開幕まで1カ月と1週間 見えてきた松本山雅の現在地は

J3松本山雅FCが、静岡県御殿場市を拠点を臨むキャンプで強化を本格化させている。キャンプ3日目となった2026年7月1日を含め、全体練習に取り組んだ日数は始動日から数えて7日間。9人の新戦力を迎えたことを踏まえれば、チームづくりは緒に就いたばかりと言える。しかし、石﨑信弘監督は「のんびりしていられない」と迫るシーズンを見据える。8月8日と発表された開幕戦まで1カ月と1週間。対外試合はもちろん、紅白戦すら一度もしていない段階だが、主力を担うことになりそうな顔ぶれがチームの輪郭を形成し始めている。
文:板倉 就五
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急ピッチで進むチームづくり
浮かんだ主力候補の顔ぶれは
今季初めての2部練習を敢行した7月1日。この日最後の練習は、ハーフコートを使って守備戦術を浸透させる実戦形式のメニューだった。

8人の攻撃側に対し、守備側は9人のフィールドプレーヤーとGKを配置。FWを2人から1人に減らしたことを除き、石﨑信弘監督が百年構想リーグでベースにした3バックの布陣と同じだ。
名前を呼ばれた9人が、ビブスを着て守備側のポジションに散った。

その全容を詳らかにすることは避け、注目した何人かについて言及したい。
3バックの中央にはJ2湘南ベルマーレから完全移籍加入したDF蓑田広大が入った。ワントップの位置には、J1サンフレッチェ広島からの期限付き移籍期間を延長したFW井上愛簾。そして、MF深澤佑太が湘南に移籍して抜けたアンカーは、松本山雅U-18出身のMF松村厳が選ばれた。

攻防を繰り返す練習では、途中で石﨑監督の指示によって何回も選手が入れ替わった。
井上はMF金子翔太やFW田中想来と交代したし、松村のポジションにはMF力安祥伍やMF渋谷諒太も入った。
ただ、実戦形式の練習で最初の配置が示す意味は小さくない。実際、蓑田と井上、松村の3人は、これまでの練習でも存在感は大きかった。
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経験、若さ、成長
存在感増す3人の注目株
蓑田は、当時J3のヴァンラーレ八戸で石﨑監督から指導を受けた経験がある。

石﨑監督のスタイルや求められる役割を熟知しており、「イシさん(石﨑監督)が求めていることを選手同士で共有することが重要。イシさんのサッカーをかみ砕きながら自分たちの色を出す。そういう作業が必要だと思う」と力を込める。
対人能力が高く、リーダーシップもある。守備の安定を重視する石﨑監督が今季に向けたチームをつくる上で、蓑田が重要なピースになることは間違いない。

井上は昨季の百年構想リーグでプレーオフラウンドを含めて19試合に出場。しかし、先発は6試合のみで多くは途中出場だった。

その理由は「途中から入ってすぐに仕事ができるから」と石﨑監督。力が足りないから先発起用を見送られていたわけではない。
昨季も攻撃から守備への切り替えの速さや前線での献身性には光るものがあった。今季は始動日からがむしゃらにアピールする姿勢が際立っている。
「ギラギラしたプレー、若さを生かしたプレーは今のうちにしかできない。中心選手としてチームを引っ張りたい。自身を持ってシーズンに入りたい」と闘志を隠さない。

昨季の松村は、プレーに波があった。

相手ボールを二度、三度と追いかける守備の連続性やゴール前に入っていく推進力といった持ち味を発揮する試合があったかと思えば、プレスの強度を上げられなかったり、逆に味方との連係を欠いてスペースを空けてしまったりする場面もあった。
ただ、「(松村は)アンカーに入った試合は悪くなかった」と石﨑監督。選手を辛口で表現することが多い指揮官から評価の言葉が出るということは、期待の裏返しと言えるだろう。

続く激しいチーム内競争
その目で見る魅力を存分に
チームは動き出したばかり。現時点での序列などあってないようなものだろうし、あったとしても日々刻々と変化するはずだ。
変化するようなチーム内競争が起きなければ、長いシーズンを戦い抜くだけの総合力は望めない。

石﨑監督は昨季、開幕からの2試合を見て、その後の選手起用の方針を固めた――と明かす。競争は開幕直前まで、そして開幕後も続いていく。
7月4日には今季初めてとなる対外試合が組まれており、キャンプ地でJFLのヴィアティン三重との練習試合に臨む。
7月25日にはサンプロ アルウィンでJ2ヴァンフォーレ甲府とのプレシーズンマッチが行われることに加え、開幕までに複数の練習試合を組んで試合勘を養いながら選手間競争を促していく方針だ。

7月10日まで続くキャンプやヴィアティン三重との練習試合は公開で行われる。松本での練習も大半を公開し、ファンやサポーターの前で日常の鍛錬を積んでいる。
主力の座をうかがうまでになった選手の成長、負けじと懸命に走る若手の姿、J2昇格の目標に向かって団結していくチーム――。
それぞれの目で見て、それぞれの物差しで分析して、それぞれの感性で応援する。そんな楽しみ方ができることも、ホームタウンに松本山雅がある魅力の一つではないだろうか。
松本山雅FCオフィシャルサイト
https://www.yamaga-fc.com/
夏季キャンプスケジュールについて
https://www.yamaga-fc.com/archives/544710














