勝久マイケルHC 信州を「自分のベビーのように大事に感じている」

就任7年目のシーズンが終わった。2025年5月19日、B2プレーオフ3位決定戦GAME3を制した試合後の会見。信州ブレイブウォリアーズの勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)がシーズンを振り返りながら、長年指揮を執ってきたチームに対しての思いを口にした。深い愛情が根底にあるとしながらも、長期政権に伴う難しさも吐露。今後の動向に注目が集まる。

取材:芋川 史貴/編集:大枝 令

試行錯誤とアップダウンの中で
貫いた「日々成長」のスタンス

――アップダウンがあったシーズンで全68試合を戦い終えました。振り返っていただけますか?

いろんなドラマがありました。

その一つ一つの話は今ちょっと違うかなと思うんですけど、例えば優勝した(2018-19)シーズンと比べると、あの年はほぼシーズン中に何か状況が変わるとかがなく、トレーニングキャンプで設定したプランと方向に成長一直線でずっと行けて、最後はああいう形までチームが成長できました。

例えばそれと比べると、今シーズンはいろんな状況の変化がありました。

新しいチームでもあり、「この人はこうなんだ、ああなんだ」「もっとこうしないといけない、ああしないといけない」というラインナップのやりくりだったり、ケガでのいろんな変化でのやりくりだったり、いろんな状況の中でアジャストし続けたり――。

新しい状況にまたこういう方向で積み上げ、ああいう方向で積み上げ……いろんな方向転換もありました。

ドラマもあり、今話したようなこともありの中で、それでも選手たちはどういう状況でも成長し続けようと頑張ろうとやってきました。今日(の3位決定戦GAME3)がそれを象徴しているものでした。

在任7年間は自身としても最長
長期政権に伴う難しさにも直面

――来季のウォリアーズに勝久マイケルHCがいてくれるのかどうか。チームへの思いも含めて聞かせてください。

どうなるんでしょうね(笑)。

この2年間は本当につらかったので、いろんな思いがありました。けれど就任してから大事に作り上げようとしてきて、ずっと(チームに対して)自分のベビーかのように大事に大事に感じていて、奥底にそれはまだあります。

けれど、一つのチームにこの長さ(7シーズン)でいるのは自分としては初めてです。まだまだ若いキャリアではあるので当然かもしれないですけど初めてで、長い間チームを見るといろんな変化があります。

(選手の)引退だったり選手の入れ替えだったり、会社もそう。一直線で成長したいものですけど、いろんな変化があります。

人が替わるイコール、いろんなことが変わる。この難しさを経験してきました。でもつらい時の先には、まだいいものがきっとあるんだろうとは思います。

そういうチームへの愛、このチームを応援してくれる人たち、本当にチームを大好きな人たちがたくさんいます。昔からそういう人たちに挨拶するたび、何か言われるたびに、「この人たちのために頑張りたい」「いいチームを作りたい」という思いがあります。

(在籍年数が)長いので、そしていろんなことがあったので、いろんなアップダウンがあったので、複雑な思いもあれば、いろんな本当に思いがあります。

今だけで十分には語れないですけど、結局は一言で最終的に言えば、このチームに対して「愛」があります。

「グレートなチームを作りたい」
「同じ思いの選手と働きたい」

――来季もB2での戦いになります。BプレミアのプレシーズンでなおさらB1に注目が集まるであろう中で、どんな姿を見せたいですか。

バスケットボールができます。 それが幸せです。

グレートなチームを、素晴らしいバスケットをするチームを作りたいです。 お互いのためにプレーをして、毎日選手の成長を任される責任ある仕事をできることが“Privilege”(特権・恩恵)です。

もちろん(選手らは)負けず嫌いで、No.1になりたい人たちだから、我々にとっては(B2残留は)悔しいことです。けれど人生はいろいろあって、アップダウンがあって、スポーツのいいところはやり返すチャンスがあって、いつか悔しい思いを晴らす機会は絶対に来ます。

でも「一番大事なのは何か」ということから目が反れないようにすると、

バスケが大好きです。
同じ思いの選手たちと働きたいです。
グレートなチームを作りたいです。

カテゴリーはまた、別の話です。

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