新生トライデンツが秘める“無限の可能性” 9月20日の東京GB戦を試金石に

3シーズン目のSVリーグを戦う新たな顔ぶれが、公の場に集った。信州松本トライデンツが2026年9月5日、新加入選手・監督の入団記者会見&トークショーを松本市のエーワンオートイワセ(Matsumoto BMW)で開いた。五輪4回出場の元アメリカ代表デイビッド・スミスをはじめ、有力な外国籍選手を引き入れて臨むシーズン。新任のドイツ人指揮官トーマス・ラーナー監督は「できるだけ多くの試合に勝ち、成長していけるようなシーズンにしたい」と意気込みを語った。

文:大枝 令

ドイツから来た39歳の指揮官
ラーナーが説く“可能性”の中身

ラーナー新監督は39歳。ドイツ1部のWWK Volleys Herrsching(ヘルシング)を2022-23シーズンから率い、ドイツ代表のコーチとU23代表監督も務めてきた人物だ。壇上で自ら「ボブと呼んでください」と名乗り、会場の空気を温めた。

チーム作りで最も大事にしていることを問われた指揮官は、淡々と答えた。「バレーボールの側では、特に新しいことはない。去年までと同じ競技をやるだけ」。そのうえで、付け加えることを忘れない。

「私が主に力を注ぐのは、周りの人間を力づけ、成長させること。とりわけ選手の人間性を伸ばすこと。このチームにはその伸びしろが大きい」

「新しい若い選手ばかりで、これから可能性しかないチーム。その若い力と若い熱量をうまく使って、チームを作り上げていきたい」

「可能性しかない」。裏を返せば、実績はこれからだ――という宣言でもある。ただでさえ、トライデンツは例年リーグ下位に甘んじており、「勝者のメンタリティ」は一朝一夕には練り上げられない。

ラーナー監督が自分の持ち味として挙げたのは、派手な戦術論ではなかった。「細かいことにこだわってやっている。そこに自分を注ぎ込んでいる」

思えば日本サッカー界も、源流をたどればドイツ人指導者デットマール・クラマー氏に行き当たる。特有の細やかさや規律、几帳面さなどの気質が、日本人と親和性が高いのかもしれない。

実績十分な41歳の主将・スミス
“全部を分かち合う”と経験を還元

会見では「若い」という言葉が強調されたが、対極の存在も加わっている。ミドルブロッカー(MB)のデイビッド・スミス、41歳。アメリカ代表として五輪に4大会出場した実績十分な選手で、前所属はポーランドのSlepsk Suwalki。チームは工藤有史との2人キャプテン制を敷いており、その一角を担う。

合流から1カ月の手応えを、スミスはこう語った。

「まだお互いを学んでいる段階。ただ、このチームが持っている熱意と若さは素晴らしいと思う。新しい考え方や哲学を導入している最中で、いまは学びの時期。それでも週を追うごとに良くなり、一体感が増しているのは確かに感じている」

自分の持ち味を問われたときの答えが、41歳の立ち位置をよく表していた。

「長くこの競技のそばにいて、世界中でいろいろな選手とプレーし、対戦してきた。だから自分が見てきたものを共有するのが好き。良いことも悪いことも、学んできたすべてを分かち合うことを恐れない」

経験を個人の資産で終わらせず、チームの資産に変換する。そうして結果を出し始めた先に、「勝者のメンタリティ」が練り上げられてくる。

海外を渡り歩いてきた選手は、ほかにもいる。リベロの松尾敬介は30歳。佐賀県出身で、フィンランド、アゼルバイジャンを経て、直近2シーズンはラーナーと同じヘルシングに在籍した。

オポジット(OP)のフィリップ・ジョンもドイツ代表で、同じくヘルシングでラーナーの指導を受けた選手。MBマックレヴィン ディアリス平は母が長野市の出身で、「母が育ったこの長野を代表して戦うことをすごく誇りに思う」と語った。伊藤洸貴はセッターながら190cmのサイズが魅力的で、高身長の外国籍選手とも合わせ慣れている。

唯一の継続組が実感した変化
千葉貫世が見た“細かさ”の正体

この日、壇上でただ1人、昨季からチームを見てきた選手がいた。MB千葉貫世。専修大学4年時の昨季は内定選手としてチームに帯同しており、内側から変化を知る。

前体制との違いを問われた千葉の答えは、ラーナー監督が自ら語った持ち味と噛み合っていた。

「ボブ(ラーナー監督)がこのチームに加わったことによって、前シーズンとは違う雰囲気であったり、細かいところを突き詰める細かさも増えてきた。非常に大変な部分ではあるけれど、やっぱりそれがチームの勝利につながってくると思う」

監督が「細部に自分を注ぎ込む」と言い、選手が「細かさが増えた」と証言する。

「ボブやベテランの方たち、新しい仲間たちともっといい雰囲気を作って、強いトライデンツを作っていきたい」と千葉。新たなチームでの船出に期待を込めた。

もっとも、そのチームはまだ完成していない。

この日の壇上に、アウトサイドヒッター(OH)ザカリー・ラマの姿はなかった。アメリカ代表活動のため来日が間に合わず欠席。代表でチームメイトだったマックレヴィンは「大学の試合で対戦したこともある。すごく強くて良い選手。早く合流して一緒に練習できるのを楽しみにしている」と証言した。

9月20日に東京GBと対外試合
弊サイト協賛で多彩な企画を展開

チームは6月に始動。段階的にラーナー監督や外国籍選手が合流し、トレーニングを重ねてきた。練習試合もすでに明治大学、専修大学、VC山梨などと行い、12〜13日にはSVグロースの富士通カワサキレッドスピリッツと対戦。徐々に完成度を高めている。

そして9月20日は、今季初めてとなるSVリーグ勢との顔合わせ。東京グレートベアーズを岡谷スワンドームに迎えてのプレシーズンマッチだ。この試合は信州スポーツキングダムpresentsで開催し、当日は多種多彩な企画を用意した。

今季から「信州松本」の名を冠し、リスタートを切ったクラブ。まずは会場に足を運んでもらいながらファン層を拡大しつつ、次世代への種まきも同時に行う必要性がある。そうした観点から、子どもを対象とした企画を意識。「キッズ記者体験」「エスコートキッズ」がそれに当たる。

同時にプレシーズンマッチは、既存の熱心なファン層こそ足を運ぶ場でもある。そのため、来場者全員を対象にした「小川貴史GMトークショー」「特別マッチデープログラム配布」「当日限定ステッカー配布」を行う。

個人協賛会員向けには「試合後記者会見の観覧権」「セレモニアルサーブ参加権」を企画。バレーボールのまち・岡谷で行われる一戦を足がかりにしながら、10月に迫った開幕へ熱量を増幅させていく。


9月20日 vs東京GB「信州スポーツキングダム プレシーズンマッチ」として開催決定!
https://sm-tridents.jp/information/27380
9月20日 vs東京GB パートナー特典ご応募
https://shinshu-sports.jp/application-20260920
信州松本トライデンツプレシーズンマッチ開催のお知らせ
https://sm-tridents.jp/information/27239
【フォトギャラリー】2026.9.5 新入団選手・監督会見&トークショー
https://shinshu-sports.jp/photogallery/41832

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