“バレー王国・長野”を味わうシーズン SVリーグに県ゆかりの選手も

バレーボールのSVリーグが開幕し、男女とも日本各地で熱戦が繰り広げられている。県勢はVC長野トライデンツが参戦し、4試合を終えて1勝3敗。スター集団の他チームに食い下がる健闘を見せている。一方、長野県はバレーボール選手を多く輩出する地でもあり、他チームを含めると出身者・ゆかりの選手などが多く在籍する。そうした面々を国内最高峰の舞台で迎えるのも、醍醐味の一つと言えるだろう。

文:大枝 令

県内出身者&県内高校出身者も
国内最高峰のステージで“凱旋”へ

SVリーグ男子の10チームのうち、長野県出身者は4人。43歳のミドルブロッカー(MB)松本慶彦(長野市出身)とオポジット(OP)上村琉之介(伊那市出身)がともに日本製鉄堺ブレイザーズに所属しており、10月19-20日の第2節に帯同した。

このほかヴォレアス北海道にセッター山岸隼(長野市出身)、ウルフドッグス名古屋にはMB傳田亮太(長野市出身)が在籍。松本と傳田のMB2人は日本代表経験も持つ実力派のベテランだ。次節のVC長野は11月2-3日にホームゲームがあり、傳田のWD名古屋を迎える。

さらに、県内屈指の強豪・松本国際(旧創造学園)高でプレーした県外出身者まで広げると、日本代表MBエバデダン・ラリー(大阪ブルテオン)とリベロ武田大周(東レアローズ静岡)がいる。

そしてVC長野に在籍歴のある選手はさらに多い。

池田幸太(ヴォレアス)、戸嵜嵩大(東京グレートベアーズ)、中村竜輔(東レ)、河東祐大(ジェイテクトSTINGS愛知)、ヌルムルキ・リヴァン(WD名古屋)、下川諒(サントリーサンバーズ大阪)、三輪大将(広島サンダーズ)。再会を楽しみにしているファンも多いだろう。

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故郷の「17」を背負う上村琉之介
1日目の第2セットでサーブさえる

出身選手やゆかりの選手にとって長野県での試合は、やはり普段よりもプラスアルファのエネルギーが宿りやすい。例えば、すでに第2節で迎えた日鉄堺BZの上村。伊那市出身で、伊那中から山梨・日本航空高と東京学芸大を経て今季からプレーしている。

鮮烈な輝きを放ったのは第1日の第2セット。ピンチサーバーとして出場した場面だ。長野県出身だから表現にゲタをはかせているのではなく、文字通り試合の流れを一変させた。北島武監督も「今日は上村に助けられた。自分の役割を認識した上で、本当にいい仕事をしてくれている」とうなずいた。

VC長野がリードを吐き出して迎えた18-18の局面で登場すると、「競った場面で出させてもらったからには、しっかりと攻めて得点に繋げられるように…と思ってサーブを打った」。高精度のサーブでVC長野のレセプションを狂わせ続け、4本のサービスエースを含む8連続得点でこのセットを奪った。

「サーブは元々苦手で、入団してからめちゃくちゃ練習した。フィーリングが良かったので、そのまま自分の持っているものを出せば良い結果が出ると思った。2本目からはどんどん自由に打って乗っていけた」

そもそも背番号17は、出身地の「伊那(17)」からとった。県内での公式戦は伊那中時代以来8年ぶりで「ふるさとの長野県でこうやって17番を背負ってプレーしているところをたくさんの方々に見てもらえてよかった」と、初々しい笑みを浮かべた。

VC長野にとって、勝機をするりと逃した局面。チームは1週間後のWD名古屋戦に向けてトレーニングを積んでおり、サーブターゲットとなっていた工藤有史は「全く勝てない相手ではなかったので、より悔しさが残った。来週末にベストなコンディションで臨めるように準備したい」と挽回を誓う。

Vリーグの男子・長野ガロンズと女子・信州ブリリアントアリーズ、その対戦相手も含めると、県内ゆかりの選手はさらに多い。10月26-27日は信州のシーズンが開幕となり、上田市自然運動公園総合体育館で東京サンビームズ戦が行われる。

故郷での声援を力に変えての好パフォーマンスは、今シーズンもいっそう見どころの一つとなるかもしれない。


SVリーグ第3節 ウルフドッグス名古屋戦 試合情報
https://vcnagano.jp/match/2024-2025-sv-div2-1
クラブ公式サイト
https://vcnagano.jp/
Vリーグ女子・信州ブリリアントアリーズ
https://www.route-inn.co.jp/volleyball/
Vリーグ男子・長野ガロンズ
https://garons.jp/

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