“Good Habits”の先にある栄光へ チームが描くプレーオフへの青写真は

B2リーグは全60試合中37試合を消化し、プレーオフ(PO)に向けた戦いが熾烈さを増してきた。2025年2月1-2日、東地区2位の信州ブレイブウォリアーズは西地区首位のライジングゼファー福岡とホームで対戦し、1勝1敗の痛み分け。上位チーム同士の対戦を終えた信州も東地区2位とPO出場圏内につけている。そうした中、勝久マイケル・ヘッドコーチ(HC)らチームはどんなマインドでゲームに向かっているのか。話を聞いた。

文:芋川 史貴/編集:大枝 令

群雄割拠で混戦状態のB2リーグ
上位争いはさらに熾烈さを増す

「1年でのB1復帰」

今季の信州が見据える最終目標だ。ただ、先を見過ぎて足元をすくわれるのではなく、チームは日々の営みにフォーカスしている。まだ何も勝ち取ってはいない。

とはいえB2プレーオフの足音が少しずつ近付いており、どのようなレギュレーションで開催されるのかは一度整理しておく必要があるだろう。

https://www.bleague.jp/regulation

B2プレーオフは各地区の上位3クラブと、その6クラブを除いたリーグ上位2クラブの合計8クラブで開催。試合は2戦先勝方式で、プレーオフ優勝と準優勝の2チームがB1昇格となる。

このフォーマットに第20節終了時点での順位を当てはめると、

アルティーリ千葉vs青森ワッツ
富山グラウジーズvs信州ブレイブウォリアーズ
鹿児島レブナイズvsベルテックス静岡
福井ブローウィンズvsライジングゼファー福岡

となる。そして順位表を見ると、西地区は首位の福岡と2位の鹿児島が1ゲーム差。東地区は首位のA千葉が抜け出し、2位から4位が混戦となっている。

https://www.bleague.jp/standings/?tab=2

また、ホームアドバンテージの存在もカギを握る。特に昇格が懸かるセミファイナルは上位クラブのホームで開催。信州がプレーオフ全試合でのホーム開催を自力で勝ち取るためには、A千葉に追い付いて東地区の首位を狙う必要がある。

「チームの現在地に集中」
大切にする成長のマインドとは

第20節で福岡とはすでに4戦を終えており、次に対戦する可能性があるのはプレーオフの舞台。順位的にも今節はプレーオフを見据えての対戦だと考えられる中で、指揮官は今節をどのような位置付けで戦ったのだろうか。

「60ゲームの中でとにかくできる限り成長して、最後の最後に我々のベストな姿になっていられるように…と考えながらやっている」

「一戦一戦勝とうと必死なので、『プレーオフを見据えてこのプレーはまだやらないでおこう』というような考え方というよりは、我々は新しいグループなので成長に夢中になっているし、我々の習慣付けにフォーカスしている」

勝久HCは目の前の試合を大切にし、成長した先におのずと結果がついてくる――という考え。そのほかにも「バスケットボールは習慣のスポーツ」だと常々口にしている。

それは緻密なプレーを覚えてコートで表現できるようにすることはもちろん、ディフェンスに重きを置くカルチャーの浸透や、それを遂行する心身のファンダメンタルの成熟。1年目のグループとして、今はまだその全てにおいて成長過程にいる。

指揮官と同じく在籍7年目を迎える栗原ルイスもやはり同じ考えを口にする。

「プレーオフというよりは現在地に集中している。大事なのは目の前にある試合や、目の前のプレー。チームルールやゲームプランの理解度を高めることが大切」

「コーチが1年目からずっと言っている『日々成長』。最終的に良いチームが勝つので、そこにフォーカスしたいと思っている」

GAME1の敗戦はPOだと致命傷か
次節・アウェイ鹿児島戦が試金石

今節もGAME1で敗れたものの、GAME2ではしっかりと修正して接戦を勝ち切った。信州はペリン・ビュフォード、福岡はジャスティン・バーレルがGAME1で負傷してGAME2は欠場。お互いのチーム状況は変わっていたものの、このバウンスバックについて指揮官は「選手たちを誇らしく思う」と目を細めた。

栗原も「1戦目の修正点をある程度修正できて、エナジーやゲームプランの理解度が高くて良かった」と勝利を評価しつつも、危機感を抱いていた。

「これがプレーオフになったときに良いかと言われると…。それこそ福岡とかA千葉とか福井とかは、僕たちが出だしからゲームプランをかなり高い精度で遂行しないといけないタフなチームばかり」

「そういった意味では1戦目からやらないといけない。でも逆を言えばまだまだチームとして成長の余地があるとも思っている」

2戦先勝のプレーオフでは、いかに1戦目を勝ち取るかが重要。もちろん、1戦目を落としても2戦目に勝利した場合は、3戦目へと勝負を持ち越せる。だがなによりもトーナメントを勝ち上がるための勢いが重要となってくることから、第1戦目の勝利にもこだわりたい。

8クラブで争う2021-22シーズン以降のデータを洗い出しても、その傾向は顕著だ。GAME1で敗れながらも残り2試合で連勝して勝ち上がったケースは、2023-24と20-21にそれぞれ2例あるだけ。GAME1の勝者が87.5%の割合で勝ち上がっている。

後半戦に入り、チームとしての成熟度や個々のパフォーマンスは向上している。その中で、前半戦から課題となっているGAME1の戦い方をいかに克服できるか――が、プレーオフに出場し、目標としているB2優勝&B1昇格に繋がってくることは間違いない。

次節は8-9日、アウェイで西地区2位の鹿児島と対戦する。このカードもプレーオフで当たる可能性は十分にある。チームとしては変わらず目の前の一戦として挑むはずだが、その中でも初対戦の強豪相手からGAME1を勝ち取りたい。


クラブ公式サイト
https://www.b-warriors.net/

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