歴代最多1,028人が後押し 桜色の王者がレギュラーシーズン集大成の快勝

ことぶきアリーナ千曲が桜色に染まった。Vリーグ女子で、すでに優勝が決定済みの信州ブリリアントアリーズ。2026年3月7-8日のホームゲーム・ブレス浜松戦でレギュラーシーズン(RS)を終え、最終戦の8日も3-0とストレート勝ちした。この日アリーナに訪れたのはチーム歴代最多の1,028人。大勢の後押しを受けてシーズン通算27勝1敗でフィニッシュし、2連覇が懸かるプレーオフに乗り込む。
文:大枝 令
KINGDOM パートナー
桜色に染まった千曲のアリーナ
「応援の力」を感じながら躍動
「ことアリ」に桜色の熱気が充満した。
レギュラーシーズン(RS)最終戦のこの日、会場にはファンが大勢駆けつけた。桜色のスティックバルーンを打ち鳴らし、チームを力強く後押し。信州ブレイブウォリアーズでおなじみのアリーナMC・三井順さんが場内を盛り上げ、1,000人超の熱視線がコートに降り注ぐ。

「三井さんのMCもすごく上手で盛り上げていただいた。本当に、『応援に力をもらうってこういうことなんだ』と実感した」
キャプテンでリベロ(L)の高野夏輝は目を輝かせた。在籍中、ホームでRS最終戦を迎えるのは初めて。しかも信州Ariesのホームゲームで歴代最多となる1,000人超えの観客数だ。

すでにRS優勝は決まっていたものの、それは全力を出さなくていい理由には全くならない。在籍3年目のアウトサイドヒッター(OH)舛田紗淑も「このチームに来て初めての1,000人超えの雰囲気で、きっちりストレートで勝てた。チームとしてすごく大きなこと」と感慨深げに振り返る。

「皆さんの応援の力がすごく私たちの力になって、苦しい展開だった試合でも勝つことができた。応援の力は最高だと思った」
ヒーローインタビューでそう語ったのはOH田中瑠奈。同じくヒーローに選ばれたセッター(S)横田実穂も「1,000人を超える応援の皆さんのおかげで、最後まで力を出し切ることができた」と応じた。

会場の雰囲気に後押しされるように、桜色の選手たちは次々と得点を重ねる。サーブレシーブはシーズン平均(59.5%)を大きく上回る67.5%。安定してパスを返し、優位に試合を運ぶ。ラリーになってもL佐藤未羽のディグが冴えるなど、粘って拾ってモノにしていく。

25-13、25-20、25-18。フルセットにもつれた前日の反省も踏まえ、昨季プレーオフ決勝を戦ったブレス浜松にストレート勝ち。27勝1敗の圧倒的な成績でレギュラーシーズンを締めくくった。
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「今季一番」の戦略がハマる
やるべきタスクを全員が遂行
「今季一番と言っていいぐらい、しっかりと戦略がハマった試合だと思う」
試合後の記者会見で、成田郁久美監督は手応えを口にした。
初代王者として迎えた今季、総じて相手チームは徹底した対策を講じてきた。得意だったコースは決まらなくなり、とりわけ後半戦は思うようなバレーができない試合が続いていた。

「うちに対してはディグのシステムをしっかり固めて、とにかくアタックの決定率を下げてようとする戦略を取ってくるチームが多い」と成田監督。「個人個人のアタックの特徴に合わせたディグフォーメーションをけっこう使われていた」と分析する。
だが、この日は違った。
「相手がどういうメンバーで来るか、どういう作戦で来るか――という予測をスタッフの方で立てて、試合に入る前にフォーメーションを崩していくためのポイントを明確にした」

決まらなくても、相手のセッターに1本目を取らせる。相手をハイボールの状況に追い込み、自分たちが有利になるよう試合を運ぶ。最後まで相手を観察しながら、与えられたタスクをきっちり遂行した。
「本当に今季一番ぐらい、しっかりとやるべきことを全員がやれた」と、指揮官が繰り返すほどの集大成。レギュラーシーズン最後を飾るにふさわしい快勝だった。

熊本の1敗で気づいた課題
連覇へ、向き合い乗り越える
27勝1敗。2位のJAぎふリオレーナ(22勝6敗)を大きく突き放してのRS優勝だ。しかし選手の口からは、その「1敗」の話が出てきた。
「やっぱり一番大きかったきっかけは、(フォレストリーヴス)熊本戦でフルセットで負けてしまった時」
舛田がそう切り出した。

勝ち続けていた中での敗北。チーム内には、勝っていたからこそ流していた不満や課題が噴出したという。指揮官も「ちょっとギスギスした部分が出た」と認める。
「それは逆に言うと、勝っていたからこそ流してしまっていた自分たちの悪いところに気づくきっかけにもなった。そこに向き合うことで、もう一回自分たちが強くなるんだ――という捉え方でここまで来られた」
さらに、舛田が続ける。
「負けてよかったわけではないけれど、ただ負けたという結果じゃなくて、それをしっかり受け止めて次に繋がった。それが今年の強さだと思う」

連覇が懸かるプレーオフへの課題も明確だ。
成田監督は「うちが苦戦するときは、強打よりもフェイントや軟打。フロントゾーンにボールを落とされるとバタバタしてしまう」と指摘。開幕から続く弱点の修正に取り組む。

「私たちと一緒に戦っていただければ」
プレーオフを見据え、キャプテン高野はファンに呼びかけた。RS上位4チームによるプレーオフは3月28-29日、静岡県沼津市で開催される。
すべての経験を力に変えて、たくましさを増したチーム。勢力を強めた桜前線は南下し、満開の時を迎えようとしている。

チーム公式サイト
https://www.briaristcamp.com/
Vリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/v_women/team/detail/484
















