【Farewell-column】雷撃のスピードスターは次の挑戦へ 信州BW・山崎玲緒

バスケットボールの2024-25シーズンが全て終了し、信州ブレイブウォリアーズも新たなシーズンの準備を着々と進めている。本企画は24-25シーズン限りでチームを去る選手・スタッフに敬意を表し、その働きぶりやチームに遺した財産などを改めて記録するもの。今回は派手な金髪と派手なスピードで魅了した背番号1・山崎玲緒にスポットを当てる。
文:芋川 史貴/編集:大枝 令
KINGDOM パートナー
B3からB2へと挑戦のシーズン
満足いくプレータイムを得られず
決して多くの時間をコート上で過ごせたわけではなかった。
本人にとってもあまり納得のいかなかったシーズンであったことは間違いない。
ライジングゼファー福岡との3位決定戦を控えた、2025年5月14日。
取材に対し、心の内を明かしてくれていた。

「まだ全然自分の思い描いている人生にはなっていないので、まだまだここから成長していけるようにしていきたい」
最初は練習生として埼玉ブロンコス(B3)から合流し、開幕直前で選手契約を勝ち取った。
プレーオフ(PO)を合わせて出場した試合数は27試合。石川海斗、生原秀将、ペリン・ビュフォードの控えとして試合に出場することが多く、ベンチ登録の関係でエントリー外になることも少なくなかった。

それでも、12月7-8日の愛媛オレンジバイキングス戦で見せた小玉大智との連携や、1月4-5日にかけて行われた福島ファイヤーボンズ戦では、スターティングメンバーとして持ち味を発揮して、ケガ人で苦しむチームを救った。
山崎の持ち味と言えば、雷撃のように敵陣を切り裂くドライブだ。

時には相手のゾーンプレスを真正面から突破する。実際に福岡とのPOではドライブからの得点を多く奪った。
もちろんボールハンドリングや、シュート力、ディフェンス面のいずれにおいても成長は必要だろうが、伸びしろを十分に感じさせた。

挑戦のシーズンを振り返る。
「カテゴリーが上がったのもあるし、チーム内外にはB1でも劣らない人たちがたくさんいた。その人たちとマッチアップをしていく中で、バスケの知識も含めて、いろんな経験を積めた1年だった」
KINGDOM パートナー
子どもたちの“夢”になるために
次世代の道を照らす希望の光へ
「夢を見て、夢を叶えて、夢になる」
これは山崎の座右の銘とするフレーズ。夢の舞台で活躍して、子どもたちに勇気や希望を与えるプレーもシーズンを通していくつもあった。
それでも本人にとっては、まだまだ夢を描いている途中だ。

「今、思い描いている人生はこういうところで(体育館の角で座りながら)言いたいものではない。いつか成功した時に『僕が思い描いていた人生はこうです』って言いたいけれど、そんなに簡単なことではない」
「僕も夢を叶えている最中だけれど、その中でも僕に憧れてバスケットボールをやってくれる子どもたちが少なからずいると思う。そういった子どもたちの夢になれるようにこれからも頑張っていきたい」

試合で輝くために、プレータイムが得られない時期でも、くさらずに練習に取り組む。チーム練習の後には個人や若手中心にワークアウトで自分を磨き続ける。
夢を叶えるために、夢になるために――。

次なる挑戦の舞台は、B3の岐阜スゥープス。
いつか自身の思い描いた夢を語れるように、これからも日々成長を続けていくのだろう。
#1 山崎 玲緒 選手 契約(新規)合意のお知らせ
https://www.gifu-swoops.com/2025/07/15/1-yamazaki-signed/