東地区3位から浮上を狙う “B2優勝&B1昇格”に向けた後半戦のカギは

信州ブレイブウォリアーズはB2リーグのレギュラーシーズン60試合の半分を消化した。これまで32試合を行い、21勝11敗で東地区3位。2025年1月18-19日のオールスターゲームに合わせて、バイウィークに突入する。スタープレーヤーを含む新加入選手が合流し、リスタートしながらB1復帰を目指すシーズン。これまでの戦いを振り返りながら、バイウィーク明けの後半戦を展望する。

文:芋川 史貴/編集:大枝 令

新加入6人含めて再構築のシーズン
一進一退の中でも徐々に成長

今季は2019-20シーズン以来となるB2に戦いの場を移し、「B2優勝&B1昇格」を目標に掲げて取り組んでいる。

改めてチーム編成から昨季からのメンバーは

#3 エリエット・ドンリー(2)
#4 小玉太智(2)
#11 石川海斗(3)※2018-19シーズンも所属
#12 栗原ルイス(7)
#31 三ツ井利也(9)
#46 生原秀将(3)
#50 ウェイン・マーシャル(7)※勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)体制のみ
※カッコ内は在籍年数を表す

そこに加えて今季は

#1 山崎玲緒
#2 ペリン・ビュフォード
#14 狩野富成
#15 アキ・チェンバース
#30 テレンス・ウッドベリー
#34 渡邉飛勇

といったタレント性のある選手や、ルーキーでありながらポテンシャルの高い選手を補強した。

チームの半数が入れ替わると、チーム作りも一からリスタートとなる。新戦力は「信州のバスケットのなんたるか」を大量にインプットする必要性に迫られる。勝久HCのバスケットは緻密であり、一切の妥協を許さない。

どれだけタレント性のある選手でも、ベテランの選手でも1年目は考えながらプレーすることが増えてしまう。ルーキーであればそれもなおさらだ。

前半戦30試合を終えた今、在籍1年目の選手も持ち味を発揮してきている。

例えばチェンバースはシュートタッチが戻ってきているし、渡邉もゴール下のバリエーションが増えてきている。そしてもともと力を発揮していたビュフォードやウッドベリーは、チームを救う個人の打開だけでなく、チームプレーの中でも強さを発揮できてきた印象だ。

既存の選手では、2年目のドンリーが特に成長著しい。2024年11月16日の青森ワッツ戦を境にプレーの迷いが少なくなってきたことで、プレイタイムとパフォーマンスが安定してきた。

長く在籍している選手も、チームのコンセプトを大切にしながら新しいチーム、自身の役割に順応し始めている。

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チームの成長を加速させるカギ
マーシャルと生原の存在感に期待

今季は大きなケガから復帰したマーシャルや生原の活躍も、チームの成長に大きく貢献している。マーシャルはチームの大黒柱で、オフェンスでは石川とのコンビプレーがチームの重要な武器。ディフェンスでも味方に指示を出しながら、信州のゴールをしっかりと守る。信州のバスケットを大きく支える一人だ。

生原も激しいディフェンスやボールへの執着心などを持ち合わせ、泥くさいプレーも積極的に遂行。チームにエナジーと勢いを与える選手だ。

この2人がコートに立てることで、信州のバスケットは成長をより加速させることができる。

1月12日に行われた静岡とのGAME2を終え、マーシャルは前半戦を振り返って「自分たちがどういうスタンダードをセットしたいかを確立する前半戦で、毎試合意識して積み重ねられた。自分たちは今、正しい方向に向かっている」とチームの成長を評価した。

生原も「新しい選手がたくさんいるので、もっとチーム戦術の理解度を高めないといけない。『この選手はこういうプレーが得意』という理解やチームのバスケットをしっかりやっていく中で、個の力を引き出していきたい」と今後のさらなる成長を誓う。

一方で、現在の信州は石川やビュフォードなど主力の欠場が続く。12日の試合ではウッドベリーが途中で負傷退場して病院で検査を受けるなど、コンディションも気がかりだ。B2にとっては今季初めてのバイウィーク。チームの成長を続けながら、再開時にどこまでチームの戦力が整うのかも注目される。

悲願の目標達成のために
GAME1での勝ち星を多く

バイウィークが明けると、チャンピオンシップ(CS)に向けてより熾烈な争いが行われる。特にB2はB1と異なり、同地区との対戦が6試合組まれている。フィジカル面での激しさはもちろん、戦術面でもスカウティングのやり合いが見どころの一つでもある。

ここで信州の今季の成績の傾向を見てみると、同一カードとの連敗は福井ブローウィンズとアルティーリ千葉の2チームのみ。それ以外はGAME1で試合を落としているものの、GAME2ではきっちりと修正して白星をつかんでいる。

これまでもGAME1を落としてしまう原因を探ってきたが、「油断」といったメンタル的な部分や、「初対戦のチーム、選手が多い」といったスカウティング的な部分が選手からは挙げられていた。

後半戦では同一カードの対戦に加え、初対戦のチームとの試合も待っている。スカウティング的な理由は実際に対戦してみないと解決できないが、強い気持ちを持って、相手に挑むことは可能だろう。

ただ、スポーツは人間同士が行うもの。一言で書いて済ませられるほど単純な問題でもない。指揮官は言う。

「相手も勝とうとしている。人間はアップダウンがあるし、僕もそう。きっと皆さんの人生にもアップダウンはあると思う。それをどうチームとして修正したり、気持ちを上げたり、反省したりできるか」

「気持ちの面や戦術面も、常に正しい方向に向かわせながらチームを作っていく。相手もいるので、それを上回ったり今度は我々が上回ったり。それがコンペティション(競争)だと思う」

人間同士の対決の中で、自分と向き合ってマインドを練り上げ、チーム一丸で勝利を目指していく。選手や指揮官もよく使う「自分がコントロールできる部分」を徹底できることがプロに求められる力なのだろう。

信州の後半戦は1月25-26日、アウェイで今季初対戦の熊本ヴォルターズと対戦する。目指すべき優勝という目標に向けて、まずはバイウィーク明けのGAME1で勝利をつかみたいところだ。


Bリーグ チーム紹介ページ
https://www.bleague.jp/roster/?year=2024&club=716&p=&c=&o=random&tab=2
クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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