松本山雅とJA全農長野がパートナー関係強化 “緑”の力で背中押す

J2昇格に向けて背中を押す心強いパートナーが加わった。2026年8月8日にJ3リーグ戦の開幕を迎える松本山雅FC。昨季は空き枠になっていたユニフォームの背中部分のパートナーとして、「JA全農長野」(長野市)と新規契約を結んだ。2010年からプラクティスウエア(練習着)に企業・団体名を掲出するオフィシャルパートナーとして支援してきたJA全農長野は、プラクティスウエアの契約を継続したまま新たにユニフォームのパートナーになることを決め、松本山雅へのサポートを手厚くする。

文:板倉 就五

背中の空欄に「寂しい」の声
共に戦うパートナーの大きさ

「新たな形で一緒に歩んでいけることを心強く思っている」

6月に長野市のJA全農長野県本部で開いた記者会見。松本山雅の小澤修一・代表取締役CROは、安堵した表情で言葉に力を込めた。

会見に同席したJA全農長野の長谷川孝治・県本部長は「サポーターと共に選手の背中を押すコンセプトは変わらない」と強調。「大きな歓喜を分かち合えるように全力で応援していく」と宣言した。

ユニフォームの背中部分に企業・団体名を掲出するパートナーとの契約額は、胸部分に次ぐ大きさとされる。松本山雅は具体的な契約額を公表していないが、クラブ経営に一定の影響を与える大きな存在であることは間違いない。

これまでは長く松本市に本店を置く「長野銀行」と契約を結んできたが、2026年1月1日付で長野市に本店を置く「八十二銀行」と合併して「八十二長野銀行」が誕生したことを受けて契約満了に。今年6月までの百年構想リーグは、背番号上部が空欄のユニフォームで臨まざるを得なかった。

小澤CROは、百年構想リーグの数カ月間が「苦しい状況」だったと本音を漏らす。

クラブの売り上げに「直接ヒットする」という収入面でのマイナスはもちろん、試合会場などで多くのサポーターから「背中が空いているのは寂しい」という声が寄せられたという。

多くの松本山雅サポーターは、選手たちと同じユニフォームを着て試合会場に足を運び、声を枯らして勝利を後押しする。

ユニフォームは、選手と共に戦う象徴であり、誇りでもある。思い思いの背番号をプリントしたり、ホーム用やアウェイ用、フィールドプレーヤー用やGK用などを選んだりと違いはあるが、どのユニフォームにも同じクラブエンブレムとパートナー名が掲げられている。

クラブを支えるパートナーもサポーターの誇りの一部。その一部が欠けてる状況を「寂しい」と指摘するサポーターの声を、クラブは無視するわけにはいかなかった。

地域密着の理念共通
農業分野への相乗効果も

「長野銀行」との契約満了が決まって以降、小澤CROは「(JA全農長野に)いの一番にお願いしに行った。何回もお願いした」と明かす。

JA全農長野とは、15年以上にわたってパートナーとして歩んできた実績がある。

ともに地域密着が理念の根幹にあり、「スマイル山雅農業プロジェクト」として遊休農地などでの青大豆「あやみどり」栽培などに取り組むクラブは、農業分野での活動にも力を入れている。両者には高い親和性があることも新規契約を後押しした。

「松本山雅は地域密着のクラブであり、全国を代表するチームでもある。農業も地域産業。(支援拡大によって)県全体に及ぼす効果も大きい」と長谷川県本部長。加えて「若い農業者には松本山雅ファンも多い。相乗効果も期待できる」と話す。

「(JA全農長野から)少なくない金額(契約料)を頂戴した。窮地を救ってもらった」と小澤CRO。モデル役としてユニフォーム姿で会見に登場した塩尻市出身のDF樋口大輝は「このユニフォームと一緒に昇格することだけを考えてプレーしたい」と決意を語った。

JA全農長野は、野菜や肉といった農畜産物の提供を通じたクラブ支援も続けている。

今季開幕前に静岡県御殿場市を拠点にトレーニングキャンプに臨んでいたチームに野菜や肉を贈り、選手たちは食堂での食事やバーベキューを通じて信州産の農畜産物を戦うエネルギーに変えた。

これまでもJ2やJ1への昇格の喜びを共有してきた両者が、より強いタッグを組んで高みを目指す道を共に歩んでいく。


松本山雅FCオフィシャルサイト
https://www.yamaga-fc.com/
新規ユニフォームパートナー(背中)契約決定のお知らせ
https://www.yamaga-fc.com/archives/549234

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