上位リーグ争い見据え積極補強 「不退転」のシーズン開幕へ

高みを目指すシーズンが幕を開ける。2026年5月30日に開幕するF1リーグに臨むボアルース長野。F1に復帰した昨季は残留の目標を達成し、今季は上位進出を見据えて複数の即戦力を補強した。「NO GOING BACK 不退転」というスローガンの下、後戻りせずに前へ進み続けるための第一歩へ。挑戦者たちの今季に懸ける思いに迫った。
文:田中 紘夢
KINGDOM パートナー
補強コンセプトは「即戦力」
前キャプテンも競争の渦中へ
昨季は12チーム中11位。降格圏の最下位と同勝ち点だったが、得失点差で上回って辛くも残留をつかんだ。

F1復帰1年目の目標を達成した一方で、キャプテンを務めた三笠貴史は「いろんな基準を見つめ直さないといけない。新しい気持ちで臨まないと、また同じ結果が待っていると思う」と危機感を抱く。
昨季は三笠自身にとっても納得のいくシーズンではなかった。2季連続でキャプテンマークを託されたことに加え、30歳という節目でもあったため常にチームを最優先に考えてきた。しかし、終盤戦は自身のパフォーマンスが上がらずに出番が減少。その経験も踏まえて「主語がチームになっていたところを、もっと自分に目を向けないといけない」と決意を改める。
フィールドプレーヤー最後方のフィクソを担う三笠。今季は同ポジションに適性を持つ選手として、バルドラール浦安から外林綾吾、バサジィ大分から大橋広弥が加わった。いずれも23歳の若き才能であり、三笠は「今までにない競争」が始まったと実感している様子だ。

それはフィクソに限らず、全ポジションに共通して言えることだろう。昨季7得点をマークした稲葉柊斗が昨季2位のしながわシティに移籍して抜けたが、主力の流出は最小限。就任4年目の山蔦一弘監督が「即戦力」と語る補強コンセプトに沿って8人の新戦力を獲得した。
「年齢にかかわらず試合に出て活躍できるだけの選手たちがそろったと思う。逆に言えば、既存の選手たちは今まで通りにチャンスを得られる状況ではない。そうしないとチームは強くならない」

昨季の課題だった若手の底上げも、プレシーズンから明るい兆しがある。
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ドリブルで魅せる“レイマール”
リーダー格としてチームけん引
今オフにはベテランの実力者も加わった。しながわに所属していた31歳の高溝黎磨だ。

バサジィ大分からしながわに移籍した昨季は、ケガにも苦しんで実力を発揮できなかった。わずか1年で契約満了となったことを受けて複数クラブがオファー。「一番ワクワクする選択」と長野への加入を決めた。
「長野はサポーターがすごく熱いクラブで、アウェイで来たときもやりづらさはあった。最初は関東圏で探していたけれど、環境を変えてでもここに来る価値があると思った」
しながわではタレント軍団の中で揉まれた。特に影響を受けたのは平田ネトアントニオマサノリ。高い個人技と「仲間を思う強い気持ち」を持ち合わせた元日本代表の存在は刺激的だった。高溝自身は先頭に立つタイプではなかったが、長野に移籍して「経験を少しでも還元したい」とリーダー格の自覚も芽生えている。

右利きから繰り出すドリブルが魅力の高溝は、サッカーのブラジル代表ネイマールになぞらえて“レイマール”の異名を持つ。山蔦監督も「今まで我々になかったボールを持てる選手。そういう選手に対してどう守るかという意味で、練習から彼がいるのは大きい」と、プレーで魅せる新戦力の価値を見出す。
チームが上位進出を見据える中、個人の力よりもチーム力向上を重視。「自分一人では何もできない」と強調し、チームとして上位陣との差を縮めることに目を向けている。
「このチームは淡々とプレーしている選手が多くて、勝利へのメンタリティや貪欲さが足りない。勝つことは簡単じゃないけれど、『俺らはできる』という根拠のない自信が功を奏すこともある。負け続けてきたチームの“負け癖”は変えていきたい」
ゲームキャプテンは指名制に
「全員が意識を持って」
4月14日に始動したチームは、屋外での走り込みも練習に取り入れてきた。前線からの守備を重んじる上で、「まずは運動量で上回りたい」と山蔦監督。練習試合もあえて過密日程で組むなど、タフな集団を練り上げている。

「メンバーが変わっても、守備から入ることに変わりはない。今は攻撃から主導権を取ることにもチャレンジしているけれど、それがどのくらいで馴染むかは未知数。残留争いから一歩抜け出すには必要な過程だと思う」

F1リーグは全12チームによる2回戦総当たりのレギュラーシーズンを戦い、上位6チームと下位6チームに分かれるファイナルシーズンで順位を争う。復帰2年目の照準は上位リーグ争い。新たなフェーズに向かうためのシーズンだ。
チームキャプテンは定めず、試合ごとにゲームキャプテンを指名する予定。山蔦監督は「誰かがチームを引っ張るんじゃなくて、全員がそういう意識を持たないといけない。状態の良い選手や、その試合に懸けている選手を選んでいきたい」と意図を明かす。

5月30日の開幕戦は昨季4位のバルドラール浦安のホームに乗り込む。今季は元浦安の外林と宇野伊織が加わり、既存の三笠とガリンシャも含めて4人が古巣対決だ。
前キャプテンの三笠は「みんな気持ちが入っていると思う。去年は2試合とも大差をつけられたので、どこまでできるか楽しみ」と力を込める。

浦安は2季前の王者でもある。強豪にチャレンジャーとして挑み、上位リーグ争いへの確かな一歩を踏み出したい。
クラブ公式サイト
https://boaluz-nagano.com/
Fリーグ チーム紹介ページ
https://www.fleague.jp/club/nagano/

















