大逆転負けが続くボアルース あと一歩が届かない現状の打開策は

2点を勝ち越しても、4点のリードを奪っても、ひっくり返されてしまう――。F1リーグのボアルース長野は、2戦連続で大逆転負けを喫し、開幕6連敗で最下位に沈む。相手をあと一歩のところまで追い詰めても、国内最高峰の舞台は詰めの甘さを見逃してくれない。2026年7月12日には、ことぶきアリーナ千曲でバサジィ大分とのホームゲームに臨む。今季初勝利が遠く、葛藤を抱える選手たちの胸中に迫った。
文:田中 紘夢
KINGDOM パートナー
狙い通りでも最後は逆転負け
パワープレーになすすべなし
サッカーと比べて得点の入りやすいフットサルは、時に残酷だ。

1分間で3失点することもあれば、第2ピリオドの20分間で4点差をひっくり返されることもある。サッカーファンにとっては見慣れない光景だろう。
それらは全てボアルース長野に降りかかった現実だ。

エスポラーダ北海道をホームに迎えた第5節。2-2の同点で迎えた第2ピリオド、ボアルースは外林綾吾と三笠貴史のゴールで4-2とリードを広げた。どちらも最前線に構えるピヴォのガリンシャが起点を作り、最後方のフィクソが飛び出した形だ。
「ガリンシャが収めたところに対してどう絡むか。狙った形で良いゴールが取れた」と山蔦一弘監督。ブラジル出身ピヴォの屈強なフィジカルが生きた。

ただ、ここから“悪夢”が待っていた。
35分に1点を返されると、そこからの1分間でまさかの3失点。2点差を一気にひっくり返されて4-5で敗れた。守備の核を担うベテランの松永翔が負傷交代したことも響き、チームとして平静を保てず、最下位相手に勝ち点を落とした。

アウェイで臨んだペスカドーラ町田との第6節でも悪夢が続いた。
開始1分にCKから米村尚也が先制点。今季初めて先手を取ると、その後も用意してきたセットプレーがさえ渡った。第1ピリオドで4-0と大差をつけ、開幕5連勝の町田を相手に初勝利を手繰り寄せたかに見えた。

しかし、第2ピリオドに5失点。またしても4-5の逆転負けを喫した。ハーフタイム明けからパワープレー(GKをフィールドプレーヤーに代えて5人全員での攻撃)を仕掛けてきた町田に対し、ただただ受け身に回るばかりで、なすすべがなかった。

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替えが利かずに疲労が蓄積
問われるチームの勝ち切る力
町田戦の第1ピリオドは、米村尚也の言葉を借りれば「パーフェクト」だった。全勝中の町田に対し、スカウティングが功を奏して4-0で折り返し。今季初めてのパワープレーを引き出させるまでに追い込んだ。

しかし、町田の強力なパワープレーセットに耐え抜く力は、今のボアルースにはなかった。
山中翔斗、甲斐稜人、毛利元亮、礒貝飛那大、クレパウジ・ヴィニシウスの5人は新旧日本代表の面々。このうち3人は左利きで、右からも左からも強烈なシュートが襲ってくる。

ボアルースの対パワープレーセットは、フィールドプレーヤーを米村、三笠、中村亮太、上林快人の4人で固定。残り4分までは4-3とリードを保ったが、守備力の替えが利かないために疲労が蓄積し、最後は町田の力に押し切られた。

「誰が出てもパワープレーを受けられるようになっていれば、もっと楽に試合を進められた」と米村。GK西滉太は「どのチームも守り続けるのは厳しい。僕も含めてそう感じた選手が発信しないといけなかった」と言葉を振り絞った。
ベンチワークも含めて、できることはなかったか――。チームとして勝ち切る力が問われている。
初先発の西が求める厳しさ
「変えるきっかけになれたら」
2戦連続で4-5の逆転負け。この2試合はスコアと展開だけを見れば共通しているが、内容は全く異なる。
ホームで最下位相手に屈した北海道戦を経て、町田戦はアウェイで上位を追い詰めた。「もう一回チームとして目指すことを話してきた中で、そこは遂行できた。やっていて『負けるチームじゃない』と改めて確信できた」と米村は前を向く。

開幕6連敗のうち5試合は1点差だ。町田戦はリードを守ることもそうだが、相手がパワープレーに出てきている以上、ゴールマウスにGKはいない。パワープレー返しでリードを広げられる可能性も十分にあった。
実際にGK西のパワープレー返しがバーを叩く場面もあった。昨季2位のしながわシティから期限付き移籍で加わった守護神は、連敗中の流れを変えるべく初先発。再三のセーブで気を吐いた一方、チームとして詰めの甘さを痛感した様子だ。

「しながわは練習でパワープレー返しが決まらなかったら、『ちゃんと蹴れよ!』と言われる環境だった。今の長野は悪いわけではないけれど、入らなくても特段何も言われない。そこの厳しさというところで、僕が変えるきっかけになれたら」
しながわでは日本代表歴を持つ黒本ギレルメと上原拓也の壁に阻まれながらも、「2人に勝つためにどうすればいいか」を常に考えてきた。上位チームで味わった厳しさをボアルースにも植え付けるべく、練習から人一倍、声を張り上げている。

西が求める厳しさの行き着く先は、日常を突き詰め、小さいようで大きな差を埋められるかどうか――の一点だ。
次節は7月12日、ことぶきアリーナ千曲でバサジィ大分とのホームゲームに臨む。サポーターの力も借りてあと一歩を踏み出し、待望の今季初勝利をつかみたい。
クラブ公式サイト
https://boaluz-nagano.com/
Fリーグ チーム紹介ページ
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