無念さは十分に味わった 目黒愛梨が新天地で表現するのは“勝利への渇望”

ルートインホテルズ信州ブリリアントアリーズにアウトサイドヒッター目黒愛梨が加入した。高校、大学、そして群馬グリーンウイングスで着実に経験を重ね、攻守にわたって安定感のあるプレーを持ち味とする。昨季は群馬で35連敗を味わうなど、「勝利」に渇望している25歳。新天地で成長と貢献を誓う一問一答をお届けする。

文:原田 寛子/編集:大枝 令

2人の姉も現役のSVリーガー
背中を見て育った妹の新たな挑戦

――まずは入団の経緯を教えてください。

群馬グリーンウィングスを退団した後にどのチームで続けられるか探した時、練習試合などでも縁があった信州Ariesと話が進みました。実際に練習を見学したり、成田郁久美監督と話をさせていただきました。

信州Ariesは同じリーグで戦ったことがあるチームです。昨年度の優勝チームということや、私と同じ日本体育大の出身者がいることも心強いと思い、入団を決めました。

――信州Ariesにどんな印象を持っていましたか。

チームの意図だったのかはわかりませんが、静かに淡々と進めていく印象でした。群馬がすごく元気で明るい感じだったので、逆に信州Ariesは落ち着いていました。対戦相手としてはやりにくさがあったと思いますし、ちょっと構えて臨んでいました。

――前チームの群馬にはどのような経緯で入団されましたか。

大学卒業後もバレーを続ける意志がありました。でも自分の身長や出場機会が少なかったことから、続けられるのかという不安も感じていたんです。

そんなタイミングで群馬のトライアウトの用紙を見て、大学の監督に相談しました。ちょうど日体大の知り合いも群馬に進んでいたし、高校時代は練習試合の経験もあります。そんな縁もあってトライアウトを受けました。

――群馬ではどのような3シーズンを過ごされましたか。

入団当初は精神的にも身体的にもスキル面でも、すごく未熟でした。でも、当時チームにいた人たちとの出会いによって、バレーボールに対する姿勢や練習に対する考え方などを学ばせてもらいました。そもそもの根底が培われたと思っています。

心技体はすべて大事ですが、私は中でも心が大事だと思う部分があります。明日の自分に対してのモチベーションやエネルギーを上げていくには、心が元気でなければいけないと思っています。

――目黒選手は3人姉妹で、2人のお姉さんもバレーボール選手ですね。

はい。長女の優佳は大阪マーヴェラスに、次女の安希は埼玉上尾メディックスにいます。私がバレーボールを始めたのも、姉の影響がありました。

最初は競泳をやっていましたが、伸び悩んでいました。家では姉たちの試合などを見に行く機会が多かったので「やっぱりやってみようかな」と思って、小学5年生からバレーボールを始めました。

当然、最初からうまくはできず、家族の前で「明日うまくなりたいんだ」と言いながら練習に通っていました。

チーム競技の面白さを感じたのも、小学生のころです。競泳はリレーとかでなければ基本的に1人の競技です。でもバレーは違う。自分のミスをカバーしてくれることもあれば、逆に人のミスを自分がカバーすることもある。その面白さがありました。

――その後の進学も、ご姉妹の影響がありましたか。

そうですね。地元の中学を卒業して、高校は姉たちが通った郡山女子大付高(福島)へ進学しました。家からも近かったので、自然と選びました。

日体大への進学は、中学生のころに試合を見たことがきっかけです。雰囲気の良さと一生懸命プレーしている姿がかっこよく見えて、素敵だと思いました。「ここでプレーしたい」という憧れのような感じです。

新天地ではOHにコンバート
サーブや速い攻撃に自信持つ

――実際に信州Ariesに入団してみてからの印象はどうですか。

年齢の上下関係なく、いろいろな会話をしていると思いました。堅い上下関係がなく、なんでも話せる明るいチームです。試合の張り詰めた雰囲気しか知らなかったので、実際に入ったらいろんな選手が話しかけてくれてうれしかったです。

チームとしても一人一人も話しやすい。上も下も年齢の離れた選手がいますが、バレーの話だけでなくプライベートの話題もしやすい雰囲気です。

プレーに関しては、選手たちから学ぶべきことがすごくあります。

チームメイトでありライバルでもある関係ですが、互いに教え合って切磋琢磨できる環境です。トライしていることがうまくいかなくても、「何回でもトライしていい」という前向きな言葉が飛び交うのはすごくいいですね。

――信州Ariesではアウトサイドヒッターです。

ゲーム中に託されることが多く、やりがいのあるポジションだと思います。バレーボールを全部楽しめるという感じです。その分体力も集中力も必要です。郁さん(成田監督)も練習中によくおっしゃいますが、ゲーム中盤で体力や集中力が切れないように、普段のトレーニングから意識しています。

――信州Ariesではどんなプレーをしていきたいですか。

今までミドルブロッカーだったので、速い攻撃には少し自信があります。そこを生かしていけるといいです。サーブも得意な方だと思うので、さらに磨きをかけていきたいです。

昨年優勝しているチームだから、勝利の感情をすごく多く味わっていると思います。だけど私は前チームで負けることも多く、誰よりも勝ちの感情が枯渇しています。

どんな方法でもどんなプレーでもどんな言動でも、勝ちに繋がるなら何でもやりたいと思います。リーグ戦は長丁場なので、勝ちに貪欲な気持ちを切らさずにいたいです。

――バレーからは離れますが、前チームではyoutube用のカメラを回したこともあるそうですね。

はい。カメラでチームを撮影して、チームメイトが編集して…ということをやっていました。信州Ariesもyoutubeチャンネルがあるので、機会があったらできたらいいと思います。

――最後に意気込みをお聞かせください。

前チームの退団発表から入団までに、少し時間がありました。バレーボールをしない時期を経て、改めてバレーボールができる環境に感謝しています。そして切磋琢磨し合えるチームメイトと一緒に2連覇という目標を掲げて頑張りたいと思っています。

入団してからバレー教室に参加しましたが、地域の方から「優勝おめでとう。次も頑張って」という言葉をいただきました。

まだ入ったばかりの私にも地域の方からそういった声をかけてもらえることが、頑張れるエネルギーの一つになっています。もっと多くの方に信州Ariesの存在を知ってもらって、地域に応援されるチームになることが私にとっての幸せだと感じました。

そのためにも、ファイナル進出、2連覇という目標に向かって頑張りたいです。リーグ戦が始まるまでの間、一日一日を大切にしていきたいと思います。


チーム公式サイト
https://www.briaristcamp.com/
Vリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/v_women/team/detail/484


たくさんの方に
「いいね」されている記事です!
クリックでいいねを送れます

LINE友だち登録で
新着記事をいち早くチェック!

会員登録して
お気に入りチームをもっと見やすく

人気記事

RANKING

週間アクセス数

月間アクセス数