指揮官の熱烈オファーが移籍の決め手 “すっすー”こと東海林奨は信州で飛躍する

勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)の猛アタックを受け、信州ブレイブウォリアーズへの加入を決めた。信州への入団が発表された東海林奨。青森ワッツで3年間プレーし、昨季は大幅にスタッツを更新した24歳だ。2025年7月12日には移籍後初のイベントとなったトークショーに出演。そんな東海林をイベント直後に取材し、経緯や意気込みなどをたずねた。
文:芋川 史貴/編集:大枝 令
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オールラウンダーとして活躍に期待
初のイベントでは充実した表情も
「青森の気候と比べると信州の方が暑い。そして信州ブースターも、トークショー中にはツッコミを入れてくれたり、気さくにしゃべってくれる方がいたりと、ブースターもすごく熱いなと思った」
7月1日に長野県に到着後、初めてのイベントに出演した東海林奨。暑さによる疲れはやや見えたものの、イベント中もその後のメディア対応にも充実した表情を浮かべていた。

イベント中は同世代の小玉大智とともに学生時代の話で盛り上がったり、自身の強みをブースターに紹介したり。子どもたちからの質問や、サイン会でも笑顔で受け答えをしてブースターとふれ合った。

PROFILE
東海林 奨(とうかいりん・すすむ) 2001年1月28日生まれ、栃木県出身。昌平高から白鴎大に進み、卒業後は青森ワッツで3シーズンにわたってプレーした。2024-25シーズンでは59試合に出場し、平均プレータイムは前年の11分58秒から、24分5秒まで伸びるなどスタッツも年々向上しているオールラウンダー。193cm、85キロとサイズはありながら、相手エースを守る役目も果たせる3&Dとしても期待がかかる。好きな食べ物は寿司とラーメン。ニックネームは「すっすー」。
白鴎大卒業後、青森ワッツで3年間プレーした東海林。信州を選択した背景には勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)の並々ならぬ猛アタックがあったと明かす。
「信州の3位決定戦が終わってすぐに青森まで新幹線で来てくれて、駅内のカフェで1〜2時間ぐらい映像を見せてもらいながら話をした。その熱量がすごいと思ったのと、来シーズンはプレミアが決まっている信州なら、チャレンジできるチャンスだと思って決めた」

具体的にはどのような活躍を期待されているのだろうか。
「マイケルさんからは『ドリブルでアタックする役割もできると思うし、アタックしている逆サイドで待っていて、パスをもらってシュートを打つ役割もできると思うから両方やってもらいたい』と言われた」

そして東海林はオフェンスだけではなく、ディフェンスでも定評のある選手だ。
「ここ最近はフォワード系の外国籍選手が増えてきたりしていて、それこそ昨年は信州にいたペリン・ビュフォード選手とマッチアップするタイミングがあった。自分よりちょっと大きい選手と、外国籍選手を守るところも強みの1つだと思っている」
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Bプレミアで活躍できる選手へ
「1個ずつ頑張っていこうと思う」
青森で過ごした3年間は東海林を大きく成長させた。特に昨季はメンバーが大幅に入れ替わり、自身の果たすべき役割も幅が広がったという。
「青森に行ってからやらせてもらえることも増えたし、自分としてもできることも増えたと思う。技術やプレーの幅も広がったのかなと思う」

思い返せば、昨季のホーム開幕戦と最終戦はいずれも青森との対戦だった。
東海林はいずれも20分以上のプレータイムを得ていたが、シーズン序盤と終盤ではプレーの強度やしなやかさが数段成長していたように見えた。

2025年4月13日(GAME1)の会見で、大島洋介HCにそのことについて尋ねていた。
「彼自身は僕の中学校の時の教え子でもある。B1得点王のビュフォード選手に対して、ハードにつけたことに関しては素晴らしいなと思っている。経験値向上も含めて期待したい」と目を細めていた。

さらなる成長を求めて信州に移籍してきた東海林。信州の印象についても口にした。
「まずは5,000人を超えるブースターで、ホワイトリングが真っ黄色になっている景色が印象的。声の圧もあるけど、人数が集まるからこその圧力をすごく感じた」
「ゲームだったら、自分たちのスカウティング以上に、こっちが分析されている感がすごくて、自分たちの理解が追いつかないようなプレーをしてくるような印象だった」

信州ブースターが作り出す黄色に染まった空間と、勝久HCのバスケットの面白さ。対戦相手だった東海林も、14年かけて積み上げた信州のカルチャーをしっかりと感じ取ったようだ。
理解が追いつかないようなプレーに関しても、”マイケルバスケ”特有のスカウティングの応酬ということだろう。相手を細かく分析して、隅々まで選手たちに遂行を求める。
勝久HCのバスケに対して早い段階でアジャストできるかどうかも、マイケルバスケ1年目となる東海林の活躍を大きく左右するはずだ。

今季はカルチャーを紡いでいく信州の一員として、黄色と紺のユニフォームに袖を通す。
ワークアウトも既に始めており、開幕に向けて着々と準備を進めている。
「なるべく早くチームにフィットできるように頑張るのと、来年以降もプレミアで活躍できるような選手になりたいと思っているので、それに向けて1個ずつ頑張っていきたい」

気合い十分な東海林。勝久HCの下で学び、さらなる成長を遂げるであろうシーズンが幕を明ける。シュートもディフェンスにも定評のある東海林は新たな”3&D”プレーヤー、オールラウンダーとしてマイケルバスケの重要なピースとなる。
東海林奨選⼿ 契約(新規)のお知らせ
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Bリーグ 選手個人成績 東海林奨
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