“がむしゃらの先”に開けた地平 小玉大智が4年目でたどり着いた「正しい努力」

エナジーあふれるハッスルプレーでアリーナを沸かせてきた信州ブレイブウォリアーズの小玉大智が今季、静かに変わり始めている。大声でチームを鼓舞するだけじゃない。ただがむしゃらにフロアに飛び込むだけじゃない。経験を重ねてきた25歳は、「正しい努力」の積み重ね方をつかみつつある。
文:芋川 史貴/編集:大枝 令
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考えて積み重ねる「努力」の手法
小玉のディフェンスを大きく変える
「小さな努力の積み重ね」――。
小玉がいま大切にしている言葉だ。
「大きな目標を立てるだけじゃなくて、大事なのはそれを達成するために重要なことは何か、一つずつ潰していくことだと思っている」

2026年2月27日のライジングゼファー福岡戦で、久しぶりに10分以上のプレータイムを獲得した。第1クォーター(Q)残り2分の場面でテレンス・ウッドベリーを自由にさせないディフェンスを披露し、スティールを記録。その後のポゼッションでは3ポイントシュートを沈めるなど、攻守で存在感を示した。
翌日のGAME2は第1Q残り2分26秒から出場すると、相手のエンドラインからのスローインに良い反応を見せてカット。第2Q残り9分51秒には、トップの位置でスクリーンをかけてフリーになった小玉が3ポイントシュートを成功させた。

両日とも限られた時間ではあったものの、要所での活躍を見せた。
今季の小玉はアキ・チェンバースを理想像とし、「3&D」を目指している。3ポイントシュートに加えて、どのポジションに対してもディフェンスを遂行できるタイプ。実際に例年課題としてきたディフェンスは、シーズン前半から改善が見られていた。
「ディフェンス」と一概に言っても、1対1のディフェンスや、ピック・アンド・ロールに対するディフェンスなどシチュエーションは多種多様。ただゴール下のフィジカルバトルだけでなく、高い位置からでも相手にプレッシャーをかけられる足腰が備わってきた。

その成長の裏には、繁田雅樹ストレングス&コンディショニングコーチ兼パフォーマンスコーディネーターをはじめとするトレーナー陣の下支えはもちろんだが、課題を細かく分解しながら向き合う方法が確かな成長を促している――と小玉は語る。
その象徴が、小玉が最近よく口にする「努力の空回り」という言葉だ。

「試合があるからといって、ただ走るとか、『シューティング100本打つぞ』というのは僕の中で努力の空回り。いくら100%の気持ちでやっていても、努力で言えば1%ぐらいの努力かもしれない」
「例えば5分のシューティングであったとしても、1対1のシチュエーションを作って、高確率で決めることは試合で結果を残す努力。単純作業は意味がない。頭を使って『このシチュエーションだったらこうした方がいい』とたくさんやるから積み重ねていける。だから最近は時間をどううまく使うかを考えている」

それも、経験を積み重ねてきたからこそ至った思考だ。
「失敗を繰り返したり、ムダにした時間があったからこそ、そういうのがあると思った」
KINGDOM パートナー
「3番」の座を自らの手でつかむ
証明する日々はまだ道半ば
今季の序盤戦は平均プレータイムが9分11秒となっていたが、44試合終了時点では11分36秒までプレータイムを伸ばしている。3月8日の岩手ビッグブルズ戦では25分10秒のプレータイムを獲得した。
これまでは外国籍選手が不在の中でプレータイムが長くなる傾向。しかしこの日は外国籍選手が3人ともそろっている中で、マイク・ダウムに次ぐ2番目に長いプレータイムとなった。

栗原ルイスがコンディション不良で不在となっている中、ローテーションの一角を小玉が勝ち取った形だ。勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)は小玉の成長を評価する。
「3番でもプレータイムを得ている状況なので、良いパフォーマンスをしていると思う。ここから(渡邉)飛勇が復帰して、JJ(オブライエン)を3番で使うようになったら、争いが激しくなってくる。今の状況では大智が3番を勝ち取っている」

リーグの公式HPではポジション登録が「4番」と表現されるPF(パワーフォワード)。しかし小玉は「3番」、つまりSF(スモールフォワード)が本来のポジションである――と語っていた。
「JJが4番としてプレーすることがほとんどになってくれば、僕は3番での出場が多くなってくると思う。ある意味自分の本職で試合に出られる。今まで課題として残していた部分が増えてくると思うので、自分との向き合い方を大切にしたい」

“本職”で試合に食い込むために必要なことも理解している。
「テレンスにつくのは慣れてもいた。だけど西川(貴之)選手に対してファウルをしてしまうシーンが何個あったし、狩野(裕介)選手へのディフェンスがもっとできるようにならないと試合に出してもらえない」
「成長はもちろん自分の中で感じつつはあるけれど、まだまだトップクラスにめり込んでいけるぐらいの実力だとはまだ思っていない」

スクリーンに対する避け方や、抜け方、ピック・アンド・ロールディフェンスを遂行するための相手との間合い。一概に「ディフェンスの成長」といっても、内容は多岐にわたる。
来季以降のBプレミアではオンザコートルールの変更に伴い、ハンドラータイプの外国籍もより増加する可能性がある。そうなったとしても、自身の価値を証明し続けなければならない。
それでも小玉は自身の問題を細分化し、一歩ずつ解決していくのだろう。小さな努力を積み重ねた先に、コートに立ち続ける権利を得る。
ホームゲーム情報(3月14日-15日、青森ワッツ戦)
https://www.b-warriors.net/lp/game_20260314_20260315/
Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/club_detail/?TeamID=716&tab=1
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/


















