“決起集会”は満員御礼 「本当のチーム」で頂点に駆けるシーズンがTIP-OFF

新シーズンの足音が近付いてきた。2025年8月31日、2025-26シーズンのTIP-OFFイベントが長野市芸術館で行われた。クラブ運営会社のNAGANO SPIRIT木戸康行・代表取締役社長、勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)、青野和人チーム本部長による挨拶や、ロスターのお披露目など盛りだくさんの内容。満員御礼1,200人の“決起集会”の様子をお届けする。

文:芋川 史貴/編集:大枝 令

木戸社長は新チームに手応え
勝久HC「本当の意味のチーム」

用意された1,200席は全て満席。
試合当日とはまた違った黄色の期待感が会場内を包みこんでいた。

昨シーズン最後のホームゲームとなった青森ワッツ戦から約4ヶ月半の“ホーム開催”。スタッフ、選手が入場してくる時には大きな歓声が上がり、その大きさは昨季を超えていたようにも感じさせた。

木戸社長の挨拶では開口一番、今季のチームに対しての期待と目標が語られた。

「既にチーム練習も見ているし、クローズドの試合も見ているが、昨シーズンとはだいぶ違う。『どう変わっているのか』を一言で申し上げたいが、それはみなさまに直接会場にお越しいただいてお感じいただきたい」

「社長の私としては昨シーズン同様に目標はB2優勝。そして、その盛り上がりをもとにBプレミアまで一気に駆け進む。一生懸命チーム一丸となって戦うので、今シーズンも熱い応援を引き続きお願いいたします」

勝久HCからは今季のチーム編成に懸けた思いが語られた。

「チームとして戦える。本当の意味のチーム。共通認識を持って常に繋がってプレーできる。自分のためじゃなくてチームのためにプレーできる。こういうチームを作っていきたかった」

「そのためにはまず、素晴らしい人間性を持った選手たちを集めることがとても大事。チームでプレーするということは、毎日の練習での積み重ねがとにかく大事。7年間ずっと言ってきた『日々成長』ができるチームを作りたいと思った」

今季のロスターは昨シーズンから5人が入れ替わり、土家大輝、小栗瑛哉、東海林奨の才能を秘めた日本人メンバーが加入。

さらにユーロリーグで活躍したマイク・ダウムや、昨季B3で最多の3ポイントシュートを沈め、ムードメーカーの性格を持つジェーシー・ヒルズマンを補強した。

ユーモアあふれる今季の面々
新加入組も挨拶で“掴みはOK”

このイベントを通して、新加入組のパーソナリティーがにじんだ。

選手一人一人の挨拶。土家と小栗の注目コンビはユーモアを交えつつ、今季の意気込みを語った。

まずは土家。

「今年の夏もたくさん日を吸収して黒くなった。コーチが言ったように自分の役割は前からピックアップして40分間プレッシャーをかけることだと思っている。しっかり準備してB2優勝できるように頑張る」

続いて小栗。

「アキ・チェンバース選手から“アキ”を奪いにきた。信州のブースターさんの前でプレーするのが楽しみ。(元信州の熊谷)航さんからもたくさんの話を聞いてきました」

「(試合で流れるMAN WITH A MISSIONの楽曲)“FLY AGAIN”が大好き。会場で僕が良いプレーをした後に流れるように僕自身も精一杯頑張って、オフコートでもオンコートでも盛り上げたい」

ヒルズマンは日本語で「オス!!!」と挨拶して会場を沸かせたり、ダウムも日本語で「こんにちは。私の名前はマイク・ダウムです」と挨拶すると、ブースターからは温かい拍手が送られた。

2年目で昨季よりも注目を集めている渡邉飛勇は「今年は本当に楽しみ。すごく良いメンバーが集まって。一番ベストな信州バスケットを作りましょう!」と笑顔で挨拶した。

挨拶の間やミニゲームの間にも選手同士が笑顔で会話したり、いじりあったりするような姿も見られ、新チームの雰囲気の良さがうかがえた。

マーシャルも合流して本格始動
練習にポジティブな雰囲気が充満

このイベントの当日には大黒柱のウェイン・マーシャルも加わり、いよいよ全体でのチーム練習がスタートした。9月2日に行われた練習を取材すると、TIP-OFFイベントでコーチや選手たちが語っていた意味が理解できた。

練習では選手も練習生も関係なく常に声が響きわたる。良いプレーがあれば拍手で盛り上げる。ミスが起これば本人は悔しがり、周りは鼓舞をしていた。

「戦術」という視点から見れば、まだまだ歩み出したばかりかもしれない。ただ、全ての土台となるメンタルやエナジーの部分はチームとして強固になった印象を受ける。

練習後にはそれぞれワークアウトで汗を流し、一番最後にはスタッフも交ざってハーフラインからのシュート対決も繰り広げられていた。

オンコートではほどよい緊張感と競争心を持ち、オフコートでは仲の良さが見えた。TIP-OFFイベントで感じさせた期待感も、実際の練習を見ることでより大きく膨らんだ。

この選手たちの試合が観られるのは間もなくだ。9月13日に安曇野市ANCアリーナで行われるプレシーズンを皮切りに、いよいよシーズンが開幕へのフェーズとなる。

もちろん全てが簡単にいくシーズンは存在しない。

それでもこのチームならそれすらも乗り越えて、大きく成長ができるはずだ。

イベントの最後には選手たちとブースターとのハイタッチも行われた。ブースターはそれぞれ、言葉や手に思いを込めて、昨季の悔しさや、今季への思いを選手に託す。選手たちも笑顔でそれに応えていた。

Bプレミア前最後のシーズンの開幕まであと1カ月。

日々成長を積み重ね、今季こそはその先に待つ栄冠をつかみ取りたい。


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