迷って、もがいて、考えて自信に変える 大卒1年目の酒井秀輔が歩む愚直な日々

2026年1月11日、SVリーグ男子第10節の日本製鉄堺ブレイザーズ戦GAME2終盤。オポジット(OP)酒井秀輔が2枚替えで出場すると、第2節ウルフドッグス名古屋戦以来およそ2カ月ぶりとなる得点を決めた。外国籍選手のマシュー・ニーブス、副キャプテンの飯田孝雅とポジション争いを繰り広げる中で、どのような日々を過ごしていたのか――。大卒1年目のルーキーに話を聞いた。
文:大枝 史 /編集:大枝 令
KINGDOM パートナー
「不器用だから数を重ねる」
自分で考え抜いた課題克服
2026年1月11日の第10節日鉄堺BZ戦、第4セット21-22の場面から2枚替えで出場した酒井。21-23の局面で2025年11月2日のWD名古屋戦以来およそ2カ月ぶりとなる得点を決め、喜びを爆発させるようにコートを駆け回った。
第2節WD名古屋戦に出場して以降、試合に絡む機会は多くなかった。それでも悩みながら、歯を食いしばって練習に取り組んできた。

「僕は不器用なので、数を重ねて自分自身に自信を持てるようにしていかないと活躍できないと思う」
SVリーグのコートに立ち、持ち帰った課題に対して試行錯誤を繰り返してきた。天理大時代は主力としてプレーしてきた中で、試合に出られない日々に迷いが出ることもあった。

「今やっていることが正しいことなのか、わからなくなる時期もあった」と明かす。
ベンチメンバーからも外れることも少なくはなかった。それでも、自ら考えることをやめなかった。
「絶対に『聞いた方が早い』と思う時もあったが、自分で考えて出した結果でチームに貢献できる方が自分を信じることができると思った」

試合に出られない期間は自分を思い切って変えられるチャンスと捉えた。WD名古屋戦での成果と課題を「速い攻撃で通用する部分はあった。だけど相手の対応に対してうまく処理できなかった」と挙げる。

その課題に対して、攻撃のバリエーションを増やす取り組みをしてきた。「今は速い攻撃だけではなく中に入る攻撃だったり、奥に打って自分のコース自体を変えようと思って取り組んでいる」という。
KINGDOM パートナー
ハードサーブから緩急へ
自ら考えたサーブの変化
そして現在、フォーカスしているのはサーブだという。
「チームが求めていることを一つ一つやっていくことで、少しずつ見えてくるようになった」と明かす。ハードサーブを思い切り打つよりも、今は狙うコースや緩急を交えて打つサーブへと意識が変わった。練習の6対6では効果的なサーブを何本も入れていた。

それもやはり、自ら考えて導き出した取り組みだった。
「サーブを変えてみて、古田(博幸コーチ)さんから『最近、いい感じだな』と声を掛けていただいた時に、やっていたことは間違ってなかったんだ…と思った」

戦術のあるチームスポーツであっても、最終的には個の力や判断に委ねられる部分も多くある。日頃の練習から思考を止めずに自身で考え抜いて得たからこそ、自信にも繋がる――と、酒井は考える。
第8節の東京GB戦ではリリーフサーバーとして登場したが、左腕から放ったサーブはネットを越えなかった。

「頑張ってきたし、後悔したくないので思い切って行ったが、結果を残せなかったのは自分の弱さ」
「そこで入れられるか入れられないかが、チームとして任せられる選手とそうでない選手の差なのかなと感じた」
すぐに結果に出るものではないかもしれない。プレッシャーもある。それでも、自分ができることを一つずつ遂行することでしか、成長へと繋がらない。

周囲の人々への感謝を支えに
一歩ずつ前へ進む日々
「正直、先が見えなくてどう進んでいったらいいかわからなくて、なかなかバレーボールを純粋に楽しめない時期もあった」
シーズン開幕前はそのパワーでOPマシュー・ニーブスの2番手として活躍を期待されていたが、同じOPの飯田孝雅が結果を残していくうちに立場が逆転した。

「ちゃんと仕事をしているのが孝雅さん。どういう使われ方であっても結果を残しているメンタリティや勝負強さは見習わないといけない」
役割も変わり、思うような活躍ができずに苦しい日々。そんな酒井を支えてきたのは周囲の人々だった。

「今こうやってバレーができているのも自分一人の力じゃない。家族もそうだし、これまで一緒に戦ってくれた学生時代のチームメイト、今のVC長野の仲間がいるからこそ、ここでくさっちゃいけない」
「今までサポートしてくれた人たち、支えてくれている人たちに応えたい思いでやっているのが強い」
周囲の支えに報いるために、どんな状況でも歯を食いしばって前を向く。自分に自信をつけられるように、自主練も含めて愚直に取り組み続ける。

「いつかチャンスが巡ってきた時に、自分のことを信じてコートに立てるようにしていく」
第10節の前にはそんな思いを口にしていた酒井。相手コートに叩きつけた4得点の裏には、さまざまな人の思いも乗っていただろう。

「頑張っていれば誰かが見てくれている…と信じてやるしかない」
これまでも、これからも。地道に一歩ずつ、成長のステップを踏んでいく。

SVリーグ第11節 大阪ブルテオン戦 試合情報
https://vcnagano.jp/match/2025-2026-sv-div11-1
https://vcnagano.jp/match/2025-2026-sv-div11-2
クラブ公式サイト
https://vcnagano.jp/
SVリーグ チーム紹介ページ
https://www.svleague.jp/ja/sv_men/team/detail/461















