低弾道のボールに頭から飛び込む姿は、中山雅史を彷彿とさせる。セットプレーの守備のストーンとしても一役買ってくれるはずだ。

チームは2月1日から静岡県東部で2次キャンプ中。開幕からアウェイ2連戦で、キャンプ地からそのまま乗り込む計画だ。しばし長野を離れることになるが、清水は「めちゃくちゃ気合いが入っている。『やってやるぞ』という気持ちしかない」。
まずは7日にジュビロ磐田との開幕戦を迎える。J2とJ3が同一グループで争う百年構想リーグ。いきなり昨季のJ2で5位の強敵と相まみえる。J3で19位に沈んだ昨季から進化の一端を示せるか。

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