今季初の連勝で最下位脱出 堅実で泥くさい、ボアルースの“正攻法”

残留に向けて視界が開けた。F1リーグを戦うボアルース長野は2026年11月1日、ホームでの第17節で湘南ベルマーレに2-1と勝利。今季初の連勝で勝ち点を10に伸ばし、同9のエスポラーダ北海道を抜いて最下位を脱出した。硬直した展開の中で2点を先取し、湘南の反撃を1点に抑えて逃げ切り勝ち。ボアルースらしい堅実な戦いぶりで、ことぶきアリーナ千曲を沸かせた。
文:田中 紘夢
KINGDOM パートナー
「自分の居場所は自分で守る」
全敗のことアリで誓った必勝
アウェイでの直近2試合を終え、約1カ月ぶりにホームへ帰ってきた。前節はボルクバレット北九州に4-3で勝利して今季2勝目。山蔦一弘監督はその勢いをホームに持ち帰ることを誓っていた。
「ホームでなかなか勝てていないし、ことぶき(アリーナ千曲)ではまだ勝てていない。良い声援をもらっている中で結果が出ていないので、必ず勝ちたい」

ホームで唯一勝利を挙げたのは、第11節のシュライカー大阪戦。松本市での初の有観客開催だった。
一方で最も開催試合数の多いことぶきアリーナ千曲では、ここまで4戦全敗。収容人数1,650人のアリーナだが、客入りも結果に比例するかのように減少傾向に――。この日も823人と寂しさはあった。
「自分の居場所は自分で守らないといけない。負けてしまうとクビもあるし、『F2に落ちたら…』というのもある」

指揮官が言う「自分の居場所」は、サポーターの居場所でもある。
「アウェイでも『応援してもらっているな』とすごく感じるけれど、結果を出さないとそれも続かない。このままF2に落ちたら、応援に来てくれる人たちにも悲しい思いをさせてしまう」
全員の居場所を守るためにも、勝ち点3だけが必要だった。
KINGDOM パートナー
我慢強く戦って2点を先取
「全員でハードワークできた」
試合は守備を重んじるチーム同士の対戦で、堅い展開となった。先制に成功したのは26分。相手のクリアが前川尚志の目の前にこぼれると、前川が右足でゴールに流し込んだ。

昨季まで3シーズン湘南に在籍していた前川が、古巣相手に恩返し弾を決めた。「自分がいたチームということもあって、絶対に点を取りたいと思っていた」と本人。チーム最多タイに並ぶ6ゴール目で均衡を破った。
34分にもチーム最古参の松永翔が追加点。混戦から抜け出して右足のトーキックで振り抜いた。2得点とも綺麗な形ではなかったが、松永の言葉を借りれば「我慢強く戦った結果」だ。

山蔦監督はこの試合に向けて、「ゴール前の攻防」と「トランジション(切り替え)」をテーマに置いていた。
第1ピリオドから相手の屈強なピヴォ(サッカーのFWに相当)に優位性を保たれたが、「フィクソ(センターバックに相当)がしっかり戦ってくれた」と指揮官。最後はGK西滉太が立ちはだかり、ゴールだけは割らせなかった。
トランジションの局面でも攻守に上回った。ボールを奪えば素早く攻撃に転じ、第2ピリオドの湘南は2回のイエローカードと、5回のファウルをカウント。6つ目以降は相手チームに第2PKが与えられるルールで、その寸前まで追い込んだ。

終盤はパワープレー(GKをフィールドプレーヤーに代えての全員攻撃)を受けるも1失点に抑え、2-1で逃げ切り勝ち。「全員で勝つために、点を取るために、失点しないためにハードワークができた」と、山蔦監督は選手たちの姿勢を称える。
ボアルースらしく、堅実で泥くさい戦いぶりだった。
きつくても、しんどくても…
これぞボアルースの“正攻法”
「きつかった」「しんどかった」
開幕戦以来となるゴールを決めた松永は、試合後に本音を漏らした。シュート数は12対22。堅い展開の中で2点を先取したが、逆に転んでも不思議ではなかっただろう。
F1に復帰した昨季から数えて8勝目となったが、そのうち6試合は1点差だ。国内最高峰の舞台において、簡単に勝てる試合など一つもない。

ただ、置かれた立場を踏まえても、厳しい試合を勝ち切るのが“正攻法”なのかもしれない。
「あれだけ押し込まれたけれど、GKの西も含めてみんなで我慢できた。次に繋がる内容だった」と松永。きつくても、しんどくても、最後まで体を張る――。それがボアルースの勝ち方であり、サポーターが求めている姿でもある。

ことぶきアリーナ千曲で今季初勝利を挙げ、初の連勝で自動降格圏の最下位を脱出した。
「初勝利した松本開催(第11節の大阪戦)もホームはホームだけど、また違った雰囲気だった。ことぶきとホワイトリングでずっと勝ちたいと思っていたので、本当の意味でホームで勝てて嬉しい」
レギュラーシーズンは残り5試合。次節は11月15日、ことぶきアリーナ千曲での今季最終戦を迎える。
「ホームではいつも良い雰囲気で試合ができる。ファン・サポーターの力も借りてさらに勝ちたい」と山蔦監督。4位のバルドラール浦安に対しても臆することなく、ボアルースの正攻法をぶつけるのみだ。
クラブ公式サイト
https://boaluz-nagano.com/
Fリーグ チーム紹介ページ
https://www.fleague.jp/club/nagano/





















